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”82年生まれ、キム・ジヨン”と合わせて読みたい韓国フェミニズム文学・エッセイをまとめてみました。

 

 

こんにちは、 そみ(@somi_koguma) です。

 

Twitterにも書いたのですが、先日韓国に行ったとき”82年生まれ、キム・ジヨン”の映画を観てきました。

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ネタバレになってしまうので映画の内容については触れませんが、観た後思ったのはフェミニズムに関する基礎知識がある程度あったほうが、深く考えられる作品なんだろうなーということ。

これは”82年生まれ、キム・ジヨン”の小説を読むときも同じで、「どうしてこのような話が韓国社会から出てきたんだろう」「どうして今世界中でベストセラーになっているんだろう」など、現在のフェミニズムの流れや背景を少し知っておくだけでも、さらに作品への理解が深まると思うんです。 

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ということで今回は今まで私が読んだ本の中で、”82年生まれ、キム・ジヨン”と合わせて読むと良さそうな、韓国フェミニズム文学・エッセイを皆さんと共有していきたいと思います。

 

    ・82年生まれ、キム・ジヨンの映画、小説を深く味わいたい方
    ・韓国フェミニズム文学・エッセイに興味がある方
    ・おすすめの韓国文学・韓国エッセイを探している方
    ・韓国語で本を読んでみたい方

に参考になればと思います。

 

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82年生まれ、キム・ジヨンとは?

 

”82年生まれ、キム・ジヨン”は、女性であるがゆえに直面する様々な差別や困難が、ドキュメンタリーのようなストーリーで描き出されている小説で、幅広い年齢層の女性はもちろんのこと、娘を持つ父親や姉や妹、女友達がいる男性からも支持されている作品です。

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韓国のみならず日本や台湾、その他17の国と地域で翻訳され、異例のベストセラーになっており、この秋には韓国で映画も公開されました。

この作品がきっかけとなり、韓国では様々なフェミニズム小説やエッセイが次々に発売され、日本でも韓国フェミニズム文学ブームが巻き起こっています。

 

おすすめの韓国フェミニズム文学・エッセイ

 

ではここからは、”82年生まれ、キム・ジヨン”と合わせて読みたい韓国フェミニズム文学・エッセイを紹介していきたいと思います。

 

ヒョンナム・オッパへ

 

ヒョンナムオッパへは、7名の若手女性小説家が書いた短編小説集。

82年生まれ、キム・ジヨンの著者、チョ・ナムジュさんの作品はもちろんのこと、ショウコの微笑みで有名なチェ・ウニョンさんの作品も入っているので、今韓国で勢いのある若手女性作家の作品に触れるのにぴったりの1冊。

7名の作家が違った視線、違った世界観でフェミニズムを語っていて、韓国フェミニズム文学の面白さと深さがこれ1冊に詰まっています。

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ヒョンナムオッパへ 韓国フェミニズム小説集 /白水社/チョ・ナムジュ

彼女の名は(그녀 이름은)

 

『彼女の名は』は、チョ・ナムジュさんが昨年2018年に新しく出した短編小説集です。

9歳の女の子から68歳のおばあさんまで、幅広い世代の女性をインタビューし、彼女たちの声を元に書いたという28つのストーリーは、どれも私たちの周りでよく起きていることだけど、決して無視できない話ばかり。

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チョ・ナムジュさんの作品ってまるで自分、友人、母親の話であるかのような錯覚に陥るほど、とてもリアルなんですよね。とてもフィクションとは思えない。

 

82年生まれ、キム・ジヨンと共通している話もあったので、合わせて読むべき1冊だと思います。

現時点ではまだ韓国語版しかないので、韓国語がわかる方は是非是非読んでみてくださいね。

 

韓国語 小説『彼女の名は』著:チョ・ナムジュ

私たちには言葉が必要だ

 

私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らないは、女性差別から自分を守るための方法、対話法が書かれた実践的な1冊。

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心ない言葉を浴びせられたとき、うまく言い返せなくて悔しい思いをしているとき、周りの男性が全然女性特有の苦しみを理解してくれないとき、そういった時に役立つ内容となっています。

男性中心社会で生きていくための勇気と武器をもらえる1冊なので、すべての女性におすすめしたいです。

 

私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない /タバブックス/イ・ミンギョン

無礼な人にNOという44のレッスン

 

無礼な人にNOと言う44のレッスンは、タイトル通り、無礼な人に会ってしまったときに自分を守る方法や心構えなど書かれた1冊です。

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韓国では人気エッセイランキング上位に常にランクインしており、話題になっていますが、日本ではまだあまり有名な本ではないようです。

しかし、密かに日本語版も発売されているので、韓国語がわからない方でも読むことができる韓国エッセイだと思います。

有益な内容が詰まった1冊なので、他のフェミニズム文学同様、一度話題になれば一気にベストセラーになる作品だろうなーと期待しています。

 

無礼な人にNOと言う44のレッスン /白水社/チョン・ムンジョン

韓国語のエッセイ 『無礼な人に笑いながら対処する方法』 著:チョン・ムンジョン

 

女二人で暮らしています

 

『女二人で暮らしてます 』- 一人暮らしでも結婚でもない、ユニット家族の誕生は、40代の著者2人が一緒に暮らし、結婚でも独身でもないカスタマイズ式の暮らしを楽しむお話。 

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フェミニズムジャンルの作品ではないですが、著者2人の性役割に囚われない姿勢からは大きな勇気をもらえます。

結婚、出産といった従来の女性の人生設計枠から外れ、自由に幸せな暮らしを追求する姿は、社会のプレッシャーに苦しむ女性の心を救ってくれるのではないかと思っています。

コミカルながらも女性の人生について考えさせられるエッセイなので、こちらもキム・ジヨンと合わせて読むのにおすすめです。

 

 

私は自分のパイを求めるだけで 人類を救いに来たんじゃない

 

『私は自分のパイを求めるだけ 人類を求めてきたわけじゃなくて』自分の役割を取り戻したい女性のための野望エッセイは、性別や宗教、国家に属することなく個人の尊厳を守るために、私たちが手に入れなければいけないもの、そしてまだ手に入れられていないものについて書かれている1冊。

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著者の経験談を元に、この社会にどうしてフェミニズムが必要なのかが書かれているので、フェミニズムについてピンときていない方におすすめです。

 

 

 

文藝 韓国・フェミニズム特集

 

と、ここまで韓国の本を中心に紹介してきましたが、最後に日本の本も少し。

 

韓国のフェミニズム文学に興味がある方なら絶対に読んでおきたい文藝 2019年秋季号

文藝が17年ぶりに重版することになったほど大好評だったフェミニズム特集は、日本の韓国フェミニズム文学の人気ぶりや勢いを感じられる1冊です。

熱量たっぷりの仕上がりで、読み応え抜群ですよ。

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「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。 は、女性が黙っていればないこととされるであろう出来事を取り上げ、日本社会に潜む見えない差別を考察した1冊。

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どの社会においてもいつもマジョリティーの声があるものとされ、マイノリティーの声はないものとされてしまう。そういった事実がこの本を通してありありと見えてきます。

 

「え?日本に女性差別なんてある?」「フェミニズムなんて必要なの?」と心の中で思ってしまう人にはこの1冊がおすすめ。

 

 ★★★

ということで今回は、 ”82年生まれ、キム・ジヨン”と合わせて読みたい韓国フェミニズム文学・エッセイの紹介でした。

フェミニズムについてまだ何も知らない、興味はあるけど何から読んだらいいかわからない、韓国語で本を読みたい!という方に少しでも参考になれば幸いです。

 

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