育成の松田亘哲(ひろあき)投手(22)=名大=は『焦り禁物』と自らを戒め、プロの世界へ飛び込む。
「焦りすぎないようにしたいです。能力を飛び越えてやることはできませんから。ステップアップしていった先に支配下登録されれば」
なぜ育成指名かというのは、自身がよく分かっている。「強豪校でやっていない。考え方もそうだし、体力もまだないと思います。サインプレーも多くなるし」。黒縁メガネの男は壁にぶち当たるのは覚悟の上。だから、一歩一歩じっくりと歩んでいく。
同い年の小笠原からいろいろ吸収する考えだ。「バレーボールをやっていた高校生のころ、すごい投手が甲子園にいるんだなと思った。一緒にできる。いろいろ聞いてみたいです」。キャッチボールのやり方、意識の持ち方など興味津々だ。
見学に訪れたナゴヤドームでは、みんなに押し出されるように、一番乗りでマウンドに。「1年でも長くドラゴンズに貢献できるように」と意気込んだ松田の下克上は、これから幕を開ける。