少し前に、「デザインQRコードの作り方」という記事が話題になりました。簡単にまとめると「誤り訂正符号の割合を最大にして、“たまたまパターンを正常に読み出せなかった際の自動訂正機能”が効くことを期待して一部を壊して絵を埋め込む」という手順です。
壊してしまうと読めなくなってしまう部分(誤り訂正の効かない部分)に留意して作ればたしかにこれで充分な実用性のある「デザインQRコード」を作り出すことができるのですが、読み込みミスのためのシステム上の余力を削って(余力に頼って)“デザイン”しているわけで、ギークとしてはなんだかちょっとした居心地の悪さを感じなくもありません。

ところが、世の中にはそういう手法ではなく、「真に」デザインされたQRコード…つまり、QRコードを生成する際のデータをいろいろといじってコードパターンそのものをデザインしてしまうことを考える人もいます。特許の海をたゆたって、そんな実例を探してみることにしましょう。


いきなりびっくりするようなQRコードですが、ちゃんと読めます。特許公開2008-052588「プログラム、情報記憶媒体、2次元コード生成システム、2次元コード」からで、出願人は株式会社バンダイナムコゲームス。実はほかにもバンダイナムコさんはデザインQRコードについての特許をいくつも出願しています。

特許公開2007-241327(バンダイナムコゲームス)。これが基本パターンで、通常データの量で決まるQRコードの大きさ(「型番」といいます)を実際のデータ量よりも大きく取っておき、データの無い余白エリア部分が空白ないしデザイン形状になるよう埋草データを操作する…という手法のようです。

特許公開2008-152334(バンダイナムコゲームス)。エリアをデザインできるということは当然空白にも出来るので、そこに黒と認識されない淡いパターンを埋め込めば「正しい」QRコードのままいろいろ意匠をいじれる、というわけですね。
似たような内容の特許は他からも出願されています。この画像は特許公開2009-163720(産業技術総合研究所)から。産総研ってこんなこともやってるんですねー。…と思ったら、これは作成ソフトがフリーで公開されているじゃないですか!わーい!さすが我らの産総研!そこにシビレるあこがれるぅ!

かわいいQRコード、目立つQRコード作成するフリーソフト「QR-JAM」 by Manabu HAGIWARA
http://staff.aist.go.jp/hagiwara.hagiwara/qrjam/

…というわけで、このエントリ冒頭のQRコードはこの「QR-JAM MAKER」で作成しました。さまざまな種類のプリセットパターンからイラストを選べるので簡単に意外性のあるQRコードを作れます。誤り訂正の「余力を削って」作る手法ではなく「イラスト込みで正しいQRコードになっている」ので、読み取り精度も高いのがいいですね。


特許公開2008-107275(株式会社アキバソフト)は、埋草データ(入れ物であるQRコードに実データを入れたあまり部分)ではなく実データそのものをいじってデザインパターンを出すというのがおもしろい。なのでこのサンプルのコードも読めるのですが、妙なゴミデータ(=QRコード化する時に絵になるデータ)もくっついて同時に読み出されます(笑)。しかしなんでサンプルがc.2ch.net…。(※上の顔画像つきQRコードを読んでみましょう)

というわけで、デザインQRコードならぬ「デザインされたQRコード」の例でした。ほかにもQRコードのピクセルパターンを変形してコード全体の意匠を独特のものに変える(特許公開2010-26665など)とか、けっこういろいろ考えられているみたいです。先ほど紹介した「QR-JAM MAKER」もあわせて、一見単調なQRコードの世界もじつはけっこう工夫のしがいがあるんだなあ、なんて思いながら


と、〆とします。


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  1. 全世界77億人のセガファンのみなさん。当然のように一人一台メガドラミニを買いメガドラミニ・ユニヴァースを堪能していることかと思います。
    そんなメガドラミニですが、みなさんどのような環境でプレイしているでしょうか?PCモニタ?リビングの液晶テレビ?それとも…?

    そんなみなさんに問いたい!!!
    自宅の液晶テレビで大画面でメガドラソフトを楽しむ、それもよいだろう!
    しかし、しかしだ!
    メガドラミニそのものの造形、美しくあのたおやかなメガドライブの曲線美をあますところなくミニチュアライズした、あの形!
    メガドラタワーも再現するこの心意気!
    そんなものも同時に楽しんでこそ、メガドラミニを真に堪能できるといえないだろうか!!!



    メガドラミニは単なるゲーム機ではなく、そして単なるミニチュアモデルでもありません。精緻な、実働する、ミニチュアモデル なのです。
    なので、ミニチュアのモニタと組み合わせて世界をつくってあげることで非常に楽しくメガドラ世界を楽しむことができます。
    ゲームだけではない、ミニチュアモデルだけでもない。ゲームを楽しみながら、視界にゲーム画面とメガドラミニを同時におさめるこの愉悦 。すてきじゃないですか!?


    っていうか、当時のゲームはそこまで大画面で楽しむものでもなかったので、実際小さいサイズのモニタが合うんですよね。
    メガドラミニのスケール感にあわせたサイズの小型モニタ をいっそのこと メガドラミニ専用に用意しませんか 、という提案です。



    メガドラミニと組み合わせるならこれ!!という商品がこちら。似たような商品はかなりいろいろあるのですが、この商品をピンポイントに薦めます。
    「BASENSE 7インチ ブラック HD ディスプレイ 1024x600 TFT 液晶 画面 コンピュータ モニター 車 リア ビュー カメラ PC ラップトップ ラズベリー Pi 4 B 3B+ 2B B RPi 1 B +用 ヘッド ホン ジャック 付き」

    Amazon価格5499円(9/23現在)です
    また、次のケーブルもあわせて揃えるとよいです。

    KAUMO ハイスピードHDMIケーブル 金めっき端子 (タイプAオス - タイプAオス/2K/4K/3D イーサーネット対応) 0.3m (左向き/ストレート)


