IPv6普及には何故時間がかかるのか

インフラ
この記事は約3分で読めます。

いまだにWordPressのクラッシックエディタから離れられないKazです。移行はいつも面倒です。

IPv4枯渇の記事にいろいろな反応をいただきました。その中に「一般家庭へのIPv6普及に5年もかかるのか」という反応がありましたので、その考えを書いてみようかと思います。文字ばかりの説明でご理解頂けるかどうか心配です。

似たようなモノで例えようと思ったのですが、なかなか良い例えが見当たらず、とりあえず地デジこと地上波デジタル放送を考えてみます。

地デジ普及の経緯

Wikipediaを元に書きますが、地デジは、デジタル衛星放送の準備が進む1997年に地上波についてもデジタル化する検討を開始、2003年に放送を開始。

その後2007年に北海道の旭川・函館・室蘭・帯広・北見・釧路での放送が開始され、ようやく一通りの地デジ放送設備が整いました。

一部震災等で除外があったものの2011年7月に大域でアナログ波が停波。その後、2015年に難視聴地域用のデジアナ変換再送が停止し、アナログ波は完全に終了したと言えます。

IPv6の現状を地デジにたとえてみると

今のIPv6の状況は、上記の2005年頃(最初の地デジ開始〜全域カバーの途上時期)ではないかと思います。IPv4も当然ながら利用でき、IPv6もようやく一般的に使えるようになってきた感がある状況です。IPv4 over IPv6を使ってインフラはIPv6だけども、使うプロトコルは結局IPv4という、地デジだけども映像ソースはアナログを変換したものの様な状況と、IPv6 over IPv4で、インフラはIPv4だけどもIPv6を試している状況それぞれが混沌としている感じです。

もう少しすると、IPv6に対応できない機器のために4to6の変換をサポートする家庭用ルータが出てくるのかなと思っています。(もしかしたら適当な事を書いてしまってるかもしれません)

IPv6移行期からIPv6普及期へ

この移行期から抜け出すのには、例えば地デジ停波のような強制的な期日設定や、高速道路のETCのような、コスト誘導が必要です。IPv6は今のところ枯渇という状況が引き金となっていますが、現場レベルではまだ多少余裕がある状況であるため、その圧力は強くありません。

余裕があるというのは、携帯キャリアやインターネットプロバイダの保有IPアドレスにはまだ多少の余裕があること、キャリアグレードNATを含めたNAT/NAPTのようなIPアドレス節約技術がまだ有効であることが理由です。

IPv6普及への起爆剤は?

今後真っ先にIPv4枯渇が具体化するのは、人口が急激に増加していたり、インターネット普及率がまだ十分でない地域です。そのエリアでのIPv6利用、そして普及を受けて他の地域でのIPv6化が進んでいくのだろうと考えています。(もちろんその地域でもNAT等が利用されるとは思いますが、そのコストや限界を考えるとIPv6が先行して普及しそうな気がします)

日本でのIPv6普及時期の予測

となると日本でのIPv6普及、これは一般家庭でのPCやルータがIPv6のアドレスを使うようになる、IPv6ネイティブ化が40%を超える程度の状況を指しますが、それにはあと5年くらい待つ必要がありそうだということになります。これは前述地デジに照らし合わせてみると、停波の時期くらい(今を2005年として2010年頃)、ということです。

まとめ

もちろん、これはあくまでも私見です。IPv6しかサポートしない素晴らしいサービスが普及を早めるかもしれませんし、NAT機器のさらなる普及がIPv6化を遅くするかもしれません。ただ、今言えるのは、IPv6以外の打開策がなく、やがては手詰まりとなる現状、IPv6化は避けられないということだと思います。

この記事を書いていて、5年後、我社が存在するのか?私は生きているのか?と色々気になってしまいました。ただ言えるのはIPv6への対応は必須だろうという事です。5年後まだJトラストシステムでこのブログが続いている事を信じて頂ける方、ぜひとも一緒に未来を切り開きませんか。お待ちしております。
:)