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静岡

85歳、念願の初写真展 浜北の鈴木さん

国内各地で撮影した写真の前で笑顔を見せる鈴木勉さん=浜松市浜北区尾野のバードピア浜北で

写真

 国内各地の風景や自然を趣味で撮影してきた浜松市浜北区於呂の鈴木勉さん(85)の写真展が二十八日まで、同区尾野の「バードピア浜北」で開かれている。病で一度はカメラを手放したが、家族の勧めで初めて個展を開いた。ファインダー越しに見つめた生命の力強さや一瞬の「静と動」が収められている。

 本格的に撮影を始めたのは六十代すぎで、国内の名所や自然、野鳥の姿を記録するようになった。焦点距離が500ミリの超望遠レンズを抱え、磐田原台地から沈みゆく夕日を撮影したり、天竜区の光明山周辺に二十日間通い続け「森の王者」と呼ばれるクマタカの雄姿を追い続けたりした。

 会場には、静岡市清水区から撮影した雲海の先にそびえる富士山、静けさが伝わる岐阜県の白川郷、眼光するどいクマタカや愛らしい姿のソウシチョウなど二百点余りの写真が並ぶ。

 これまでに重い気管支炎やがんを患い、入院と手術を経験した。「出掛けて撮影するのはもう無理」と、一度は機材を全て手放したが、家族や友人の勧めで念願の個展を開催。再びカメラを持ち、撮影を再開している。「写真は思い出もよみがえる。自分が見た風景を残し、多くの方に見ていただきたい」と力強く話した。

(久下聡美)

 

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