オーバーミックス   作:青の魔術師

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消音様。
誤字報告ありがとうございました。

黒帽子様。
本当に、誤字報告を毎回毎回してくださりありがとうございました。


第22話 殺される覚悟はありますか

竜王国の殺戮パーティー場

 

今宵もビーストマンは人間を喰らい、自分の腹を満たしていた。

自分より弱い生物を喰らうのは生物としては当然だし、人間だって生きる為にしているのだから、人間も喰われる立場になったとしても文句を言える筋合いはないだろう。

 

だからこそ、ビーストマンを殺してしまおう。

弱い人間だからこそ殺せたのだ。ならば、強い人間が来たら殺されても文句を言える筋合いはないだろう。

 

故に、皆殺しだ。

 

そこには、子供、老人、女などは関係ない。

 

その種族だから殺す。

 

人間が使う材料だから殺す。

 

人に害を及ぼすから殺す。

 

人に害を及ぼす可能性があるから殺す。

 

そこには善意も悪意も存在しない。ただ、邪魔だから殺すのかもしれない。

 

さぁ、始めるぞ。

人間が獣を殺して、殺して、殺しまくる日がな。

 

 

〇〇〇〇

 

ビーストマンが作り出すパーティーを見下ろす3人の影が存在した。

 

一人目は、ビーストマンに殺される弱い種族と同じ人間だ。

二人目は、何の感情も持ち合わせていない瞳を持つ闇の妖精。

三人目は、宝石の目を持ち尻尾を生やしている悪魔だ。

 

「鈴木様。そろそろ助けに入りますか」

「そうだね。まだ、人間の数が多いからもう少し、ビーストマンに減らして貰ってからだね」

「えーと。何で人間の数を減らすんですか」

「数が多過ぎても移動するのが手間だからね。また、何も努力をしていない人間なんて、幾ら死んでも構わないんだよ」

「でしたら、いつ助けに入ろうと思っているのですか」

「誰かが生きる為にビーストマンに攻撃を仕掛けた瞬間にスタートかな」

「成る程。自分が生きる為に努力をして、更に手助けをする人物が現れた方が効果的ですね」

「その通りだよ。デミウルゴス」

 

 

ビーストマンのパーティーで一人の少女は、生きる為には何でも利用した。

しかし、運命とは非情なものであり、ついに自分の順番が回って来たにすぎない。

 

少女は助けを待っていたが決して誰も助けに入ろうとはしない。

自分が殺されるからだ。しかし少女は諦めたりはしない。

自分を助けてくれる神様が私についているのだから。

神は現実に存在する。

現に、私の夢の中には出てくるのだ。

神は言うのだ助けを待つのでは無く、自分で行動をしろと。

そして、今日の夢では攻撃をしろとアドバイスを受けた。

 

「あはははは。次はお前の番だぞ」

「五月蝿。獣風情が私に声をかけるなよ」

「珍しい人間だなぁ。俺たち神の種族に口答えをするなんてなぁ」

神は別にいるんだよ。お前ではない究極の神がな。

神はタダでは助けてはくれない。努力をしていたこそ今日まで生き残れたのだから。

「神はお前達を皆殺しにしてくれる」

「状況がわからなくなったようだな。ここには数十万体のビーストマンがいるんだぜ。助けに来る馬鹿はいないんだよ」

 

此奴は今なんて言ったんだ。

助けに来てくださる方を馬鹿だと。ふざけるなよ獣。

 

少女はビーストマンに飛びかかり、目玉をくり抜いた。その反撃として少女はビーストマンの持つ爪で切り裂かれた。

「クソガァァァァ。人間如きがこの俺の目を」

 

ビーストマンは恨み節を吐く前に、天空から降り注がれた地獄の炎により燃え尽きてしまった。

突然、仲間が殺された事にビーストマン共は驚き、殺すべき敵を探すが見つかりはしない。見つかるのは、夜空を埋める悪魔の群れだった。

 

そんな中に一人だけ、悠然と歩いている一人の人間が話をかけてくる。相手はビーストマンしかいない。

 

「その見た目の割に言葉理解出来るようで、私は嬉しいよ」

「何者だ」

「僕はただの人間さ。だけど仲間は違うけどさ」

 

そんな男の言葉を理解している無数の悪魔達はまだ動きはしない。

男は仲間である二人に声をかける。

それこそが、ビーストマンが隷属されるきっかけとなる事件の合図なのだから。

 

「マーレ、デミウルゴス。作戦を実行せよ」

「はっ!」

「は、はい」

二人の返事と共にビーストマンの状況が激変する。

ビーストマンの周りには幻覚で作られた炎壁ができ、心理的に追い詰めて行き。

ビーストマンを物理的に閉じ込めるように、地面が動き出し地形を変えて行く。

そこには、人間の配慮など微塵もなかった。

人を助けるなど名目にすぎない。少しでも生き残ればいいのだから。

 

「何だよ。これは人間如きが出来る領域を超えているぞ」

「人間じゃないからね」

「誰に依頼されたぁぁぁぉぁ」

 

ビーストマンの叫びを無視して鈴木は、生きる努力をしていた少女を助けるべく動き出す。

 

「大丈夫かな」

「大丈夫じゃないけど。助かりました」

「君も神様に会ったのかな」

「はい。夢の中ですけど」

「それはいい事だね。【生命の恵】」

 

少女の傷はたちまち消えて無くなってしまった。

「では、避難しようか」

「はい」

少女は鈴木に抱かれて空に飛び立ち、マーレが作り出した安全地帯に一緒に連れて行く。

 

少女を安全な場所に置き目的を達成したので、もう遠慮は要らないし、こんなに頑張ってくれたデミウルゴスやマーレにも褒美は必要だよね。

 

デミウルゴスは悪魔の喜ぶ褒美を与えれて、マーレはモモンガに丸投げでオーケー。

よって、ここに居る人間は彼女だけで良いかな。

 

「デミウルゴス。確保した少女を除き、他の人間には何をしても良いよ」

「ありがとうございます。鈴木様」

「マーレには、私からモモンガに強く褒美を与えるように伝えておくよ」

「あ、ありがとうございます。鈴木様」

 

この場に居る人間の運命は一人の男の気まぐれにより決まってしまったとさ。


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