「付箋ノート」はもう試した? 脳力アップと情報整理に役立つ “最強ノート術” のやり方

付箋を使ってメモするビジネスパーソン

いろいろな情報を集め、知識をインプットしているが、

  • 整理できない
  • 覚えられない
  • 仕事に活かせない

とお悩みなら、付箋ノートを活用してみるといいかもしれません。各専門家の意見やアドバイスを参考に、付箋ノートの効能や方法などを紹介します。筆者も挑戦してみました。

付箋ノートの効能

付箋ノートとは、付箋に書いたものをノートに貼っていくノート術のことです。

『1冊の「ふせんノート」で人生は、はかどる』(フォレスト出版)の著者・坂下仁氏や、メンタルコーチで『フセンで考えればうまくいく』(現代書林)の著者・平本あきお氏、教師を教える「プロ教師」であり『子どもの学力は「ふせんノート」で伸びる』(かんき出版)の著者でもある栗田正行氏、そして、文房具・オフィス家具・事務機器を製造・販売するコクヨ社員の方々によれば、【付箋ノートの効能】は次のとおり。

  1. 思いついたら、すぐメモできる
  2. 頭のなかを「見える化」できる
  3. 自分が得た知識や情報を俯瞰できる
  4. 貼る、剥がす、移動などの操作が可能
  5. 関連情報をまとめやすい
  6. (まとめやすいので)良質なアウトプットができる
  7. 貼る剥がすなどの際に、自動的に復習できる
  8. 貼る剥がすなどの際に、頭のなかを整理できる
  9. 小さな付箋に書き込むので、要約力がつく
  10. 不要な情報を捨てやすい

カラフルな付箋(ふせん)とノート

付箋ノートが好まれる理由

平本あきお氏いわく、付箋の良さは「いい加減」が許されること。どんなノート術でも、いざ書こうとすると多少は身構えてしまいますが、付箋なら書き直しやすいし、あとで動かせるし、追加で貼れるし、捨てるのも自由だしと、気楽に行なえます。

情報をこまめに記録しているのに、仕事のアウトプットに結びつかないと悩みを抱えていた坂下仁氏は、試行錯誤を重ねて編集が自由自在な付箋ノート術にたどりつき、良質なアウトプットを導き出せるようになったのだとか。

また、栗田正行氏は、いろいろな道具や特別な技術は必要なく、究極にシンプルなメソッドだからこそ、付箋ノートは継続しやすいと述べます。

そして、コクヨ社員の方々は、

  • まだ、どう役立てていいかわからない知識や情報
  • ちょっと気になった程度の情報やキーワード

なども、付箋なら気軽に残していけるといいます。

付箋(ふせん)ノートを書くビジネスパーソン

付箋ノートのやり方

平本あきお氏、坂下仁氏、栗田正行氏、コクヨ社員の方々のアドバイスを参考に、付箋ノートのやり方を紹介します。用意するのは、好みのノートペン付箋。付箋を切って小さくする場合はハサミも必要です。基本的なやり方は次のとおり。

  1. 思いついたことを、思いついたときに、ジャンル関係なく自由に付箋に書く。「こんなこと書かなくていいか」などとは考えず、どんどん書き出していく
  2. 時系列でノートに貼っていく
  3. 必要に応じてまとめたり、移動させたりして、編集する。

ちなみに坂下仁氏は、書く場所によって付箋の色を変えているのだとか。たとえば、

  • 外出先はイエロー
  • 職場はピンク
  • 寝室はグリーン
  • トイレはブルー

といった具合です。時系列に貼られており、書いた場所を色で区別できるので、メモの場所を見つけやすくなるとのこと。

また、栗田正行氏は、1枚の付箋に1つの項目だけ書くようアドバイスしています(「1付箋1フレーズの原則」と呼ぶ)。長々と書いてポイントがわかりづらくなるのを防ぎ、短くまとめてインパクトを強めるためです。要約力も身につきますね。 

コクヨ社員の方々いわく、太めのペンを使用すると、付箋のスペース上、文字数が限られるので、必然的に短くまとめるようになるとのこと。

では、筆者もさっそくやってみます!

