男女平等指数、日本は過去最低の121位 政治参画遅れ

ヨーロッパ
2019/12/17 8:01

【ロンドン=細川倫太郎】世界経済フォーラム(WEF)は17日、世界各国の男女平等の度合いをランキングした2019年の「ジェンダー・ギャップ指数」を発表した。調査対象153カ国のうち、日本は121位と前年(110位)から順位を落とし、過去最低となった。女性の政治参画の遅れが響き、先進国では最低水準となっている。

指数は経済、政治、教育、健康の4分野で女性の地位を分析し、総合順位を決めている。WEFは、世界全体では女性の政治参画が著しく拡大したと評価する。男女の格差を完全に解消するには99.5年かかると分析するが、108年かかるとした前年よりは改善した。

日本の順位は中国(106位)や韓国(108位)などアジア主要国と比べても低い。項目別にみると、日本は特に政治が144位と前年から19下げた。WEFによると、国会議員に占める女性の割合が日本は約10%と世界で最低水準となっている。安倍政権は女性活躍の推進を掲げるが、政治参画ははかばかしくないと評価された格好だ。

経済は115位と2つ上昇したが、依然低い水準にとどまった。女性の管理職やリーダーの少なさや、低収入が響いている。仕事の自動化が進むと事務職などが影響を受けやすく、「男性よりも女性が大きな打撃を受ける」(WEF)としている。

総合順位の上位5位までは順位の変動はあるが、顔ぶれは前年と同じ。首位は11年連続でアイスランドで、女性の政治参画や男女の育休の普及などが評価されている。アジア太平洋地域ではニュージーランドの6位が最高で、次いでフィリピン(16位)となっている。

WEFは世界各国の政治家や企業経営者が一堂に集まって政治や経済の課題を議論する「ダボス会議」の主催団体として知られる。ジェンダー・ギャップ指数は06年から算出している。

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