    というわけで、今回のblog記事では、このモニタをメガドラミニ専用にピンポイントにオススメする理由
    • 7インチというサイズがメガドラミニと合わせちょうどよくぴったり収まる
    • スタンドが付属しており、メガドラ単体・メガCDつきそれぞれに高さをあわせられる
    • ヘッドホン端子がついている
    • ゲーム向きの低遅延

    それぞれのポイントを順に説明します。



    7インチというサイズがメガドラミニと合わせちょうどよくぴったり収まる

    見てのとおりです。
    当時のゲームは解像度も高くなく文字も大きいのですが、メガドラミニ自体のメニュー画面は現代のHDモニタ向けに作られており、これ以上小さい画面だと解像度的にけっこうキツく、液晶パネル自体もそれなりの解像度が必要です。
    メガドラミニのスケール感と、解像度・メニュー文字の視認性の落とし所がこの「7インチ」というサイズかなと感じます。(ほかに5.5インチや10.1インチも試したのですが)



    スタンドが付属しており、メガドラ単体・メガCDつきそれぞれに高さをあわせられる

    メガドラ単体との組み合わせはこのような感じ。
    このモニタはもともと車載モニタ用につくられており、車のダッシュボードに固定するためのスタンドが付属しています。


    三脚ネジでモニタ底面に固定するほか、背面のレールを使って固定してあげることでさらに固定位置を上げることもでき、そのようにすることでメガCDとの組み合わせにもマッチする位置に立てることができます。
    このあたりはほかのスタンドや三脚との組み合わせも試してみてもいいかもしれません。



    ヘッドホン端子がついている

    メガドラミニ本体には、ヘッドホン端子はついていません。
    なので、メガドラミニ・ユニヴァースにひっそりとひとりで浸ってたのしむには、 モニタ側にヘッドホン端子が必要 です。HDMI入力可能な小型モニタで、安価で、ヘッドホン端子がついているもの。意外とこの選択肢が多くないのです。もちろん、このモニタにはついています。



    ゲーム向きの低遅延


    ゲームを遊ぶうえで、モニタが 低遅延であることは重要 です。
    現代の液晶モニタは映像出力時にさまざまな画像処理を行っていて、その処理遅延があったりします。低遅延処理の「ゲームモード」があるテレビであれば、ゲームモードをONにすることをおすすめします。

    さて、それでは今回ご紹介するこのモニタの遅延はどうでしょうか。
    (値段が値段だけに内部で画像処理を含む映像のバッファリングなどしていないことは容易に想像できるのですが)実測してみました。

    比較対象はPanasonicのプラズマテレビ、TH-P55GT5.
    HDMIを分配し、既存のテレビと7インチモニタに同じ信号を接続します。



    結果…


    TH-P55GT5の ゲームモードOFF時との比較 では、7インチモニタの側が 2フレーム早い 。(※1フレーム=29.97fps換算。ゲームで言う4フレ)


    TH-P55GT5の ゲームモードON時との比較 では、7インチモニタもゲームモードONテレビも同等タイミング(ないしは、動画をよく見るとわかりますがタイミングによっては7インチモニタ側が1フレーム早い)


    というわけで、遅延もゲームに充分向いた低遅延です。特にいま遅延の大きいテレビを使っていてメガドラミニでのゲーミングに不満を覚えているかたはオススメです。



    せっかくなのでケーブルも

    このモニタ、HDMIケーブルを横にさしこむ形のため、通常のぶっといHDMIケーブルをそのまま使うと横からケーブルがはみ出して見え少々不格好です。
    今回 「せっかくなので専用モニタを用意することで、メガドラミニの造形美を同時に視界におさめつつメガドラゲームを楽しむメガドラミニ・ユニヴァースを完成させる」 というテーマなので、できれば不格好なケーブルは見たくない。


    というわけで、L字コネクタを使い、短いHDMIケーブルもあわせておくといいです。

    商品はこちら
    KAUMO ハイスピードHDMIケーブル 金めっき端子 (タイプAオス - タイプAオス/2K/4K/3D イーサーネット対応) 0.3m (左向き/ストレート)
    今回のモニタに合うL字コネクタの向きは「左向き」です!



    メガドラミニ最高!!!

    というわけで自宅なり会社なりの片隅に、メガドラコーナーをひっそりつくって、隙を見ては楽しんでみてはいかがでしょうか…!


  2. ある日、ふと気がついてしまったのです。
    「あれ?会社に電子レンジがあるってことは、 会社でパスタがゆでられる ってことじゃね?」

    この宇宙の真理に気がついてしまった以上、実践せねばならない。
    そして実践してみたら、 この上なく素晴らしいオフィスランチの世界が待っていた というお話。



    レンジパスタという世界

    みなさん、パスタをどうやってゆでていますか?鍋?
    でも鍋でパスタをちゃんとゆでようと思うと、けっこう湯量が要るしゆで終わったあとの鍋はデンプンみっちりついてて洗うのめんどくさいしで地味に手間がかかります。
    実は、世の中には 「電子レンジでパスタをゆでることのできる容器」 というものが売っているのです。安いところでは100円均一ショップにもあります。

    で、試したことがある人はわかると思いますが、このレンジパスタ、 めっちゃ楽 なのです。容器に水(または熱湯)と乾燥パスタを入れて、電子レンジに突っ込むだけ。数分後には、いーいかんじに火が通ったパスタができてくるというスーパーらくちんシステム。
    水の量も鍋でゆでるのにくらべたら遙かに少ないし、容器も小さいので洗うのも超簡単。

    で、これ、電子レンジだけで調理できてしまうので
    「電子レンジだけなら置いてある」、会社(オフィス)でもパスタつくれるんじゃね?というわけです。


    やってみた


    というか、やりはじめた結果すばらしく快適だったのでオフィスできたてパスタにハマってしまい毎日パスタ食ってます…! アツアツの、ゆでたてパスタが超安価にランチで手間無く食べられる。最強コスパのスーパーオフィスランチ爆誕 であるッ!

