こんにちは。この度は機械ヴァンパイアでグランドマスターに到達するまでに得たこのデッキの回し方・構築についての私の知識を文字として書き留めたくこの記事を書くことにいたしました。
拙い解説ではありますが、最後まで読んでいただけると幸いであります。
構築はこちらです。配信外での戦績については記録していませんでしたが、配信中の戦績は66-25の勝率72.5%でした。
機械ヴ完成



1)まずどういうデッキなのか

最初に強調したいのですが、このデッキはミッドレンジデッキでもアグロデッキでもコンボデッキでもなく、コントロールデッキです。
テンポを重視するプレイよりも、手札を強く使い相手の動きをいなしてからこちらの強いカードをたたきつけるプレイを重視します。
一例を挙げると、対ロイヤルの先攻時、3tの手札が天界の尖兵、ヤヴンハール、トリル、モノ、破滅のサキュバスでお互いの場に何もいないなら、何もせずにパスします。
そして4tにトリルを出しデビルソングを取り、5tの尖兵ヤヴンハールで盤面を取り返すのです。そうして7tか8tぐらいに破滅のサキュバスを出し、9tにモノを出し、10tや11tにオーディンを出して逆転する。そういうデッキなのです。
先攻後攻に関しても、対アグロ以外は後攻の方が嬉しいです。序盤は受けに回るデッキですし、オーディン直接召喚の条件も緩くなるので。



2)構築について
まず1枚1枚の採用理由について細かく解説したいと思います。紹介する順番は、このデッキにとって重要な順番です。

a)深紅の抗戦者・モノ
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このデッキの最も強力なフィニッシャーです。条件を満たせば実質7コスト6/6疾走守護+場の機械を進化させられます。マリガンで必ず1枚キープします。
2ターン目に出したいカードではないですが、9ターン目までに2枚欲しいカードなのです。
9ターン目にモノを2枚投げて12点ダメージを与えるのが非常に強力なので。
ただしモノが2枚無くても、9PPでモノ+マシンエンジェル+ファーストワン、モノ+メカゴブリン+ファーストワンでも十分強力です。
ちなみにモノとマシンエンジェルのコンボは9PPではスムーズに行くのですが、10PPだと8PP余ってしまいそのままだとマシンエンジェルをアクセラレートで使えないので、リペアモードか姦淫の口づけを挟む必要があります。
先攻2tにモノ以外に出せるカードが無い時は大抵出さずにパスします。後攻の場合はさすがに顔を詰められてしまうので出すことが多いのですが。
このカードを最も強く使うには、リーサルを取る一つ前のターンに投げたいです。守護で顔を守りつつ相手のライフを削ることができるので。
最速7tで投げられるカードではあるのですが、私のレシピでは最速7tで投げることはあまりせず、9tを目安として投げるプランを考えていきます。
機械カウントが溜まっているからと言って、場に機械も残っていないのに7PPでモノだけ取り合えず投げるというのはもったいないことが多いです。


b)破滅のサキュバス
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このデッキの2番目に強力なフィニッシャーです。
相手がリソースをたくさん吐いて盤面を並べたところにこのカードを出して一掃し、除去しづらいスタッツである6/6を立てることで一気に形勢を有利に持って行きます。
このカードもマリガンで1枚キープします。このカードがあるかないかで進化権が切れた後の動きの強さが大きく変わりますし(特に7t)、あとから引いてきてもコストが十分下がらないからです。
対ネクロ戦では、このカードと、後述するトリルで手札に加えたデビルソングを手札に持っておくと、機械神が無くても潜伏したギルネリーゼを取れるようになります。
対ロイヤル戦の先攻7tにこのカードを出す時、進化権が余っていたら置き進化します。簒奪の使徒に上から取られなくなります。

c)至高の戦神・オーディン
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モノ、サキュバスに次ぐ、このデッキの第三の矢です。通常のEPによる進化に加えて、先攻なら4回、後攻なら3回進化することで10tに直接召喚されます。
このデッキで追加進化できるカードは、フニカル、ヤヴンハール、トリル、モノの4種類で、これらを使って進化回数を稼ぎます。
今の環境は明確な蓋デッキが少なく、10tを迎えられることが多いので、長期戦におけるバリュー勝負においてかなり優位を取れます。また、モノ、サキュバスだけでは足りない(あるいはそれらを引けていない時に)打点を疾走で補うことができます。
手札から出して進化することで相手のヴィーラやセレスを無理やり取りに行くこともよくあります。

