スープジャーがあれば朝10分で完成! 体にもお財布にもやさしい「食べるスープ弁当」【作ってみた】
2019/12/15
お昼ごはん、いつも何を食べていますか?
「時間がなくて朝は抜きがち」「夜はダイエットで控えめに」という人でも、ランチは心置きなく、たっぷりとごはんを食べられるチャンス! しかし実際はコンビニ弁当やお得ランチをやっているお店で“片手間”に済ませてしまう人も多いのではないでしょうか。
『朝10分でできる スープ弁当』(マガジンハウス)は、お腹も心もやさしく満たすスープ弁当が60レシピ詰まった1冊。朝10分あればできるお手軽さ、不足しがちな野菜もしっかりとれてヘルシー、しかも経済的でおいしい!といういいことずくめのレシピ本です。
著者の有賀薫さんは2011年から7年以上、毎日スープを作り続けている“スープ作家”。著書の『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう』(文響社)は、第5回料理レシピ本大賞入賞を獲得しています。
◆「スープジャー」でムダなく時短のお弁当作り
そんな著者の最新刊にあたる本書の特徴は、「スープジャー」を調理道具として活用していることです。
レシピの基本は具、水、調味料を一緒に小鍋に入れ、一度「沸騰=煮立たせる」だけで、面倒なだしもいりません。あとは高い保温力のあるジャーに注いで、お昼を待つだけ。
お湯を入れて予熱をしておいたジャーにスープを注ぐことで、お昼を待つ間にじわじわ具材に火が通る「保温調理」ができるため、忙しい朝でも短時間でムダなくお弁当作りができるのです!
さっそく筆者も、「心もお腹も温まるスープ弁当」を作ってみました。
◆シンプルオニオンスープ(pp.16~17)
玉ねぎを丸ごと1個使ったシンプルオニオンスープ。香ばしい飴色玉ねぎが食欲をそそる1品です。
作り方は薄切りにした玉ねぎと水50mlを鍋に入れ、中火にかけます。4~5分煮て水分が飛んだら、バターを加えて、色づくまで炒めます。水200mlを加えて煮立たせ、こしょうをふってジャーに注げば、あとはお昼を待つだけ。食べる前にラップに包んでおいた粉チーズをかければ完成。
一口食べて、玉ねぎの甘さにびっくり。コンソメも塩も使っていないのが信じられないくらい、スープにうまみを感じます。飴色玉ねぎ作りは時間がかかりそうですが、最初に少量の水を入れて煮ることで時短に。玉ねぎを育てるようにていねいに炒めた“数分”が、おいしさの隠し味になっている気さえしてきます。
◆もち麦と鶏ひき肉のリゾット(p.34)
もち麦をアクセントにした、スープ多めのリゾット風。冬が旬の小松菜も入れて、栄養もたっぷり。
作り方は鍋にオリーブオイル、鶏ひき肉、ケチャップを入れ、混ぜながら中火で約1分。小松菜ともち麦、水200mlを加えてひと煮立ちさせたらジャーに移します。
ジャーに入れた時点では硬さのあったもち麦も、お昼になると食べごろのやわらかさに。ぷちっとしたもち麦や、シャキッとした小松菜で食べ応えがあり、腹持ちもよさそう。ケチャップの甘み、鶏ひき肉のうまみが溶け込んだほかほかのスープは、心まで「ほっ」と満たしてくれるおいしさです。
◆かぼちゃと鶏肉の豆乳シチュー(pp.54~55)
口当たりがなめらかな、甘くてほっこりシチュー風スープ。とろっとした、きれいな黄色のスープは目でもおいしい1品です。
2cm角に切ったかぼちゃ、鶏肉、油、水を鍋に入れ、ふたをして中火で3~4分蒸し煮にします。ふたをあけ、豆乳と塩を加えて温め、沸騰する直前に火を止めてジャーに移します。
かぼちゃと鶏肉がごろっと入ったスープは、食べ応えが満点! かぼちゃの甘みを感じるスープには、パンを添えるのがよさそう! 10分で作ったお弁当とは思えないくらいおしゃれで、ちょっぴり誰かに自慢したくなるかも。
ジャーの中でじわじわ味がしみこんで、やわらかく煮えた「食べるスープ弁当」は、お昼休憩をほっとできる時間に変えてくれる魅力があります。まさに今、寒い日のランチには、温かいスープのうれしさも倍増するはずです。
朝10分あれば大丈夫。あったかくておいしいスープ弁当をはじめてみてはいかが?
文=ひがしあや