    「会社でパスタ」 運用にあたるコツ は以下のとおり。

    • レンジでパスタをゆでる容器は「エビス プライムパックスタッフ 絶品レンジでパスタ」 をおすすめ。 この容器を使うと できあがりの際にゆで汁が残らない ので、 残ったゆで汁をわざわざ給湯室に捨てに行く必要がなくなります 。「会社でパスタ」という特殊環境においてはこの一手間が省けるのがとても大きいです
    • レンジパスタ容器をそのままお皿に転用 してしまいます。一人で食べるだけなのでこんな手抜きでまったく問題ない。つまり、調理するといっても「お湯入れて、レンジでチンして(ソースをかけて)そのまま食べる」と 手間としてはカップ麺に近い感覚 で済みます
    • パスタソースは、レトルトのものや「まぜるだけ」のものを用意しておき、 (ソース自体の)「あたため」工程は省略 。ゆであがりのパスタは充分アツアツなので、そのままソースぶっ込むだけで大丈夫!
    • 食べ終わったら翌日に備えてレンジパスタ容器を洗っておくわけですが、 トマトソースは洗うと色がつくので、普通の「会社の給湯室にあるグラス用のスポンジ」とは別のスポンジを用意しておいたほうがいい です。
    • パスタは 早ゆでタイプのものを使うと電子レンジの占有時間がぐっと短くなります が、レンジパスタ容器でうまく仕上げるための調理時間は若干の試行錯誤が必要です。自分なりの水量・時間を見つけておきましょう

    もちろん細部はみなさんそれぞれの会社にあわせて各自カスタマイズしてください!



    コスト

    最初に1000円程度の初期投資をすることで、一食200円で!アツアツの!ゆであげ!パスタが!ランチに!無限に!!食べられる!!!!

    みなさんも 「会社の電子レンジが持つ無限の可能性」 を活用してみてはいかがでしょうか。素敵なパスタライフを!


    ※なお表題の「ヴォルケーノ」とは使用するレンジパスタ容器「絶品レンジでパスタ」がもつ「ヴォルケーノ構造」のこと。通常捨ててしまうゆで汁を循環させることで、パスタの表面をでんぷんでコーティングしてもちもちのパスタを実現します…!



  3. 元値730万円の新車が60万円で買えるようになったのでハックして遊ぶとすごく楽しい、という話の続編です。オープンソースの自動運転化キットを後付けして既存の車に自動運転機能を追加します。


    【超重要】注意事項

    本記事には自動車の根本的な制御介入し、運転のコントロールを乗っ取るという非常に危険な内容が含まれます。実施する場合は、自分がどのような制御・どのような操作をしているのか、それにはどのようなリスクがあり、どんな事態が起こりえるのか、事故を起こさないためにはどのような対応をすればいいのか、といったことを必ず自分の責任において理解した上で行ってください。すべては実施者ならびに運転者の責任となります

    • 自動運転システムの公道実証実験については、警察庁が自動走行システムに関する公道実証実験のためのガイドライン(PDF)というガイドラインを出しています。
      • 現行法令では、自動運転車であっても交通違反ならびに交通事故が発生した場合はテストドライバーの責任となります。逆にいえば、 テストドライバーが安全を担保することができるのであればテストドライバーは必ずしも常にハンドルを把持する必要はない とされています。
    • システムのエラー・誤認識によって違反や事故が発生することを 防止する義務はテストドライバーにあります 。自動運転システムも 含めて 車両の運行に関しては「テストドライバーの運転」とみなされます(ので、自動運転装置が運転している状況であってもテストドライバーは該当車両の運転免許が必要です)。シンプルに言えば、事故が起こったらテストドライバーのせい。究極的には、テストドライバー「が」事故や違反を起こさせなければよい、というわけです。
      • なので、ハックする人とテストドライバーは同一であることを非常に、非常に、非常に強く推奨します。 全ての責任がテストドライバーにある ことをテストドライバー自身が 完全に理解している必要がある ためです。
    • ハックする場合は どんな場合でも、どのような場面でも最終的にはテストドライバーの介入で機械の操作をキャンセルないしはオーバーライドできる必要があります し、たとえいつどんな挙動をしてもすかさず運転を引き継いで絶対に事故や違反を起こさないと保証できる状況で運転する必要があります。市販車の既存機構のハックをする場合は、 既存機構がどのような構成で動作していて、最悪の場合でもどのような選択肢がありどのような操作が運転者に残されているのか は把握しておく義務があります。

    以上のことをよくよくご理解いただいた上で、先に進んでください。



    comma.aiによる「オープンソースの自動運転化キット」

    オープンソースの自動運転化キット。そんなものがあるのか!という人も多いとおもうのですが、あるんです。通称「Geohot」ことジョージ・ホッツ氏― 弱冠17歳のときに、個人として初めてiPhoneのジェイルブレイクに成功したことで有名なハッカー ―が、次に「車」をハッキングし開発した自動運転システムです。

    もともと最近の自動車はCAN(Controller Area Network)というネットワークでさまざまなセンサとコンピュータが繋がっています。また、車種によってはオートクルーズやステアリングアシストつきのLDA(レーンディパーチャーアラート=車線逸脱警報機能)、自動駐車機能など「アクセル・ブレーキ・ステアリング」をコンピュータから制御する機構も既に備わっているのです。もちろん、 これらもすべてCANに繋がっています