d)悪夢の始まり
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このデッキの潤滑油となるドローカードです。マリガンで1枚キープします。先攻なら2枚キープしても良いです。
手札を増やして合計リソースで相手に打ち勝ったり、モノやサキュバスといった強力なカードを集める役割があります。
このカードで機械フォロワーであるプロダクトマシーンを出すためにデッキの機械フォロワー比率を高め構築を歪めている人をよく見かけるのですが、私は反対です。
まず、このデッキはモノを最速で出すことを目指すデッキではなく、相手をいなしつつ最後にパワーカードをたたきつけてひっくり返せばいいデッキなのです。
そのためにはモノを出すまでにしっかり相手をいなす必要があり、デッキを歪めることでその時間帯の動きが弱くなるからです。
悪夢の始まりは2枚ドローしながら1/1を2体出す時点で、フォレストバットが出ようが強いカードです。
つまりこのカードを引けていればそれだけでもうラッキーなのであって、このカードを引くことを超ラッキーなこととするためにピーキーな歪んだデッキを組んでは総合的な勝率を落とすと私は考えます。

e)メカゴブリン
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2tに是非出したい基本カードです。マリガンで1枚キープします。
出して倒されることで機械カウントが進みます。

f)マシンエンジェル
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相手によっては是非2tに出したいカードです。機械カウントが2つ進みます。
対ドラゴン、対ロイヤルにおいては、侮蔑の従者、簒奪の従者がそれぞれ裏目になるのでキープしません。
それ以外のマッチにおいて1枚キープします。
8コストで出すと、機械神からこのカードが釣れるようになるので、手札が細い時は8コストで出すことを狙います。
ただし、大体の場合で8コストのマシンエンジェルより6コストのエンハンスアーマードバットの方が強いので優先順位を間違えないように。
9ターン目のモノ+マシンエンジェルアクセラレート+ファーストワンが強力です。

g)アーマードバット
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悪夢の始まりの次に3tに出したいカードです。機械カウントが3つも進みます。
悪夢の始まりを引けていない時に1枚キープします。ただし対ロイヤルだけは絶対にキープしません。もちろんオクトリスというカードが最悪の裏目になるからです。
対ロイヤル戦においてアーマードバットを出すタイミングは3つあります。
甲)進化で相手のフォロワーに当たることで自ら破壊されることが可能な時。
乙)手札にAOEが控えており、オクトリスをケアできる時。(特にエンハンスでオクトリスを出せない7PP以下の時が好ましい)
丙)自分の手札が弱すぎてもはや相手がオクトリスを持っていないことを祈るしかない時。
対ロイヤル以外では無難に強いカードであり、エンハンスもコストパフォーマンスが高く強力です。
機械カウントが6以上溜まっているときにこのカードを出すと、場に残ったプロダクトマシーンをモノで進化させやすく強力です。

h)デビルアイドル・トリル
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追加進化が出来るカードであり、AOEでもあり、単純なバリューカードでもあります。
先攻の場合、6tにこのカードを出してアズ&イズを取り、両方進化することで手札の破滅のサキュバスを7コスに下げて7tに出せるようにするというのをよくやります。
デビルソングよりはなるべくアズ&イズを取った方が、盤面強いですし追加進化を稼げるので強いです。
ただし、4tに出す時はほぼデビルソングを出します。単体のカードパワーは2/2/2の2回復より3コスト相手全体2点の方が強いので。
先攻4tにこのカードを出すと、相手に進化で上から取られたときに相手の場の進化フォロワーの体力が2以下で残りやすく、返しの5tにヤヴンハールや姦淫の口づけで取りやすくなります。
したがって、2t3tの動きが確保できている先攻時のみキープします。

i)火焔の軍神・ヤヴンハール
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追加進化が出来るカードであり、相手のフォロワーを処理しつつそこそこ厄介な3/2として場に残ります。基本的に56t辺り、もしくはフニカルとセットで8t、トリルとセットで9tに使うカードなので、マリガンでキープはしません。
3tにこのカードしか出せるカードが無くても手札と相手によってはこのカードを最も強く使うためにパスすることもよくあります。
相手のセレスに対して、2/2進化で当たってセレスの体力を2にしつつこのカードで取る、というのをよくやります。

j)雷鳴の軍神・フニカル
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追加進化が出来るカードであり、進化権を使わずに相手の軽い盤面を返したり、大型と相打ちできたりします。
基本的にエンハンスで切りたいカードであり、4t辺りでPPが余ってもこのカードを出さずにターンエンドすることはよくあります。
このデッキははっきりした確定除去が後述の双石の悪魔しか入っていないため、相手が大型を出してきそうなときはしっかり温存します。
8tのフニカル+ヤヴンハールという軍神コンビの処理能力+進化回数稼ぎも魅力的です。

