土性にとっても全日本は挫折からの復活戦だ。9月の世界選手権では3回戦で優勝したメンサストック(米国)に1-10で完敗。2015年以来4年ぶりとなる黒星を喫した。勝てば東京五輪が決まっていた3位決定戦でもドイツ選手に敗れた。「悔しいというより、情けない。こんなものなのかと思った」
2018年春に左肩を手術。国際舞台から遠ざかっている間に「世界との差は開いていた」と土性は語る。5位以内に入って日本としての出場枠は確保したものの、力不足を痛感させられた。
世界選手権から帰国後、名古屋駅まで先輩の登坂が迎えに来てくれた。中華料理を食べながら、傷心の土性は登坂のアドバイスに耳を傾けた。
「『タックルばかりに執着している』と。フェイント、がぶりを使っていくのも大切だと気付かされた」。今大会へ向けて幅広い攻撃パターンを構築してきた。
「世界選手権から3カ月、変わった姿を見せたい」。五輪の切符ととともに、ここで本来の強さを取り戻したい。