今季限りで2軍打撃コーチを退任し、本紙評論家になった森野将彦さん(41)が初仕事で、根尾の守備位置など、進むべき道を提言した。
根尾のこの1年は、目標とするかたちを自分で見つける1年だったと思う。打撃に関しては、自分がどういう打者なのか。ホームランバッターかというと、そうではない。打率の高いリードオフマンというタイプでもないだろう。やはり目指すのは、立浪さんのようなチャンスに強い、打点を稼げる打者だろう。
2年目を前に、自分がやれること、やるべきことが、ある程度見えてきたと思う。プロの打者として、今は入り口にちょうど足を踏み込んだあたり。まだ自分の形を一本化しなくてもいい。打ち方が毎日変わるような打者になってほしくはないが、2個以上3個未満くらいの中で試行錯誤するのがいいだろう。
勝負、勝負と結果を求め過ぎることも、まだ必要ない。試しながら、まだまだミスしていい。10年後に、この構えは根尾だ、と言われるようになればいいのだ。目指すべきは、1軍で試合に出られるレベルではない。あくまで、1軍で主力として活躍する選手になること。それを忘れないでほしい。
守備では今、外野を守っている。いろんなポジションを守れるのはいいことだ。ただ、今年やってきた遊撃、内野をおろそかにはしてほしくない。荒木コーチに下半身の使い方を教わり、ようやく良くなってきたところだった。自分も内外野両方を守った経験があるが、外野をやるとどうしても腰高になる。
慌てて外野ばかり守るのではなく、内野をやって外野も、というくらいでいいのではないか。将来を考えても、内野でつかみ取った方が絶対に長く定位置を守れる。外野は、打てなければすぐに他の選手に出番が与えられる。そういうポジションだ。
守備も大事だが、根尾はまず打つこと。打てば、内野でも外野でも、チャンスは出てくるのだから。 (本紙評論家)