(cache)difff《ﾃﾞｭﾌﾌ》

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「デイルがいると私はナスタリアと話が出来ない！！絶対に部屋には入ってこないで！！」

「あなたは目を離すとすぐに何処かへ行こうとするので僕は一緒に話を聞きますよ」

「絶っっ対に嫌！！！無理！！！！」

「いくらあなたからの可愛いお願いでも今回ばかりは聞くわけには行きません」

これまでの経緯を聞かないことには状況を理解していないナスタリアにはどうすることも出来ないので、ひとまず応接室へ２人を連れて行こうとした。そう、連れて行こうとはしたのだ。

けれど、ナスタリアの存在が思考の片隅にも存在していないのか、かれこれ30分ほど応接室の前でギャーギャーと言い合いをはじめてしまい、一向に話をすることができないのである。

ナスタリアは呆れた顔を隠すこともせず苦笑をこぼす。

なんだこの自分勝手な人物たちは。私を含めて話をする気はあるのか・・・面倒なことこの上ない。と心の底から思った私は悪くないはずだ。

「いい加減、言い争いは辞めてもらえるかしら。時間の無駄なので」

ナスタリアは極力冷たい声を出し二人を一瞥すると、駄々をこねる二人をあの手この手で落ち着かせ、辞めろ離せベリスとは絶対に離れない！と暴れて手をつけられなくなりそうなダフォデイルをなんとか丸め込み応接室へ押し込む。その隙に嫌だ嫌だと大きな声で喚くだけのベリスをリビングルームへ連れて行き、ようやくここにくるまでの経緯を聞き出すことに成功する。

簡単にまとめるとこうだ。

A級薬師であるベリスは日々回復薬を作成し、それを商店やギルドに売りながら生活している。

侯爵令嬢なので、そんなことをしなくても生活ができるほどの財力を有しているのだが、ベリスは自分の力で生活がしたいと期間限定でオーキッド侯爵様に了承をもらって今の生活をしている。

薬師はS級・A級・B級・C級とある回復薬のうち作成できる回復薬のランクで区分されている。ベリスはA級回復薬までは作成ができるためA級薬師にとして活動をしている。A級回復薬を作成できる人は薬師全体の２割にも満たないため、彼女はこう見えても凄腕の薬師なのである。

ちなみにS級は片手で足りる程度の人数しか作成することは出来ない。

回復薬を作成するためには薬草から抽出した液体に魔力を注ぎ込む必要がある。

回復薬の質は薬草の質よりも魔力の質に準ずるとこが大きいため、薬草は高級品を使う必要はない。

必要な薬草自体はは商店やギルドから購入することができるがどうしても割高になってしまうため、多くの薬師は山や森に潜り、自ら素材を集めることで安く回復薬を作成し利益を得ている。

彼女はもったいない精神から、回復薬の素材をお店から購入するのではなく、自分で素材を集めたいと考えた。だが、山にも森にも危険がつきまとう。狼や熊、魔獣もいるし野盗などに遭遇する可能性もある。そのために戦いが苦手な彼女は素材集めをするための護衛を探しており、強くてしっかりと自分を守ってくれ、更にきちんと言うことを聞いてくれる人がいいと考えた。

そうなると適任は護衛を雇うのではなく奴隷を買うことになる。

意を決して、奴隷市場が発展している王都のはずれにある奴隷商店で出会った奴隷がダフォデイルだ。

彼は昔の仲間に騙されて奴隷になったため、人を殺めたり犯罪を犯したわけではないらしい。非常に戦闘能力が高く強くて力持ち、護衛に向いているが扱いにくい、と奴隷商に言われたそうだが奴隷商での扱いが悪く、酷く痩せてしまっていたものの、五体満足で非常にお買い得だったため迷わず買ってきた！

と、市井のワゴンセールで良いものをお安く買えた平民のマダムのように、恍惚とした表情で満足気に語るベリスに問題を起こしたことへの反省の色は見えない。

「安く買えたまでは良かったんだけど、そこでね奴隷商から話を聞いた限りでは全く問題ないと思ってたことがよくよく調べてみると実は非常に困ったことになっていると気がついたの！」

「あなたはいつも問題ないって言いながら問題ばかり起こしている気がするのだけど」

「ひどい！ナスタリアったらそんなこと思っていたの！？」

少しムッとした表情で頬を膨らまして睨まれる。

いつもいつも問題事に巻き込まれて面倒な処理しているのはナスタリアなのだからこのくらいの小言は許してほしい。

「それで、奴隷商からなんて言われたの？」

「その時に～、えーっとねぇ～」

「”この奴隷、鬼だけど大丈夫か？”って」

「デイルがいると私はナスタリアと話が出来ない！！絶対に部屋には入ってこないで！！」

「あなたは目を離すとすぐに何処かへ行こうとするので嫌です。僕はあなたと一緒に話を聞きますよ」

「絶っっ対に嫌だ！！！無理！！！！」

「いくらあなたからの可愛いお願いでも今回ばかりは聞くわけには行きませんね」

これまでの経緯を聞かないことには状況を理解していないナスタリアにはどうすることも出来ない。そのため、ひとまず応接室へ２人を連れて行こうとした。そう、連れて行こうとはしたのだ。