    つまり
    CANを支配すれば、車のセンサを使い、車のアクセル・ブレーキ・ステアリングをも自由にコントロールできる
    というわけです。

    これを真面目にハックし実践したのが先のジョージ・ホッツ氏。ここに2015年ころの動画がありますが、自宅ガレージでハックして自動運転車を自作している様子が見えます。当初はホンダ車をベースに開発されていましたが、その後トヨタ車もサポートされました。

    comma.aiが提供している自動運転化キットはいろいろコンポーネントがあってちょっとわかりにくいのですが、以下のような構成になっています

    • ハードウェア
      • EON DevKit https://comma.ai/shop/products/eon-gold-dashcam-devkit
        • 中華スマホ(LeEco Le Pro 3 X727)をベースとして作られた自動運転向けダッシュボードコンピュータ。ざっくり言うとスマホ+放熱筐体+ファン+電源基板。
      • Panda https://comma.ai/shop/products/panda-obd-ii-dongle
        • OBD2コネクタ(車の診断用コネクタ規格)型の自動運転用CAN - コンピュータ間インタフェースモジュール。危険なCAN制御が行われないような、機械の介入を強制キャンセルできるような安全機構もPanda内に備えている。EON DevKitを車のCANに繋ぐために必要。
        • Pandaは現在White Panda(WiFi接続可)とGrey Panda(精細位置取得用GPSモジュールつき、有線接続専用)の二種バリエーションがある
          • 今後信号や一時停止などの自動制御はGPS座標を使う想定でいるらしく(日本で使えるかはどうかは別として)高度な自動運転はGrey Pandaで対応する予定、と言われています。
      • Giraffe https://comma.ai/shop/products/giraffe
        • 車にPandaを接続するためのコネクタ基板。車のフロントガラス中央上方に、メーカー純正の運転補助システム用の前方監視カメラ・ユニットがあるのですが、そのユニットにささっているケーブルを抜き、間に挟むようにして使います。
        • そして、そのGiraffeにPandaを差してEON DevKitを車に接続します。
          • 車→Giraffe→Panda→EON DevKit、という接続
        • つまり、Giraffeは車メーカーごとに形状が異なります
    • ソフトウェア
      • NEOS https://github.com/commaai/eon-neos
        • Androidをベースとした自動運転用OS。EON DevKit上で動作します
      • OpenPilot https://github.com/commaai/openpilot
        • NEOS上で動作する、自動運転ソフトウェア。Giraffeを経由してPandaから取得した車のデータと、カメラの画像から運転制御を決定し、Pandaを通して車を制御します。自動運転のアルゴリズムも含め主にPythonで書かれており、必要に応じて書き換えることも可能です。
      • Comma connect

    かんたんにまとめると、

    • 車に合った「Giraffe」を車の前方監視カメラユニット部に接続し
    • GiraffeについているOBD2コネクタにPandaを接続し
    • PandaにEON DevKitを接続する。

    そして

    • EON DevKitにNEOSをインストールし(インストールされていて)
    • NEOSにOpenPilotをインストールする
    • 自分のスマホにComma connectをインストールして
    • Comma connectとOpenPilotをペアリングする

    という構成だと理解しておけばだいじょうぶです。
    (ほか、車によってはGiraffeに別途常時電源「Comma Power」を接続する必要があったりします)



    comma.ai から EON DevKitを買う

    EON DevKitは comma.ai shopから買うことができます。PayPal決済で、ポチッとしてから4~5日ほどで届きます。


    EON DevKitには、EON DevKit本体、車のフロントガラスに装着するためのマウント、miniUSBケーブル


    Giraffe + Grey Pandaには、必要に応じてCommaPowerやGPSアンテナを固定するためのマウントなども。

    基本的に、一式買うと車へのマウントも含めて必要なものはひととおり入っています。EON DevKitのカメラを車線認識などに使う都合もあり本体の車への設置(マウント)は取付け/取り外しにともない角度がかわったりしないようガッチリと固定する必要があるため、標準添付のマウントをそのまま使うのが安心です。



    取付け


    トヨタ車の場合、フロントガラス中央上部にFRC(Forward Recognition Camera)と呼ばれるユニットがあり、ルームミラーの裏側にあるカバーをスライドさせるだけで簡単に露出させることができます。
    ここに刺さっているケーブル(CAN)を引っこ抜き、Giraffeを間に挟みこむことで車全体のCANネットワークをハイジャックするわけです。


    GiraffeをFRCとそのケーブルの間に挟み込んだら、GiraffeにPandaを接続、PandaをEON DevKitに接続します。Grey Pandaの場合はそのほかにGPSアンテナが付属しますので、これも適当なところに設置します。
    ほかにもDSU(Driving Support Unit)というECUがある車はOpenPilotからコントロールできるよう切断します(このあたりは車種によってやるべきことが変わります)。


    GiraffeはFRCと車の間に割り込んで、OpenPilotからコントロール可能にします。つまりOpenPilotが本来動作すべきFRC(やDSU)の挙動をエミュレーションしてFRC・DSUの代わりに車を制御するわけです。これは言い換えると、OpenPilotが動作していない状態だと車がFRC・DSUの不具合としてエラーを検出する…ということです。
    GiraffeはFRCと車の間に割り込みますが、トヨタ車のこの部分には「車のイグニッションがONのとき」にだけ電源が通電されます。OpenPilotの動作として、通電されたことを検出しOpenPilotが起動し…という流れだとFRCのエミュレーションが間に合わずエラーとなってしまうため、常時通電の電源ラインを別に確保する必要があります。そのための配線が「Comma Power」と呼ばれる電源線で、通常はOBD2ポートから取得します。



    OpenPilotの動作と安全機構

    OpenPilotの安全性について。オープンソースの自動運転化キットであるOpenPilotですが、安全性にも相応の配慮がなされています。詳しくはこのopenPilot safety というページを読んでいただきたいのですが、車種(メーカー)によって実装が異なるものの、おおむね以下のような形で安全性を確保しています

