意外に正しかった100年前の「日本の未来」予測

100年後も「名探偵コナン」は続いているのか

100年後の日本はどうなるのか。そして、100年前に予想された「100年後の日本」はどんなものだっただろうか(写真:topic_3z/PIXTA)
「100年後の日本はどうなるのか」。気宇壮大な大胆なテーマを特集に取り組んだ『アステイオン』91号が、このほど上梓された。同号にも寄稿した渡辺靖氏が、その概要とともに、未来を予想することとは何かを探る。

100年前の「100年後の日本」予想

このほどサントリー文化財団が編集する『アステイオン』(CCCメディアハウス発行、編集委員会委員長・田所昌幸慶應義塾大学教授)で「可能性としての未来――100年後の日本」という特集が組まれた。

文字どおり、100年後の日本や世界を予測しようという企画で、サントリー学芸賞の受賞者や選考委員など、財団と縁のある研究者や文芸家ら60名以上が参加した。もともと文芸誌と学術誌の中間的な色彩の強い『アステイオン』だが、「令和」2度目となる今号はいつになくにぎやかで、楽しい内容になっている。

田所氏によると、実は、今から100年ほど前の1920(大正9)年に三宅雪嶺の主宰する雑誌『日本及日本人』の中で「百年後の日本」という特集が組まれ、研究者、政治家、文学者、ジャーナリスト、官僚、軍人、宗教関係者などが寄稿した。

そこには、島崎藤村、和辻哲郎、菊池寛、室生犀星、長谷川如是閑、賀川豊彦、さらには深川の鰻料理屋「宮川」の主人の名前まである。

彼らの未来予想図の中身はというと、「わかりません」「神も予想し難し」という正直(?)なものから、「俺は生きていない」「明るい女がふえる」というやや投げやり(?)なものもあり笑ってしまう。

次ページ中には、ほぼ正しく読み当てているものも
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  • 東洋経済購読マンa6605f19310f
    意外に正しかった100年前の「日本の未来」予測

    → 100年前の予測が殆ど書かれていないのですが。


    ただの本の宣伝か
    up17
    down1
    2019/12/18 07:10
  • AJRAbdebf3631e11
    どこかで見た記事かと思ったら、宣伝ね。
    up0
    down0
    2019/12/18 09:33
  • phj by PC0dff3981b61a
    この本の各著者の内容を、コラム氏は「意味深」と評しているが、この題名だけみて私が感じるのは「暗い未来」と「精神性だけ論じている」ということだ

    100年前の予測は玉石混交ではあるものの「科学の発展と人間社会への展望」があったように思える

    今回のものはそのような「明るさ」はあるのだろうか?

    近年「科学技術が行き詰まり、資源が枯渇しつつあるという認識から中世的世界がやってくるのではないか」と言われているが、それを後押しするような内容になっている気がする

    そういう点では「意味深」であるが、著者たちが日本や世界の碩学であるなら、嘆き憂うだけで未来に希望を見出さないのは実に残念でもある

    まあ、このコラムだけで判断するのは早計なのでとりあえず読んでみよう
    up0
    down0
    2019/12/18 09:26
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