韓国、日本に輸出管理の改善説明 政策対話を継続へ

経済
朝鮮半島
2019/12/16 22:32

 政策対話に臨む経産省の飯田陽一貿易管理部長(右)と韓国産業通商資源省の李浩鉉貿易政策官(16日、経産省)=代表撮影

政策対話に臨む経産省の飯田陽一貿易管理部長(右)と韓国産業通商資源省の李浩鉉貿易政策官(16日、経産省)=代表撮影

日韓両政府は16日、都内で輸出管理を巡る政策対話を約3年半ぶりに開いた。韓国側は同国の輸出管理体制の改善策などを説明し、日本側は韓国の対応状況を確認した。両国とも対話後に「相互理解が進んだ」と一定の進展を示唆したが、日本の厳格化措置の見直しには具体的な言及はなかった。両国は今後も輸出管理で対話を継続するほか、今月下旬には首脳会談も開く方向だ。

今回の政策対話は両国から局長級の事務方が参加。日本側は経済産業省の飯田陽一貿易管理部長、韓国側は産業通商資源省の李浩鉉(イ・ホヒョン)貿易政策官らが出席した。両国は当初予定の終了時間を大幅に超過し、事後の発表内容を擦り合わせるなどした。

対話終了後に省内で記者会見した梶山弘志経産相は「(厳格化の見直しについて)対話を重ねることで判断していく」と述べた。次回の対話をソウルで開くと明かしたが、時期については「近い将来」とするにとどめた。

李政策官は政策対話後に「韓国側は(輸出管理を強化した)以前の状況に戻るために日本側が提示した状況について説明した」とコメントした。経産省側は現段階では「実効的な輸出管理の推進が必要であるとの認識を共有した」として、韓国の改善策を含めて対話を続ける方針だ。今回の対話後に両国が出した発表文には、輸出管理見直しに関する具体的な内容はなかった。

韓国は政策対話の再開に先だって輸出管理体制の強化を決めた。2020年1月に産業通商資源省傘下の専門機関「戦略物資管理院」の輸出管理本部の人員を5割増やし45人体制に拡充する。李政策官は「韓国の輸出管理と運営が正常に行われていることを十分に説明する」と話してきた。

ただ、韓国を輸出優遇措置の対象となる「グループA(旧ホワイト国)」に戻すための条件は難しい。経産省は11月の自民党の会議で韓国側の法整備、輸出管理の人員増強、日韓の政策対話再開の3つを挙げた。日本側が再び政令改正をする手続きも必要となる。

日本は7月以降、韓国向けの半導体材料3品目の輸出審査を厳しくし、同国を輸出管理上の優遇措置が受けられない「グループB」に格下げした。この理由について、経産省は「不適切な事案があった」「韓国側の輸出管理体制に問題がある」などと説明していた。

半導体材料3品目の輸出審査の厳格化を見直すための条件について、経産省は「健全な輸出実績の積み上げ」が必要と説明している。8月以降、経産省は3品目について散発的に輸出許可を出している。この見直しは通達により即時実施できる。

今月下旬に中国・成都で開かれる日中韓の首脳会談に合わせ、日韓の首脳会談が開かれる方向だ。元徴用工問題など日韓関係のさまざまな懸案事項が話し合われる見通しだ。

電子版トップ