    • OpenPilotは「自動運転」ではなく運転補助機構であり、ドライバーは常に状況を監視する責務を負う
      • EON DevKitのインカメラを使ってドライバーが路上をきちんと注視しているかをチェックし、よそ見していると警告・オートパイロットを切る機構も用意されている
      • ステアリングにかかっているトルクを検出し、手放し状態が続くとそれを検出し警告・オートパイロットを切る機構もある
    • オートパイロットのためのステアリング操作・アクセル・ブレーキ操作は既存の(当初から車に装備されている)オートクルーズ機構のシステムメッセージを使用して実現されており、オートクルーズ機構がONになっていないと動作しない
      • オートクルーズ機構自体がブレーキ操作・アクセル操作などのきっかけで即時OFFするようになっており、OFFになったあとはそもそも制御信号が流せないか、効かないようになっている
    • ステアリング操作・アクセル・ブレーキ操作は一定以上の急操作はできないようにリミッタが設けられており、リミット以上のデータが流れないようになっている

    また、たとえばステアリング操作はステアリングに「トルクをかける」ことで実現されており、またそのトルクの最大値も決まっているためどうしても制御を(人間が)取り戻したいときは力をかけてステアリングを回せば普通に操作できます。
    そういったことも含め、安全性は既存の、車メーカーによるシステムによってある程度担保された上で構築されているともいえます。



    MIRAI対応移植


    トヨタ車のサポートは広いOpenPilotですが、今回取付けたトヨタMIRAIは非対応でした。そこで、対応作業を自分でやってみることにします。
    OpenPilotの他機種対応はおおまかに以下のような手順を踏みます

    • OpenPilotが車種を識別することができるよう、車種情報を追加する
      • これを「FingerPrint」と呼んでいます。車に定常的に流れるCANデータは車種によって異なるので、一定時間の間に流れるCANデータをダンプして「こんなデータが流れていたらこの車」という形で判別します。
      • ターゲットとする車のFingerPrintを取得し、識別できるようにします
    • CANを流れるパケットの、どのアドレスにどういうデータが入っているか、マッピング情報を整える
      • dbcファイルという形式で各車種ごとに記述されているので、これを記述します。CANを流れるデータをダンプして、他車種の記述と見比べながらデータの違いをdbcファイルに反映します。
    • 車の基本情報、ほかのロジックなどを記述する
      • ハンドルのロック・トゥ・ロックの回転数やホイールベース、車重などの基本情報、さらにほかのロジックなどで調整が必要なところを記述します

    トヨタ車むけのポーティングガイドは親切なドキュメントがあります。一部記述が古くなっている(fingerprintを記述する場所が違うなど)ところはありますが、この手順に沿えば間違いないです。

    というわけで、調べた結果MIRAIはTSS2.0(Toyota Safety Sense 2.0)の他の車とだいたい一緒…なんだけれども、

    • ステアアングルが、他の車と異なりトルクセンサ(STEER_TORQUE_SENSOR)のパケットに入っていない。STEER_ANGLE_SENSORのパケットに入っているのでこちらを使う必要がある
    • GAS_PEDALのパケットサイズが違う
    • BRAKE_PRESSUREのビット数が違う
      といった違いがありました。これをvalue.py、dbcファイルやcarstate.pyの処理などに反映していきます。

    …というわけで、動きました!
    トヨタ車の制御としては確立したものをそのまま使えたので、思ったよりも楽でした(当初MIRAIがTSS2であることに気がつかず少し時間を無駄にしましたが…)


    OpenPilotによる自動運転レビュー

    OpenPilotが現在実現しているのは、あくまでも 「高速道路の前車追従・レーンキープ」レベルの運転補助 です。テスラに限らず、このレベルの『自動運転』はすでに各社採用が進んでおり、BMWでは日本で初めて「高速道路の渋滞時に手放し運転を公式に許可する」制御を実現していますし、秋には日産も手放し運転を実現します。手放しでなければ、もっと広範に対応車種があります。
    そういう意味では「目新しい」「最新の」システムではまったくないのですが、そのような機構がついていない既存車種に後付で、しかもオープンソースで!構築できるというのは特別な感慨があります。

    さて。
    では実際OpenPilotの『自動運転』はどの程度のレベルなのでしょうか?

    • そもそもの前提として、MIRAIへの後付でいうと、もとのレベル(Toyota Safety Sense、前車追従、LDA)と比べるとだいぶできることは広がっています
    • 見通しの良い高速道路での前車追従、レーンキープ走行はなかなか優秀です。ただしブラインドで急なコーナーが続く首都高のような道はだいぶあぶなっかしかったりします
      • 定速走行、前車追従、渋滞時の減速・ストップ&ゴーについてはそこそこスムース
      • 急なカーブなどはハンドルの操作トルクが安全リミットに負ける?のか曲がりきれないことがあります。これはまだMIRAIでの設定が追い切れていないからかもしれませんが。(手で補助してやれば曲がれます)
    • センサーは前方のレーダーと前方カメラによる車線認識。左右や後方は現状では見ていないので、割り込みなどには人間がある程度対応する必要があります
      • ユーザによるカスタムフォークでは、左右後方のセンサも参照した上でウインカー操作からの自動レーンチェンジを実現している実装もあるそうです
        • というように、無い機能を各自で作ってしまえるのがなんというかハック感あります
    • 一般道でも機能をONにすること自体はできますが、都心のごみごみした道路ではそもそも定速で同一車線を走り続けるということがなく突発状況に対応できるわけでもないので素直に人力運転したほうがよいです
      • 交差点で微妙に中央分離帯に向かおうとしたり、妙に車線の中央から外れそうになったり…ということがままあります。非常に多様な路面状況に対して認識精度を高めるのは本当に難しいんだなあ、と実感できます。
      • アンダーパスなど急なアップダウンがある道だと、上り坂をレーダーが先行車と誤認して減速!なんてこともあります
    • 先述のとおり、OpenPilotでも手放し警告はあります。インカメラによるドライバー監視のほか、ハンドルのトルクを検出して手放し状態を警告します。
      • しかしこれもオープンソースなので自分で解除することもできる(!)わけです。推奨はできませんが…

