ZOZO執行役員コミュニケーションデザイン室長の田端信太郎氏は2019年12月13日、年内にZOZOを退職することを自身のSNSアカウントで明かした。身近で働いて感じた前澤友作氏の経営哲学、ZOZOに感じた可能性、「ZOZOSUIT」失敗の背景、退職する理由などについて、日経クロストレンドの独占インタビューで赤裸々に語った。
いつごろから退職を考え始めたのでしょうか。
もともと45歳を迎える2020年を節目とは考えていましたが、遅かれ早かれという思いは19年の半ばぐらいからはありました。実は僕と前澤さんは同い年で、誕生日も1カ月しか違わない。(ZホールディングスによるZOZOの)買収の話を聞いたときに、ビジネスマンとしても、1人の人間としても折り返しに差し掛かったと考えて退職を決めました。
ZホールディングスによるZOZOの買収、前澤さんの退任が最後の引き金になった。
個人の立場で言えば、前澤さんから誘ってもらって入社したので、やはり前澤さんがいなくなるということはそういうことだという考えはありました。(退任を発表した)9月の半ばまでは、前澤さんを良い形で送り出すことが広報担当役員である私の責務でしたが、それが終わった翌日には会社に退職を申し出ることにしました。執行役員というポジションにいると、退職までは一定期間の猶予が求められますが、ちょうど年内で退職するにはいいタイミングでした。
田端さんが転職を決める判断の基準はどこにあるのでしょうか。
今回のZOZOがすべてではありませんが、会社に入るのは株を買うのと似ています。トヨタのような誰もが認める一流会社は株価も高いが、高値のままだとリターンは少ない。自分が株に付加価値を付けられるかが重要で、これから成長する期待ができる、あるいは立て直せる会社に入ったほうが付加価値を付けられる可能性があります。
僕は株を買うときに、その理由を紙に書いて自宅に張ります。分かりやすく言えば、これから日本は高齢化社会になり、人口が減る。人手不足で交換の手間のかからないおむつが売れるはず。だからユニ・チャームの株を買うとか、そういったことを箇条書きにして張る。そして、それは今も変わっていないかと問いかけながら売買の判断をしています。
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