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今季一番 寒ブリ784匹 宇出津港 

今季初めてまとまった数の水揚げがあり本格的なシーズンを迎えた寒ブリ=能登町宇出津港で

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 独自ブランド「宇出津港のと寒ぶり」で知られる能登町宇出津港で十六日、寒ブリ七百八十四匹が水揚げされた。数百匹単位のまとまった水揚げは今季初めてで、待ちに待った港の主役の本格的なシーズンの到来に港町は活気づいた。

 早朝に地元の定置網漁船が水揚げし、六百八十匹は金沢市中央卸売市場へ運ばれ、百四匹が宇出津港で競りに。重さ一〇キロ以上の大物が対象となる宇出津港のと寒ぶりには最大で約一三キロの五十一匹が認定され、地元鮮魚店や食品スーパーの担当者ら仲買人が次々と競り落としていった。

 県水産総合センター(同町)は、今季の県内の寒ブリ水揚げ量を例年より約二百トン多い八百五十四トンと予想。一方で宇出津港では、十一月から今月十五日までの水揚げ量が昨年同期比で十分の一ほどの千九百五十六匹(一六・五トン)と、例年よりかなり鈍い出だしとなっていた。

 ブリがまとまって水揚げされた要因について、地元漁業者らは、今月立て続けに定置網で混獲されたクジラとの関連も指摘する。この日クジラが迷い込んでいた網のすぐ近くの網にブリが多く入っていたことから「あくまで小話程度の仮説だが、自分より大きい魚を避ける習性のブリがクジラに追われて網にかかったのでは」と話す。

 センター担当者はこれについて「可能性は否定できないくらいで何とも言えない」と話した上で、「シーズン序盤は寒ブリは振るわなかったが、今季の海水温の予測では条件は良い。来年にかけて続く残りの漁期で十分巻き返せる」と期待を寄せた。 (加藤豊大)

 

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