付箋ノートをやってみた

筆者の場合は、まず幅広の付箋と、4色セットの付箋、A4サイズのノート1冊を準備しました。いずれも100円ショップで購入可能です。文字の抑揚をつけるため、書くものは手持ちの水性サインペンとボールペンを使用します。

幅広ふせんと4色入りのふせんと、A4サイズのノート

たまたま「好奇心と脳の働き、記憶のタグづけ」などについて調べなければならない事情があったので、今回はそちらに集中しながら、付箋ノートをつくっていきます。

付箋はそのままのサイズで使ったり、ハサミで切って小さくして使ったりと、自由自在扱います。

集中的にさまざまな情報をまとめていくため、今回は栗田正行氏の「1付箋1フレーズの原則」を参考にしつつも、そのルールを少しゆるめながら実践することにしました。

さまざまなカラーの付箋(ふせん)

また、今回は目的がある情報収集とまとめなので、付箋の色分けは、坂下仁氏のように書いた場所の区別のためではなく、リズムづくりのために活用しました。いわゆる負荷がない脳の退屈防止です。

なぜならば、実際に少しやってみたところ、

  • 同じ色の付箋にずっと書いていると、脳が飽きてくる
  • ルールをつくり色分けしながら書こうとすると、脳に負荷がかかる

と感じたからです。逆に気分で付箋の色を変えてみたところ、リズムができて集中しやすくなり、書かれた内容にもインパクトを与えてくれました。

付箋ノートをやってみた結果

付箋ノートの実践

付箋ノートをやってみると、やはり特に、とりあえず書いておくことや、気軽に編集できることが便利だと感じます。

必要なければ剥がしてしまえばいいし、保留にしておきたいなら、ノートの最後にでも貼っておけばいいだけです。これなら情報の取りこぼしもありません

また、とりとめなく書いていくだけなのに、「そういえばさっき」「そういえば前にこんな情報が」といった具合に、記憶のつなぎ合わせがずいぶん促進されました。

しかも、記憶のつなぎ合わせを脳内だけで起こしておくのではなく、自らも物理的に貼ったり剥がしたりしながらできるので、まるで、脳のデフォルトモードネットワーク(ボンヤリしているときなどに活発化する脳内ネットワーク)を見える化しているような感覚になりました。

デフォルトモードネットワークは、頭のなかにある情報を組み合わせて、新たな情報をつくり上げる働きがあるとされる、脳のネットワークのこと。アイデア創出や問題解決に役立つことは、いうまでもありません。

付箋ノートの実践

ちなみに、あとで編集しようと関連するものを上の画像のように番号をつけたところ、その行動だけでタグづけされたのか……!? 周辺視野でとらえた番号が、関連情報を浮き上がらせてくれました。立体的な付箋ノートだからこそ、より強く起こった現象かもしれません。

したがって、付箋とノートを使って情報を整理してみた結果、こんなにいいことがありました!

  1. とりあえず書いておけるので、情報の取りこぼしがない
  2. 貼ったり剥がしたり移動したりできるので、まとめやすい
  3. 脳のデフォルトモードネットワークが見える化される
  4. アイデア創出や問題解決に役立つ
  5. タグづけできる!?

***
付箋ノートの効能や方法、実際にやってみた感想などを紹介しました。動きのある立体的なノートなので、脳にはいい刺激にもなりそうです。ぜひお試しくださいね。

(付箋ノート内 参考)
瀧靖之(2017),『「好きなこと」で、脳はよみがえる~無理なくできる“生涯健康脳"のつくり方』, 大和書房.
国立研究開発法人 科学技術振興機構|記憶のメカニズムに迫る!
メドフィットコラム|ヒトの脳内では出来事の「タグ」が長期記憶されている!?
脳科学辞典|記憶痕跡

(参考)
東洋経済オンライン|「付箋+ノート」で仕事がいっきに速くなる  
THE21オンライン|頭の中を整理する「付箋」の使い方  
THE21オンライン|ズボラでも続く! 「ふせんノート」で考える技術  
ダ・ヴィンチニュース|「ふせんノート」で成績がメキメキ上がる!? 教師を教える「プロ教師」が考案したノート術  
リクナビNEXTジャーナル|手帳やスマホのメモより便利で効果大!「ふせんノート」活用のススメ 
@DIME アットダイム|脳のネットワークを切り替えて仕事に役立てる方法
栗田正行(2017),『子どもの学力は「ふせんノート」で伸びる』, かんき出版. 

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