手づくりで生み出す“おいしさ”
果物本来の風味を活かすため、宮澤食品では手作業で皮をむいています。例えば白桃では、湯の中で皮をはがす“湯むき”を採用。
「従来の製法では、熟度に関係なく皮がむけるよう溶液を使って皮むきしていましたが、桃の風味が抜け落ちてしまい、甘みを強くしたシロップで補わなければいけませんでした」とゆかりさん。
“湯むき”の場合、選別の段階で熟度を吟味し、熟したものを選ぶことが必要となりますが、その分、一番風味の良い桃を生に近い状態で加工することができるのです。
ラ・フランスとりんごも、白桃同様に素材の吟味から始まり、皮むき器やナイフを使い一つひとつ丁寧に皮をむいています。
このように素材の加工に適したタイミングを見極める目と、素材をいためず手早く皮をむくなどの技を使い、手作業でひと手間掛けて仕上げていくことで、よりおいしい缶詰が完成します。
りんごの色が変わらないよう、手早く皮をむき、へたや芯を取っていきます。
缶詰へ詰める工程も手作業で。砂糖とレモン汁だけでつくられたシロップも入ります。
正直なものづくりを続ける大切さ
宮澤食品の手間ひま掛けてつくられた製品には、リピーターも多く、食の安全に注目が集まる現在、宮澤食品の様に安心して食べられる食品は貴重な存在。
「もっと高くしても売れると言ってくれる人もいる。でも、お客様から納得していただける価格で、素材にこだわり、おいしいものをつくり続けたい」と正一さん。
価格競争やブランド志向などの風潮に流されず、一つひとつに目が行き届いた製品づくりを続けることを第一に考えています。
「つくり立てもおいしいですが、缶の中で素材とシロップが時間をかけて混ざりあった後は、よりまろやかな味わいが楽しめます」とゆかりさん。
丹誠込められてつくられた缶詰は、贈答品や保存食としてだけでなく、ぜひじっくりと味わってみたい一品です。
東北芸術工科大学生デザインのパッケージ。缶詰の中身を表すような、果物のイラストだけのシンプルなデザイン。
果物本来の風味と食感が楽しめます。
<2010年1月8日取材>