2019年に若者の間で何が流行したか。筆者が推すのはスマホアプリ「Zenly(ゼンリー)」だ。利用者が急増しただけでなく、世代間ギャップを強く感じる超個性的なサービスだからである。
マイナビが運営する10代女子向け総合メディアの「マイナビティーンズ」は、2019年11月25日に発表した「2019年ティーンが選ぶトレンドランキング」で「流行ったモノ」の5位にZenlyを挙げている。
Zenlyは友達同士で位置情報を公開し合うスマホアプリだ。日本で本格的に流行したのは2019年に入ってからだが、登場したのはもう少し前。2015年にフランスのゼンリー(Zenly)がリリースした。2017年に写真共有アプリ「Snapchat」を運営する米スナップ(Snap)がゼンリーを買収し、現在は同社の傘下になっている。
Zenlyを起動すると地図が表示される。地図上には自分の位置と、つながっている友達の位置、それぞれの位置での滞在時間、移動速度、電池残量がリアルタイムに表示される。「学校に2時間滞在している」「現在は電車で移動中」といった情報が筒抜けになる。しかもZenlyは各人の場所ごとの滞在実績を基に自宅、学校、仕事先(アルバイト先)を推測してアイコンを付けるため、自宅や学校、仕事先も知られてしまう。
Zenlyでつながっている自分の友達が何人か一緒にいる場合は「AさんとBさんが1時間カラオケ店に滞在している」といった情報もリアルタイムに表示する。親しい友達グループで利用すると、お互いの生活がほぼ丸見えになってしまう。
知られたくないときは位置情報を隠せる。Zenlyは「あいまい」や「フリーズ」など、居場所を隠す「ゴーストモード」を提供している。ただし「あいまい」を利用すると、友達が見る地図上の自分のアイコンにバッジが付くのでバレる。「フリーズ」はバッジこそ表示されないが、位置情報が同じ場所に固定されるため不自然な動きになってやはりバレる。