個人的にARグラス/スマートグラスに注目しています。
スマートグラスは簡単に言えばGoogle Glassなのですが、最近のものはFocalsを筆頭にかなり普通の眼鏡っぽいデザインになっています。
性能的にはHoloLensのようなヘッドセット型のものより数段劣るはずですが一般市場に受け入れられやすいのはこちらでしょう。Appleがそのうち出すってことでも有名ですね。
という訳で動画の方でも話しましたが、個人的に2020年に動向が気になるAR/スマートグラスをリストアップしてみました。
なおスマートグラスは単にメガネに情報を写せる多機能メガネの総称、ARグラスはAR機能(空間認識をして仮想オブジェクを重ねたりインタラクションがある)もとして今回は扱っています。
比較一覧
忙しい人用の比較一覧
<-> | Focals | Nreal Light | Vuzix Blade | Norm Glass | RETISSA Display II | Huawei VR Glasses |
---|---|---|---|---|---|---|
XR | スマートグラス | ARグラス | スマートグラス | スマートグラス | スマートグラス | VRグラス |
タイプ | スマホ接続 | 専用計算ユニット | スマホ接続 | スマホ接続 | HDMI接続 | スマホ接続 |
プロセッサ | Qualcomm APQ8009w Qualcomm Adreno 304 GPU |
Snapdragon 845 | ARM Cortex-A53 | Dual-Core up to 1.2 GHz | ? | ? |
重量 | 72.57g | 88g | 3.6g | 36g | 40g | 166 |
入力 | 指輪型コントローラ, Alexa | コントローラ | タッチパッド, ヘッドモーション, Alexa | タッチパッド, ヘッドモーション, ボイスコマンド | ? | |
ヘッドトラッキング | なし | 6DoF | なし | なし | なし | 6DoF |
ハンドトラッキング | なし | 3DoF | なし | なし | なし | 3DoF |
カメラ | なし | ? | 8 MP, 720p video | 8 MP, 1080p video | なし | ? |
入手/一般販売 | 2020年 リブート | 2020年 | Amazon | 2020年。KickStarter | 2020年 | 2020年 |
North Focals 2.0
ほとんどメガネという衝撃的なデザインのFocalsの2.0です。 blog.bynorth.com
これまでスマートグラスやARグラスはメカメカしいデザインが多かったのですが、普通のメガネのデザインが可能だと示したのが印象的でした。2020年には2.0が出るという事で否応にも期待が高まります。
インテルから買ったVauntの特許もタイミング的に2.0から本格的に入ってくると思うので楽しみです。たしか網膜投影技術とかもあったはず。
元々ニューヨークとトロントの店頭でしか購入できなかったのですが現在はiPhone X以降のTrueDeps搭載端末であればアプリから購入が可能です。
カメラもなく空間認識能力もないのでAR/MR的な事はできずあくまで情報を表示するためのスマートグラスとなります。このあたりは彼らのコンセプトでもあるのでおそらく2.0でも変わらないでしょう。
以下のレビューが詳しいです。 techcrunch.com
Nreal Light
デザイン性ではForcalsに一歩譲るものの性能で圧倒するのがNrealです。
こちらはサングラス風のデザインでありながら6DoF トラッキングによる空間認識を実現するARグラスです。
しかも$499という格安。PCやスマホと接続する必要はありますが、この値段と性能そしてデザインや軽さは驚異的です。 一般向けには2020年に発売と言われています。KDDIとの提携が発表されているので日本でも入手しやすいARグラスになる見込みです。
正直、このサイズや形状で空間認識をやるのはもう何年か先になると思ってたので、さすが中国と言わざる得ません。SDKのデモを見る限りではそれなりに動いてるように見えるので入手できるようになり次第購入したい一品です。
Vuzix Blade
スマートグラス業界の老舗の一つがVuzixです。
以前は少し野暮ったいデザインのデバイスだったのですが、今年出したBladeはかなりすっきりしたデザインです。
カメラは付いていますがNRealのような空間認識をするものではなくForcalsのようにスマホの情報をメガネに表示するタイプの端末です。Alexaなどとも連携できます。本家オンラインストアおよびAmazonで買えるので現在最も購入しやすいARデバイスだと思います。
おそらくGoogle Glassの初期コンセプトに最も近いものがこれです。以下のレビューでも写真をよく取ってます。
また、日本だとメルカリがアプリを作っています。
翻訳アプリもGoogle LensやGoogle Translate的な機能がメガネ出来るとなると格段と使いやすくないそうですね。
すでに発売しているので多くのアプリが出始めているのがVuzix Bladeの魅力の一つです。
とはいえHWの進化も競争してるタイミングなので、多くの競合に刺激されて来年新しいバージョンが出ないかが気になるところですね。
Norm Glass
KickStarterでクラウドファンディングで作られているのがNorm Glassです。
基本的なコンセプトは Vuzix Bladeと同じだと思いますがスペックは少し上な気がします。まだあまり詳細は無いのですが予約購入してるので届いたらレビュー書きたいと思います。
RETISSA(R) DisplayⅡ
今回唯一の国産製品。おそらく世界初のレーザ網膜走査型の網膜投影ディスプレイを利用した商用ARグラス。
ディスプレイに表示するのではなく目に投射するので原理的には近視とかの影響を受けない。
仕組みはこの記事が分かりやすかったです。
エンタープライズ製品だとは思うがアプリケーション部分の情報が少なすぎるのが懸念。Holo Lensの対抗馬として広めるにはその辺も頑張る必要がある。敵強すぎる問題。。。
あるいは基礎技術のリファレンスとしての位置付かも? 最終的にはレーザ網膜走査型の網膜投影ディスプレイをHolo Lens達が採用すれば勝ち的な。
Huawei VR Glasses
グラスというかヘッドセット型ですが十分にコンパクトなので紹介します。そもそもVRだけど。 www.vopmart.com
166gという重量、厚みが26.6mmとVive CosmosはもちろんOculus Questと比べてみても写真を見る限り相当小さい。もうヘッドセット言う感じじゃないですね。
スマホを子機にすることでプロセッシング周りは外出してると思われる。GearVRみたいなスマホの画面をディスプレイに使うものよりこっちのが使い勝手が良さそうですね。
ゲームとか映画見るのがメインターゲット。IMAXともパートナーを組んでるみたい。
6DoFもサポートとのこと。詳細は下記の動画。
まとめ
個人的にAfter Focalsと呼んでる製品群を並べてみました。実際はFocalsが牽引したというより各社独自に辿りつたんだとは思いますが、やはり2019年以降のデザインはスタイリッシュなことが前提です。
このあたりはVR以上に日常的に身につける要素が強いスマートグラスならではですね。
ARグラスはスマホを超える身近なデバイスとして一気に普及する可能性がある製品だと思います。視界の拡張とハンドトラックはUXの幅を変えます。
正直今は今のスマホに対しての当時のPDA的な成熟度だとは思いますが、今後の動向をしっかり追って行きたいところです。
しかし、KDDIはAWSといいNRealといい5Gに向けてのパートナーが良いところ揃えてきてるなぁ。