けれど、ナスタリアの存在が思考の片隅にも置かれていないのか、かれこれ数十分ほど応接室の前でギャーギャーと言い合いをはじめてしまい、一向に話をすることができないのである。

ナスタリアは呆れた顔を隠すこともせず苦笑をこぼす。

なんだこの自分勝手な人物たちは。私を含めて話をする気はあるのか……面倒なことこの上ない。と心の底から思った私は悪くないはずだ。

「いい加減、言い争いは辞めてもらえるかしら。時間の無駄だわ」

ナスタリアは極力冷たい声を出し二人を一瞥すると、駄々をこねる二人をあの手この手で落ち着かせる。辞めろ離せベリスとは絶対に離れない！と暴れて手をつけられなくなりそうなダフォデイルには、ベリスの過去のかわいい失敗談など、ベリスの情報との交換でなんとか丸め込み玄関から一番近い応接室へ押し込む。悪くない、そう言いたげな顔をして大人しく部屋に入ってくれた。その隙に嫌だ嫌だと大きな声で喚くだけのベリスを私室の続く２階にある客室へ連れて行く。

家に誰かを泊める機会が少ないため、客間自体はベッドとテーブルとソファーとシンプルな調度品程度しか置いていないような簡単な作りの部屋だが、応接室が使えないからと、ダイニングへ案内するのも可笑しな話だ。致し方無いと割り切ることにする。

ベリスにソファーに座る様に案内し、テーブルを挟んで向かい側へと腰を下ろす。そして、ようやくここにくるまでの経緯を洗いざらい聞き出すことに成功したのだ。

まぁ、簡単にまとめると、買った奴隷が四六時中熱の籠もった瞳で見てきてベリスの行動を束縛するそうに必ず何処へでもついてくる。いつ食われてしまうかわからない。そんな彼に恐怖を感じている。助けてくれ、といったところか。

A級薬師であるベリスは日々回復薬を作成し、それを商店やギルドに売りながら生活している。

侯爵令嬢なので、そんなことをしなくても生活ができるほどの財力をオーキッド家は有しているのだが、ベリスは自分の力で生活がしたいと期間限定で侯爵様に了承をもらって今の生活をしている。

薬師はS級・A級・B級・C級とある回復薬のうち作成できる回復薬のランクで区分されており、ベリスはA級回復薬までは作成ができるためA級薬師にとして活動をしている。A級を作成できるのは全体の薬師の中でも２割にも満たないため、彼女はこう見えても凄腕の薬師なのである。

ちなみにS級は片手で足りる程度の人数しか作成が出来ない。

回復薬を作成するためには薬草から抽出した液体に魔力を注ぎ込む必要がある回復薬の質は薬草の質よりも魔力の質に準ずるところが大きいため、薬草は高級品を使う必要はない。まれに高級ばかりを使って回復薬を作る者も居るが、総じて魔力の精錬が下手で、少しでもごまかしてランクをあげようとするものが大半である。高級品は回復薬に使うのではなく料理に使ってこそ意味がある、とナスタリアは考えている。持論ではあるが。

その薬草自体はは商店やギルドから購入することができるが、人を介しているためどうしても割高になってしまう。そのため、薬師は山や森に潜り、自ら素材を集めることで安く回復薬を作成し利益を得ている。

ベリスはもったいない精神から、回復薬の素材をお店から購入するのではなく、自分で集めたいと考えた。だが当然山にも森にも危険がつきまとう。狼や熊、猪などの野生動物だけでなく、魔力を携え攻撃を繰り広げるよつな魔獣もいる。もちろん危険なのは動物ばかりではない。野盗などに遭遇する可能性もあるのだ。

そのために戦いが苦手な彼女は素材集めをするための護衛を探しており、強くてしっかりと自分を守ってくれ、更にきちんと言うことを聞いてくれる人がいいと考えた。

そうなると適任は護衛を雇うのではなく奴隷を買うことになる。

意を決して、奴隷市場が発展している王都のはずれにある奴隷商店で出会った奴隷がダフォデイルだ。

彼は人を殺めたり犯罪を犯して冒険者になったわけではないらしい。非常に戦闘能力が高く強くて力持ち、護衛に向いているが奴隷を買い慣れてない人には一癖もふた癖もあるため扱いにくい、と奴隷商に言われたそうだ。奴隷商では奴隷の環境が悪く、酷く痩せてしまっていたものの、五体満足で非常にお買い得だったため迷わず買ってきた！

「安く買えたまでは良かったんだけど、そこでね奴隷商から話を聞いた限りでは全く問題ないと思ってたことが、帰ってからよくよく調べてみると実は非常に困ったことになっていることに気がついたの！」