    総じて、

    • 既存の機構と比べるとできることが増えて、最近の先進装備並になるのは大きなメリット
    • 自動運転の精度はメーカー製(特にテスラ)と比べるとまだあぶなっかしいところがある
      • しかし、オープンソースなのでアップデートも頻繁にあり、自力改造も含めて精度やできることは向上している

    comma.aiは高精度GPSのデータなども使って今後「レーンキープ」レベルよりもさらに上の自動運転を狙っているみたいですが、実際使ってみるとこのままこのシステムの延長でフル自動運転が待っているかというとかなり厳しそうという印象があります。「自動運転」の世界はテスラやGoogle(Alphabet)のようにセンサを山盛り追加した車で、圧倒的な物量の開発が要る世界です。現状の小規模なオープンソース開発ではどうしても限界がありますし、それをバザールモデルで乗り越えようというのは相当にキツい。しかし、この限界があるからこそ、ハック魂や夢を感じるのもまた事実です。

    現状の完成度は「自動運転だから車に運転を任せる」というレベルではとてもありませんが(そもそも絶対にそうするべきではない)ハンドルに手を添えてOpenPilotによるハンドル操作を手で感じとりながら、リラックスして状況を監視していればいい…というのはやはりとても楽です。特に 渋滞気味の高速道路で前車追従していくのは運転の気疲れが8割減 という感覚があります。

    いっぽうで、運転終了・下車時にはEON DevKitを車から取り外していく必要があり(夏の車内の高温環境に耐えるデバイスではないほか、常時通電されているのでバッテリーが上がってしまう)乗車時の装着など若干不便です。また、EON DevKitが接続/起動されていない状態で車のイグニッションをONにすると大量のエラーメッセージが出る(車にもともと装着されているクルーズントロールまわりのECUのメッセージをOpenPilotが模倣して応答するため、起動し接続されていないとその部分がすべてエラーとなる)ので装着するまでエンジンをかけられない、ということもあります。このあたり日常の運用に一手間かかるのが気になる人は気になるかもしれません。


    自動運転のミライ

    (※写真は駐車中に撮影したものです)

    煽り運転が話題の昨今ですが、車を運転していて「イライラする」のは、車の運転するにあたり「こう動きたい」という自分のペース、自分の意思があるにもかかわらず、その思い通りにいかない、という「自分の意思が実現しない、意思と現実のギャップ」に起因するのではないでしょうか。
    これが、自動運転で「車に運転を任せている」と、そもそも自分が運転の意思をもたない(こう走りたい、という意識をしない)ために「意思と現実のギャップ」が発生しません。要するに、まったくイライラすることがありません。

    よほど時間がなく焦っているときは別として、タクシーやバスに乗っているときにいちいち「この車じゃまや!!どけ!!」なんて思うかどうかという話で、車に運転を委ねるというのは実際に体験してみると思った以上に「感覚として楽」になります。これは、逆に言うといかに今まで単調なドライブに対してストレスを感じていたか、ということでもあります。
    今後は「車を運転する」という行為が、より本質として「移動する」と「運転を楽しむ」に分解され、それぞれが技術によって最適化されていく…という未来が感じられます。よく「自動運転なんて要らない!運転する楽しさがいいんだ!」と言われたりしますが、楽しい運転と特に楽しくない運転があると思うんですよね。すべてを人間が運転「しなければならない」というわけではないはずです。

    で、そのとき…
    オープンソースのOpenPilotによる「“移動”を最適化する」こと自体を「楽しむ」なんて新時代の楽しみ方ができてくるのかもしれません。さすがにその楽しみ方は一般化はしないでしょうけれども!



    ※最後に再度注意※

    EON DevKit/EOS/OpenPilotは、非常に大きな危険性もはらむシステムです。かならず自己責任で、すべてを理解した上で取り扱う必要があります。本blog記事でそこそここまかくは書きましたが、肝心なポイント(インストール手順やこまかい使用方法など)はあえてステップ・バイ・ステップで誰にでもわかる…ようには 書いていません 。こういう存在があって、どういうものなのか、ということを紹介するべく記事を書きましたが、これを 推奨し誰でも使えるようにという意図はまったくありません 。より詳細な情報が必要な人は、かならず、本家サイトの英語ドキュメントをしっかりご自分で読んで、ご自分で使い方を理解し、ご自分でリスクとメリットを判断し、ご自分の判断で、ご自分で取り扱ってください。 人に「使い方」を尋ねなければ使えない人はそもそも触るべきではありません し、 もし何かあっても誰も責任はとってくれません




  4. 新車の価格が730万円の車、というとわりと立派に「高級車」と呼ばれるレンジの価格帯なわけですが、そんな高級車の現行モデル正規新車(しかもトヨタ車)が正規ディーラーにて60万円で買えてしまうのでハックして遊ぶとすごく楽しい、という話をします(タイトルはizmさんのblogにあやかりました)



    730万円の高級車


    この話の主役は、トヨタ「MIRAI」という車。メーカー希望小売価格(消費税込み)7,274,880円
    …と車名を出したところで(詳しい人はそれ以前に写真を見た段階で)「あぁ~…」というなんともいえない声が出るかもしれませんが、そういう人は次の項目まで飛ばしていただいて構いません(笑)