k)機械神
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悪夢の始まりから引っ張ってくる機械カードの水増しであり、基本はアクセラレートで使いパワーカードをたたきつけるまでの場凌ぎとしての除去カードとして運用します。ただし手札が細い時、機械カウントが足りないときは8コストでも出します。その場合はアーマードバット、鉄刃の悪鬼、マシンエンジェル本体などがリアニメイト先としてねらい目です。
機械カウントが進んでいるかもしくは8PP無ければ使えないカードであり、絶対に引きたいカードというわけでもない補完枠のカードなので2枚の採用としています。

l)鉄刃の悪鬼
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悪夢の始まりから引っ張ってくる機械カードの水増しであり、ドロソでもあります。
ただし盤面干渉力が弱くドロー枚数も不安定で、基本的なカードパワーが低く手札で腐ることも多いため1枚止まりの採用となります。
ミラーではこのカードの存在があるので、5t前にはしっかり相手の機械フォロワーは除去しておかなければなりません。
進化ヴィーラを(翼がついていなければ)上から取れる貴重な存在でもあります。

m)天界の尖兵
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機械カードでもなく追加進化を稼げるカードでもないのでこの位置での紹介となりましたが、実際の試合中では非常に重要なカードです。
今のローテーションヴァンパイアのカードプールにはなんといっても強力な進化フォロワーが非常に少ないのです。
したがって、このデッキのEPの投資先としては尖兵が最も強力なことになります。
今は横並べが強い環境でもあり、進化時効果の対象である体力1の相手フォロワーには欠きません。もしなければ、こっちが並べた1/1で当たり、対象を作り出せばよいだけです。
そしてなぜか今の機械ヴァンパイアにはこのカードを採用しているものが少ないので、相手が警戒しづらいので、あえて相手のフォロワーを残して相手が尖兵のケアを怠ることを狙うこともよくあります。(ただしこれはレートや大会などでは通用しづらいでしょう。)
構築時においてこのカードと比較されるカードには狂恋の華鎧・ヴィーラがあります。
確かにヴィーラも進化を切って強力なカードであることは間違いないのですが、それを踏まえても私は尖兵の方が優先度が高いと考えます。
なぜなら、このデッキはコントロールデッキであり、パワーカードをたたきつけ始める時間帯まではその場をしのぐことが重要で、尖兵の横処理がそのために最適なのです。
ヴィーラが強い場面というのは、4/4が場に残ってターンが返ってくることで次のターン相手の顔に4点パンチできる時と、次の相手のターンさえ自分のライフを守れればその次の自分のターンでリーサルを取れる時です。
しかしこのデッキはそのどちらもあまり来ない場面なのです。序盤に相手のライフを詰めても嬉しくないので、ヴィーラを出してもただ4/4が放置されて帰ってきて、結局帰ってきたそのヴィーラもまた盤面に当たるだけということになりがちです。また、ヴィーラに切る進化権が残っている状態で次にもうリーサルが取れる状況もなかなか来ないのです。進化権を使い切ってからが本番のデッキなので。
とここまで書いて今さらマリガンに言及しますが、後攻では必ずキープします。2枚あったら2枚ともキープでよいです。先攻時は、悪夢の始まりかアーマードバットとセットならキープしてよいです。
2tに出しても機械カウントは進みませんが、他に2コストを引いた場合に4t5tに進化を切って使えるので。

n)姦淫の口づけ
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1コスト2点除去におまけ回復がついてる使いやすいカードです。
相手が1コストフォロワーの入っているデッキだと分かっている状況なら後攻時限定でキープしてよいですが、それ以外はキープすることはありません。
まず、機械ヴァンパイアというデッキはまだカードプールが足りておらず未完成なデッキなのです。したがってデッキの枠が余るのですが、そこに入れて一番汎用性が高いのがこのカードなのです。
聖獅子ビショップにおける漆黒の法典の枠と言えばわかりやすいでしょう。聖獅子ビショップもまた枠が余るデッキでした。
使い方としては、なるべく体力2のフォロワーを取るようにしたいです。相手の1/1フォロワーなどに撃っていては試合中に発揮できる合計カードバリューが下がってしまうので。
特にミラーではヤヴンハールに対して絶対撃ちたいカードなので適当に1/1に撃ってしまっては絶対にいけません。
ヤヴンハールというカードは進化している状態では4~5コスト相当のカードであり、無理に取ろうとするとこちらのリソースをかなり失ってしまうので、それを1コストで取れるこのカードはかなりのテンポアドバンテージを稼げることになります。

o)双石の悪魔
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このデッキの最後の1枚です。
機械ヴァンパイアの弱点として確定除去が無いという欠点を補うために入っています。また追加のドローソースでもあります。
こちらの鉄刃の悪鬼と同様に、基本的なカードパワーは高くなく、特定の状況でプレイの選択肢を増やせるカードなので1枚の採用となっております。


