米レッドモンク(RedMonk)という調査会社が半年に1回程度のペースでプログラミング言語の人気ランキングを公開しているのをご存じだろうか。筆者は毎回この発表を楽しみにしている。

 2019年6月に公開された最新の調査結果を見ると、赤丸急上昇の言語はTypeScriptである。前々回から前回は4位上昇、前回から今回はさらに2位上昇して(合計で6位上昇)、ついに全言語の中で10位に食い込んだ。

プログラミング言語ランキング
(出所:米レッドモンクが2019年6月と2018年6月に公表した調査結果を基に編集部が作成)
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 RedMonkは過去7年間のランキングの推移グラフも出していて、これを見てもTypeScriptの飛躍は目覚ましいものがある。何しろランキング20位以内に初めて登場したのが2017年1月の調査で、それから3年足らずで10位に食い込んだ。

 TypeScriptに限らず順位の変動は大きい。2013年以降ではClojure、Go、Swift、TypeScript、Kotlinが新たにトップ20位にランクインした。トップ20入りはしていないけれどRust、Julia、Elixirなどが控えている。逆にCoffeeScriptやGroovyのように、2013年ごろは20位内にランクインして勢いがあったが最近はパッとしない言語もある。

 RedMonkの調査結果を見ると、2015年から新しい言語が登場したり順位が入れ替わったりする頻度が激しくなっている。2015年はGoが初めてトップ20位のランキング入りした年だ。

 一昔前まではプログラミング言語というと、多くの人がC/C++あるいはJavaを思い浮かべたのではないか。今同じ質問をプログラマーにした場合、回答はいろいろな言語に分かれるだろう。数多くのプログラミング言語が乱立しており、はやり廃りが非常に早くなっている。

 筆者も近年、以前より新しい言語を使う機会が確実に増えている。まさに「プログラミング言語の戦国時代」と言ってよい。なぜこんなに言語が乱立するようになったのか考えてみたい。

オブジェクト指向言語に対する反省とマルチパラダイム言語

 理由の1つとして、オブジェクト指向言語に対する反省があるだろう。

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