    この「MIRAI」。2014年末から販売されているモデルで、2018年に一度マイナーチェンジがされています。そろそろフルモデルチェンジがされるのではないか?と噂されてはおりますが、まだ現役モデルの車種。
    全長4,890mm・全幅1,815mm・全高1,535mm。少し大柄のボディにパワートレインは最高出力154psと若干控えめな数値と思いきや、最大トルクは34.2kgf-mとかなり太くパワフルな加速をすることができます…って、そう。このぶっといトルクの正体はレシプロエンジンではなく 電気モーター
    MIRAIは電気モーターで走る車であり、さらにはその電源はバッテリーではなく 燃料電池 。トヨタ「MIRAI」は、水素を使って電気を発生させ、その電気で走る 世界でも珍しい量産水素燃料電池車 なのであります。


    というわけで、そもそも変わった機構の特殊な車。数が出るわけでもないしもともと燃料電池の機構がコスト高なこともあってお値段がそれなりに(730万円)してしまうわけです。
    が、ここは天下のトヨタ。「高い機構が入っているのでお高いのです」では片付けず、それなりに内装などもお値段相当に仕上げており、内外装ともに安っぽさはありません


    シートは合成皮革ですが、しっとりとした落ち着いた質感です。各席シートヒーターが内蔵されており冬場はすばやく体を暖めることができます。
    ドリンクホルダーなどの装備の快適さはさすがのトヨタ車。こまかいところではQi対応の充電器も標準搭載されています。

    730万円の高級車が安く買えるカラクリ


    で、なんでそんな高級車が60万円で買えるのか。
    この「MIRAI」。先述の通り水素燃料電池車であり、エネルギー源は圧縮水素であり、走るためにはガソリンを入れるでもなく、自宅や充電設備で充電するでもなく、 水素ステーションで給水素する 必要があります。
    水素ステーション???そんなのどこにあるの???という人が大多数でしょう。2019年8月の時点で、日本全国で水素ステーションは約100箇所しかありません(ガソリンスタンドは約29000箇所)
    しかもこの水素ステーション、平日昼間しかやってなかったり、さらには移動式といって複数箇所を巡業するため「週に」数時間しか営業しないなんて箇所もあります。完全に、お役所の啓蒙用車両かお付き合いの営業車両かでしか使われない想定といいますか…。
    と、まあ普通に考えたら とても不便 な車なわけですが、国としては戦略的に「水素エネルギー」というものを(その善し悪しは別として)推していきたい事情があるわけです。
    卵が先か鶏が先か。水素ステーションが増えないと不便で水素燃料電池車なんか買えないし、水素燃料電池車が増えないと水素ステーションなんて作っても無駄だし。


    そう。この鶏・卵の膠着状態をなんとかするために。さつたb…補助金が、出ます。びっくりするくらい。
    さらに。国などの補助金だけに頼らずに、トヨタ自身も、かなり有利な条件を出してくれるのです。びっくりするくらい。


    元値730万円の新車が60万円で買える


    ポイントその1: 4年の残価設定型ローン


    「残価設定ローン」という仕組みがあります。車の費用全額を支払うのではなく、一定割合の「残価」を残して一部だけローンを支払い、ローン最終回に車を返す(売却する)ことで設定した残価ぶんの返済とみなす、というもの。
    一定期間で車を返さなければいけない(または最後に残価を支払わなければいけない)かわりに月々のローン支払い額を下げることができる、という制度です。
    で、MIRAI。MIRAIで4年間の残価設定ローンを指定すると 4年後の残価が50% という設定になります。普通「高残価」と言われる車でも 3年で 50%くらいなので、4年で50%はかなり思い切った設定。しかも、多少こすったくらいは大丈夫(下取り時の査定点数がかなり甘い)という親切設定。
    つまり(4年後に車を返すという前提ですが)この「4年の残価設定型ローン」を選択することで

    7,274,880円のうち
    3,637,440円
    支払えばよいというわけです。

    ポイントその2: 国と東京都の補助金

    先にちょっと書いたとおり、鶏・卵の膠着状態をなんとかするために国と東京都(などの自治体)が 水素燃料電池車の購入に対して補助金を出しています


    CEV補助金(国の補助金) 2,020,000円
    東京都の補助金 1,010,000円
    計 3,030,000円
    なんと、補助金で 約300万円もらえます 。桁間違いじゃないですよ!「300万円」です。


    3,637,440円 - 3,030,000円 = 607,440円
    おどろきですね!
    なお、「国」「東京都」だけでなく、自治体によってはさらに「区」のレベルまで補助金が重ねがけできたりします!
    (例:葛飾区 250,000円)自分の区は、去年まであった補助金制度(※50万円)が今年度なくなってしまいました…アテにしていたのですが…(これが残っていたら「元値730万円の新車が10万円で買える」というインパクトだったのですが…)

    ポイントその3: 各種税金優遇


    なお、そのほかにも自治体によってはいろいろと優遇があります。
    東京都の場合、自動車税全額免除(5年間) 、自動車取得税全額免除など。毎年4万円ほどの自動車税がゼロになるのはありがたい。
    ほかにも、地味なところでは東京都が運営する駐車場の割引なんでのもあったりします。

    注意点

    60万で買える…といいつつ、ほかに金利(※残価設定分にも金利がかかるので注意)やナビなどのオプション価格、納車関連諸費用などかかるのでもう少し出費はあります。
    いっぽう、ディーラーによっては多少の値引きも引き出せると思いますのでいいかんじの落とし所を狙いましょう。また、補助金が出るのはいったん支払った後です。頭金なり資金繰りは必要です。

    で、このテクニックが昨年広まった結果、実は最近MIRAIはけっこう人気がありいまのところ注文から納車までは半年くらいかかるみたいです。各種補助金は 該当年度の予算が尽きると終了 なので、今から注文すると納車のころには年度予算がなくなっている可能性があります(笑)
    その場合は納車のタイミングを調整したり、来年度(4月)予算の補助金申請をするなどの対応が必要になります。


