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記者コラム 窓

ゲンゴロウ

 水槽の中を泳ぐ姿に感動した。白山市の県ふれあい昆虫館が絶滅が懸念される水生昆虫「オウサマゲンゴロウモドキ」の生体を展示している。欧州から運ばれ、国内では初展示を間近で観察できる。

 「世界最大」というので、どれほどの大きさなのかと思えば、「日本産のゲンゴロウと約二ミリ程度しか違いはない」という。聞けば、日本のゲンゴロウも世界的に見れば、大きい部類になるそうだ。

 「オウサマゲンゴロウモドキが生息する欧州北部では、環境破壊が進み、生息数も減っている」と同館の学芸員は話す。今後、繁殖に向けた技術を研究するという。

 自分も幼い頃、タガメなどの水生昆虫を捕まえて感激した思い出がある。いつの日か、この種が現地でごく普通に見られるようになる日が来ることを願う。(吉田拓海)

 

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