109年の歴史に幕 岡山―高松の宇高航路、最終便到着

中国・四国
社会・くらし
2019/12/15 20:08 (2019/12/15 21:23更新)

高松港で「宇高航路」の最終便となるフェリーに乗り込む乗客(15日夜、高松市)=共同

高松港で「宇高航路」の最終便となるフェリーに乗り込む乗客(15日夜、高松市)=共同

岡山県玉野市の宇野港と高松市の高松港を結び、本州―四国間の主要な航路として利用されてきた「宇高航路」の最終便となるフェリーが15日夜、高松港を出航して宇野港に到着した。16日以降、宇高航路は休止となり、1910年に「宇高連絡船」として運航が始まって以来、109年の歴史に幕を下ろした。

高松港では最終便の出発時刻となった午後7時50分ごろ、フェリーを運航する四国急行フェリー(高松市)の堀本隆文営業部長が最後の出航を知らせる鐘を鳴らした。集まったファンや住民らは「ありがとう」と歓声を上げ、船の姿が見えなくなるまで手を振った。

バイクとともに最終便に乗り込んだ岡山市の上野英俊さん(55)は「若い頃からよく利用していた。寂しいけど、109年間お疲れさまと言ってあげたい」とねぎらいの言葉を掛けた。

宇高航路は、四国フェリーの子会社、四国急行フェリーが唯一運航。高松―宇野間を約1時間で結び、1日5往復していた。

88年の瀬戸大橋開通に伴い、旧国鉄の宇高連絡船が廃止された。瀬戸大橋の通行料引き下げなどの影響で、輸送者数は87年度の約396万人をピークに減少。民間の運航会社が相次いで撤退し、2018年度は約13万人となっていた。〔共同〕

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