3)デッキ相性

イ)対ネクロ
不利です。盤面だけで戦ってくれるならいくらでも除去カードで対応し、ギルネリーゼ伏せも機械神やデビルソング+2枚目のデビルソングorサキュバスでケアできるのですが、アーカスのリーダー付与効果から出てくるゴーストによる疾走打点とニコラの禁絶の一撃を止めることが非常に難しいです。
セレスを出されなければ、相手がアーカスを出してくる前のターンに盤面を作り、ライフを詰めてモノで勝つということも出来るのですが、永遠の誓いを撃たれてしまうとアーカスを出すターンすら隙が無くなってしまうので非常に厳しい展開となります。
一応マシンエンジェル、エンハンスアーマードバット、モノという大型守護があるので、できるだけギリギリまでそれらを温存し、相手がリーサルを取ってくる直前にそれらを立てて時間を稼ぎその間に相手のライフを削り切ります。
相手の最大ムーブにはほぼ勝てないので、ある程度割り切りつつ、モノを迅速に投げることが重要になります。
相手がアーカスを出してこない場合はじっくり戦いオーディンの直接召喚まで見据えて後半押し切ります。

ロ)対ロイヤル
有利です。ロイヤルには蓋カードが無いので、とにかくじっくり戦って最終的にバリューの差で上回りることを狙います。
炎獅子の大将軍を3回直接召喚されてもそれらをしのぎ切ることすらできます。
オーディンを直接召喚する勝負になるので、進化回数を稼ぐことを意識します。
オクトリスをケアできない場面でアーマードバットを投げることはしません。
レイサムや簒奪の使徒を簡単に置かれてしまう場面はなるべく作らないようにします。
モノを早期に投げることには拘らず、最大バリューで投げられるタイミングを見計らいます。

ハ)対ドラゴン
有利です。サタンを出されなければデッキのバリューで上回れているのでじっくり戦うだけです。
したがってサタンだけをしっかり警戒します。
サタンターン前に盤面を作ることはもちろん、コキュートスカードもしっかりケアしていきます。
瞑獣やアスタロトで詰む状況はなるべく作らずに戦います。
オーディン直接召喚やモノからのファーストワンを駆使すれば、コキュートス状態の相手にも勝つことができます。
破滅のサキュバスは相手のポセイドンを返すのに必要なので弱い盤面を返すのに使ったりはしません。

ニ)対ヴァンパイア
自傷ヴァンパイアには微不利です。機械ヴァンパイアミラーには有利です。
自傷ヴァンパイアに対しては、闇蝙蝠フィニッシュを狙われないように出来る限りライフを守ります。
そしてヴァーナレクで詰む盤面を作らないように常にケアし続けます。闇蝙蝠が控えてるからと言って焦って進化権を早期に使い切ってテンポムーブをしたりはしません。
そして好機を待ちモノを投げてのフィニッシュを狙います。
除去カードやaoeが腐り気味なので痛いところです。
ミラーは9tモノ*2の12点でやられることをとにかく避けるためにライフ13以上を保ったり守護を立てることを意識します。
また確定除去が少ないデッキなので、破滅のサキュバスポン置きが非常に強力です。

ホ)対エルフ
五分ぐらいです。
マシンランスによって大きな打点を出してくるので、じっくり戦っていてはやられてしまいます。
ライフを守ることを最重要視するのは当然として、オーディン直接召喚を狙うことはせずモノでのリーサルを狙っていきます。
7t以降は常にマシンランスをケアして動きます。

ヘ)対ビショップ、対ネメシス、対ウィッチ
対戦回数が少ないのでよくわかりません。多分有利です。



4)終わりに
ここまで読んでいただきありがとうございました。
機械ヴァンパイアはSTR実装と同時に誕生した新しいデッキタイプであり、新鮮な気持ちで回すことができ非常に楽しめました。
アーカスネクロと自傷ヴァンパイアに不利なので、今後のBO3では向かい風になりそうな気がしてならないですが、有象無象のデッキには強いのでランクマでは非常に強力なデッキだと思います。
この記事を読んでいただいた皆様もぜひ機械ヴァンパイアを回してみてください。

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