@chablis777
シャブリ

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(直子)おお~。へえ~。
♪~
帰ったでえ。
(喜美子)直子!(百合子)直姉ちゃん!(マツ)お帰り。
お帰り。(百合子)お帰りなさい。早かったなあ。
1本早い汽車に間に合うた。へえ~。
あっ そこに土産入ってるで。土産!
ノートや!勉強せえ。 お姉ちゃんのもな。
ありがとう。ありがとう。 直子が土産…。
すごい すごい!いやいや 大げさやなあ。
うう~ 寒かった。
(マツ)駅から連絡くれたら迎えに行ったのに。
どうやって連絡すんねん!呼び出しの電話かけてるうちに着いてまうわ。(常治)おい。
ただいま帰りました。
お前 いつまでおんねん。4日から仕事や 明日帰る。
おう ご苦労やった。 旅費使わせてわざわざ帰ってきてもろたけどな残念なお知らせがあるんや。何?
雑煮の餅は 一人1個や。
またお金ないん表のしめ飾りに金かけたからやろ。
あれは 八郎さんがやってくれたんよ。
八郎さんて お姉ちゃんの? 十代田さん?顔見たい 来ぃひんの?
お父ちゃんが結婚まだやから呼んだらあかんて。
余計なこと言わんでええねん もう!餅の数 分かったんか?
分かったから もう上がらせてや。(常治)待て! 待て! 待て!
あのな 残念なお知らせのあとにはな感極まる 喜びのお知らせがあるんや。
十代田さん 陶芸展入選したん!?
違~う まだや 作品完成してへん。
今 一生懸命やってはるんよ。お正月休み返上でな?
お姉ちゃんも後でお手伝いに行くねんな。うん。
ええから こっちや! こっち こっち!ええか? 十代田よりも お前 こっちや!
デ~ン!
はあ~!いつ つけたん!? いつ つけたん!?暮れにな。
驚かそう思て ないしょにしとったんや!以上!
長かったなあ。
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も 涙に負けるもんか」
♪~
♪「やさしい風に吹かれて」
♪「炎は再び舞い上がる」
(直子)へえ~ 箸置き?
喜美子姉ちゃんの作品やで。粘土カスいうてな十代田さんが削った粘土のカスを集めたやつで作ったんや。
お姉ちゃんも十代田さんみたいに陶芸家になんの?
なれへん なれへん。あんな何年もかかるようなこと…。
どんな作品作ってやんの。十代田さん? そやな…あっ こういうこれくらいの大きさの大鉢や。へえ~。
色がな 釉薬の色が思た色にならへんねん。よう分からんけど。
15日までや言うてたな?
15日いうのんは信作んとこのカフェの開店日。
陶芸展の締め切りは月末や。十代田さんなら きっとやってくれやんで。
十代田 十代田 やかましなほんまに もう!
十代田は もうええねん! もう!
おお~ うまそうや。
ほな 食べよか。(直子 百合子)頂きます!
ああ おあがり。
う~ん! お母ちゃんの味や~。
川原家の味や~。
お前 雑煮 食えへんのか。うん。 もう十代田さん来る時間やし。
お台所のミカン持っていき?うん ありがとう。
(大野)どっちが サニーっぽいかなあ。(八郎)お店の名前? サニーですか。
(大野)ああ 陽子の陽から付けたんや。あ~! おばさんの名前から。
しゃれてますね。いや さんざん悩んだでえ。
せやけど これもどっちか1種類いうのは悩むなあ…。
2種類作りましょか?ええの?
(八郎)はい。 どっちみち何回かに分けて焼くんで。
おお ほうけ!ほな これ 10個 10個で2種類頼める?
(八郎)はい かまいません。(大野)えらい手間かけさせて悪いなあ。
なんぼなんぼかかったかきちんと請求してや?
きちんと請求させて頂きます。アハハッ 頼もしなあ。
わざわざ来て頂いて すいませんでした。
いや~ こっちこそ 正月早々悪いなせっかくのお休みやのに。いえ。
ほな お願いします。はい。お願いします。
ああ 直ちゃん帰ってきた?あっ 帰ってきました。
電話 喜んでました。ああ それな うちとしては寂しいで。
また借りに来てや。
ほな おばさんにも信作にもよろしく伝えといて下さい。おう!
2種類!
10個 10個! 計20個!15個言うてたやん 数増えてるやん!
間に合うのん!?この正月休みにやったら。
この正月休みは作品作りに集中する言うてたやん!
