なんのきなし

気が向いたら技術、料理、ゲームについて書きます

10年弱勤めた富士通を辞めて富士通に就職した話

はじめに

これは楽しかった職場 みんなのF2 Advent Calendar 2019の15日目であり、初日です。

釣りタイトルです。これで釣れる魚が存在するかは置いておいて。
結論を先にいうと1年弱前、富士通の雇用を外れ、富士通クラウドテクノロジーズに雇用していただきました。
富士通クラウドテクノロジーズはニフクラを作っている会社です。

富士通にもいろいろある、ということを知っていただきたいです。大企業のいい面。
富士通にはカムバック制度というのがありますが、これを利用したわけではありません。

また、書いている内容は個人的な感想であり、今の所属を代表するようなものではありません。

辞めた理由

新卒で富士通の子会社に入社しましたが、そのうち吸収合併され富士通の社員になりました。
配属されたのは金融系の部署。「開発が中心の部署」という触れ込みだったので志望しました。

「配属ガチャ」とはよく言われますが、スーパーレアくらいの部署に入れてもらったんじゃないかなぁと思います。
技術的に尊敬できるやたらマサカリ投げてくる先輩とか、仕事のやり方が超丁寧でとりあえずお手本にしとけ先輩とか、バケモンみたいに頭が良くて研究職に飛んでった同期とかが近くにいました。その方たちと働くのは楽しかったです。

ただ、やってる内容が受け入れられなかった。

THE SI。開発は下請けに投げて仕様を決めるのが仕事。人月商売の世界。
机上での品質が第一。石橋を叩いて渡るどころか印刷したExcelで川を埋め立ててから渡るような世界。
それも「開発」。と言われればそうでしょうが。けれど私がやりたかった「開発」をほぼしていなかった。
会社選びで気づけと言われるとぐうの音も出ません

Excel以外がゼロなわけではないです。下請けの会社からのプログラムを検収&テストする必要はありますし、ときには混じって開発(Java)したりします。若いうちは特に。
でも、新しい技術はほぼ取り入れない。そもそも技術に興味がない人が多い。Git、名前は知ってるけどSVNから移行するメリットあるの?という人が9割。※SVNは良いツールです
枯れた技術でないと怖いのはわかります。お客さんの特性上、可用性が第一。わかる。OSS使いたいけどお客さんの理解を得られなくて車輪をぐるぐるぐるぐる無限に再開発するのもしょうがない。わかる~~~。
お客さんはそういう「過去の実績からの安心」に価値を見出してくれているんですよね。

ただ私は新しいものを追いながらプログラムを書きたかった。
ちょっと違うか、新しいものを含めたインターネットの膨大な集合知から、すばらしいサービスを作り出し、動いている様をみてニヤニヤしたかったんです。
やれ「また新しいフロントエンドの技術が出たぞAngularどこいった」とかやれ「イケてるサービスのクローンがでたぞとりあえずdockerに乗せとけ運用考えるのは後だ」とかきゃあきゃあ言いたかったんです。
せっかくエンジニアを目指したなら、世界の集合知を取り入れてちょっぴり集合知に貢献して、そういうのをぐるぐるぐるぐるやって良いものを作る、というのがやりたかった。
富士通の部署ではそういったことが経験できませんでした。

10年弱が立ち、ふと見渡すと尊敬できる人が少なくなっておりました。
あんまり富士通固執するつもりも無いし気がついたらよっしゃ転職しよう、という気になってました。

あ、あとアレだ
認証付きプロキシまじで嫌だった。
知ってますか?世の中のソフトウェア、認証付きプロキシに対応していないこと多々あるんですよ。今でこそ対応しましたがAndroid Studioとか。
いやまぁ認証付きプロキシを超えるためのプロキシ作れば解決するんですが、セキュリティ的にアレですし。そもそもいちいち考えるのが面倒くさい。

就職先を選んだ理由

転職活動では、
トーキョーエキっていう無尽蔵に人が湧き出てくる場所の近くでイケイケで超給料もらえる就職先を斡旋してもらったりとか、
Web上でWantedされたりとか、
転職エージェントだっつうから会ったら実はマルチ商法の勧誘でボードゲームやったりとか、
いろいろありましたが割愛。

並行して「まぁ辞める前に富士通でできることをやるか」と色々活動しました。
社内のポスティング制度の選択肢も豊富にありました。(私にマッチするものは見つけられませんでしたが)
活動の中で、マサカリ投げてくる先輩に「富士通クラウドテクノロジーズ」という会社を紹介してもらいました。
見学してみて、「富士通グループでもすごいところがあるじゃあないか」と。
いや、富士通クラウドテクノロジーズ社員には「『富士通』ってまとめて語られたくない」って思ってる人が多々いるのもわかってます。ごめんなさいぶたないで

富士通では無理だろうと思っていた丁寧な国産クラウドコンピューティングサービスとそれを支える理解の及ばないすごい人達。
やりたかった「開発」ができる環境が思いの外近くにある、と思い、すぐさまWebフォームから履歴書を送りました。 その後めちゃめちゃ怒られた
結果的に、人事総務の方たちがいろんなサポートをしてくれて、富士通クラウドテクノロジーズで働きたい、と思い、入社しました。
私の場合、両社の人事総務の方がいろんな調整をしてくれ、するっと入社できました。
が、多分いろんな苦労をかけたと思うので、もし似たようなことをしよう、と思った方がいたら、まず、上司の、耳に、タコを、生やすほど、相談しましょう。

富士通グループで働いていて良かったところ

大企業がゆえ、業務が多岐にわたるので、最初の配属に失敗してもどうにでもなる。辞める気になればどこへでもいける。(辞めるほうが簡単かもしれないが)
やっぱり安心感がある。なんだか株価上がってるし。
マネジメント方面が好きな人には良いところ。億単位の大きなプロジェクトを指揮したり、夢がある。
年功序列は確かに感じた。そんなにひどくないと思った。ちゃんと評価されたら給料上がって偉くなる。
年休をとったり育休とったりはあまり障壁はない(部署による)
残業もあまりない(部署による)

富士通クラウドテクノロジーズでいいところ

ニフクラを開発しているので当然、業務中はニフクラが使える。自重は必要だけど開発リソース無限なのヤバい。これほんとにヤバい。
内製がおおく、楽しい。(ニフクラがメインのサービスということもあり、SIとはかけ離れている。)
裁量がある。サービス作りたいと思ったら作れる。
良くも悪くもベンチャー気質なので、フローが甘かったりする。
知ってました?テレワークとフレックスって本当に実在するんですよ規則に書いてあるだけじゃなくて。
年休育休残業は今の所、不自由していない。
ベンチャーと大企業のいいところを備えていて最強に見える。

今何やってんの

ニフクラの1サービスを担当するプロジェクトのメンバーです。最近はサービス監視の強化をしたり、DB基盤をマイグレーションする検証したりしています。楽しい。
あとslackにemoji登録。
富士通で培ったExcelで殴る文化は、学ぶべきところもあるので、今の文化を壊さないように、いいところは取り込んでいけたらなと思います。

そういえば

結局、認証付きプロキシからは逃げられていない
爆発しろ