何で おじさんに言わへんかったん?言うたら 気ぃ遣わすやん。
ほんで お金もな請求すんのん おかしいで。
何で?お世話になってる信作のうちやで?
コーヒー茶わんは 開店祝や 贈り物や。
一銭ももらわへんの?贈り物や。
♪~
十代田さん。うん?
この正月休みここ丸熊は 誰もいやらへん。
うん。照子らは 赤ちゃん連れて京都に行った。
ああ 若社長のご実家な京都の老舗旅館なんやてな。
5日までのんびりしてくる言うてはったな。
そこをお願いして特別に ここを開けてもろて電気窯も使わせてもろてお礼にいくらか 丸熊にお支払いしよういうことになってる。
そら コーヒー茶わん 15個も焼かしてもらうしな。
15個ちゃう 20個や。
電気代 ばかにならんもんな。
コーヒー茶わんに使う粘土かてタダやないやん。
ほやのに 一銭ももらわへんの?
お金は大事や。喜美子の言いたいことも分かる。
せやけど 僕は まだ陶芸家やない。まだ何者でもない。
コーヒー茶わんを作るんが人より うまいただの人や。
ここは どうしても譲れん。
コーヒー茶わんの代金は一銭も頂きません。
分かってくれた?
十代田さんと考え方が違ういうのが分かりました。
うん… 納得いかんか。納得いかへん。
ほやけど… 受け入れます。
フフ… フッフッフッ…。何で笑うん?
気ぃ強いな。そういう気ぃ強いとこも好きやで。
何 言うてんのん!? 今 そんな話?
結婚する前に考え方の違いが分かってよかったやん。
ミカン食べよ?勝手に食べぇ!
一緒に食べようやあ。
うちは こっちで粘土カスと語り合ってるわ!
アッハハ。
お父ちゃん言うてたで。
今回うまいこといかへんかったら陶芸家も結婚も諦めえて。
えっ!?チャンスは1回限りやて。
え… 何で そんな大事なこと先 言わへんのん!?うん?
コーヒー茶わんのお金の話より大事なことやんか!
どないすんのん。ほやから 間に合うのん聞いたやん。
間に合う 間に合わんいうよりコーヒー茶わん作ってる場合やないやん。
ちょっ… これ急いでやってまうわ。
もしや 今回あかんかっても次あるから ええか思てた?
次あるから ええかいう気持ちがあったん?
ちょ… ちょ…。うん?
聞こえません。
聞こえません。
コーヒー茶わん断ろか。何 言うてんねん!
うわ~ん。アハハ… 泣きまねすな!
必死やわ!困ってる 困ってる。
何で 笑えるかな。困ってる顔 かわええなあ好き言うたろかあ?一人でミカン食うとけ。
うちが作る。
うちが作る。 コーヒー茶わん 20個。あかん。
あかん言うか できひん。
コーヒー茶わんは 電動ろくろ使うさかい難しい。
電動ろくろやったら前に教えてくれたやん。
そら 教えたけどな。筋がええなあ言うてくれたやん。
人前に出す茶わんやで?
これや!これ見ながら作ったらええんやうちかて絵付け師やもの作りの職人や。
十代田さんには作品作りに集中してほしいねん。
コーヒー茶わんは うちに任せて。
もの作りは 基本が大事や。深野先生言うてなかった?
言うてた…。喜美子は まず 基本をしっかりやらな。
いきなりコーヒー茶わん 20個なんてムチャや。
陶芸 上手になりたいんちゃうの。
この先もずっとやっていきたい思てるんやろ?
きちんと 一つ一つ段階踏んで今は 今やらなあかんことやりぃ。
僕は大丈夫やから。
形作り 乾燥 素焼き 本焼き。
コーヒー茶わん 20個を完成させるまでおよそ2週間かかります。
えっ…。
えっ… 何? えっ 誰が泣かした?
泣いてない。
えっ 僕が泣かした?泣いてへん。
えっ えっ えっ…分からへん 何?
うちかて分からへん。どういうこと?
もう 分からへん言うてるやん!
怒ってるんか…。
作りたかった!
十代田さんの言うてることは正しい。
人前に出す茶わんやうちには任せられへんうちには まだ難しいムチャして作っても身につかへん基本やっときぃ言うのも よう分かる。
そういう考え間違ってへんし正しい思うしそういう考えする十代田さんが好きや。
けどな?ムチャしたかった… 作りたかった…。
一緒に乗り越えたかってん!
♪~


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