    実際に買ってみてどうか


    乗り心地はかなりいいです。EV乗ったことがある人はよくわかると思いますが、エンジンがないのでとてつもなく静かで、太いトルクによる力強い加速(テスラみたいな暴力的な加速ではないですが…)。車としてはとてもよくできています。長距離乗っても疲れません。
    ナビなどの装備や運転補助などの先進安全装備はちょっと古さは感じますが、これは後述のとおり「ハックして遊ぶ」材料として見るならあまり気にしないところ。
    ただ、ナビについているT-Connectのオペレーターサービスはなかなか面白いです。ボタンぽちーで車内蔵の通信モジュールによりハンズフリーの通話がつながり、オペレーター(生身の人間)にお願いすると遠隔でナビの目的地設定をしてくれたりします。ちょっとセレブな気分になれる。


    水素ステーションでの給水素コストは、普通のガソリン車並 。ハイブリッド車と比べるとハイブリッド車のほうが安上がり。EVと比べるとEVの圧勝。ランニングコストの安さはあまり期待しないほうがいいです。ただ私は前車がRX-8でハイオクもりもり消費していたのでそれと比べるとだいぶ安いですが。


    水素ステーションは思いのほか増えています。私の自宅近くはものすごい過密状態で、いくらなんでもそんなに作らんでもいいだろ、というくらい作っています。自分の使い方(主に自宅周辺、遠出するのはほぼ健康保険の保養所)だとほぼ困らないという感じ。該当記事にある湯沢の保養所だけ航続距離的に微妙かつ経路に水素ステーションがなくてつらかったのですが、今年度高崎市にできるようです。


    「水素エネルギー」とよく言われますが、水素自体は水素そのままの状態で採掘できるわけではなく、なんらか別の状態からエネルギーを投入して生成する必要がある、エネルギートランスポート媒体です。そして、たんなる送電線による電力伝送などと比較するとどうしても「水素」の筋の悪さみたいなものはどうしてもあります。
    が、個人が国がつくろうとしている流れにのっかって楽しむぶんにはとても面白いというか、特にマンション住まい、かつ、マンション駐車場に充電設備がない、かつ、EVの乗り味を楽しみたい、みたいな場合はそれなりにおもしろい落とし所かなとも感じます。


    ハック!ハック!ハック!



    と、「買う」ところまでで話がずいぶん長くなってしまったのですが…
    「車は、ハック可能」 です!
    comma.aiが作っている「車に後付けで自動運転機能を追加する、オープンソースのシステム(OpenPilot/EOS)」というものがあります。
    車のあらゆるセンサはCAN(Contoller Area Network)というネットワークで車内接続されており、CANをハイジャックすることで車のあらゆる情報を取得できる(たとえば「車速」ひとつにしても、 四輪のタイヤすべて独立していまどのタイヤがどういう回転をしているか、まで わかります)だけでなく、 ステアリングにトルクを与えて回したい方向に回す こともできるのです。
    comma.ai のOpenPilotはトヨタ車にはかなり広く対応していますが、MIRAIには対応していなかったので自分で対応作業を行ったのですが、車のハックはかなりたのしい!です。
    この「車ハックすごくたのしい」という話はまた別記事でまとめたいとおもいます。


  5. 本件、6/19 17:00ころ復帰していることを確認しました。詳細は記事最後の追記を参照してください


    「株式会社ウィルレイズから不動産の営業電話があった」というタイトルの、

    • 不動産投資の無差別営業電話があった
    • とても迷惑だと感じた
    • 個人情報保護法の問題があるのではないか
    • 宅建業法でも規制があるのでこちらから対応する方法もある
    ということをただ淡々とテキストで書いたブログ記事(画像はいらすとやさんから1枚利用。本記事公開時点ではリンク切れ。6月19日復帰)にDMCA違反の申し立て(DMCA Takedown Notice)があり取り下げられました

    DMCA Takedown Noticeとは、著作権侵害コンテンツをインターネット上から排除するためにつくられた仕組みで、著作権侵害である旨の申告を受け付けるとまず削除する(異議はそのあと受け付ける)という制度です(くわしくはWikipediaのデジタルミレニアム著作権法参照)。
    また、今回の事例とは直接関係なく一般論として言いますが、このDMCA Takedown Noticeの制度を悪用し自社に都合の悪い記事をインターネットから削除するためにつかうという輩がいるということが問題になっています。(くわしくはDMCA悪用はなぜ問題なのかや、「DMCA 悪用」で検索し参照ください)

    さて
    では、私が書いた「株式会社ウィルレイズから不動産の営業電話があった」という記事はどのような理由でDMCA Takedown Noticeに至ったのかを調べて対応してみることにしましょう。


    該当の記事に対してどのような申し立てがあったのか、は、Lumenというサイトで確認することができます。

    該当の記事URLに対しての申し立て一覧を見てみると、去年の12月にDefamation(名誉毀損)で2回申し立てがあり、この申し立て関しては特になにごともなかったのですが、その後(なぜか)著作権侵害についての申し立てが行われていることがわかります。

    あ、繰り返しになるのですが、今回の事例とは直接関係なく一般論として、DMCA Takedown Noticeの制度を悪用自社に都合の悪い記事をインターネットから削除するためにつかうという輩がいるということが昨今問題になっています

    いやいや、私がブログ記事として著作権侵害コンテンツを公開してしまっていたのならそれは大変申し訳ないので、これは対応しなければいけませんね。
    具体的な申告内容は、同じくこのLumenで確認できます。

    個人の方からの申し立てで、下記のURLで閲覧できる、一般市民の携帯電話を覗く警察官のイラストが当該サイトに無断で引用されている」と、いらすとやさんの画像をアイキャッチに使っていることが著作権侵害であり取り下げる必要がある、という旨の申告のようです。(さらに詳しいURLはLumenにメールアドレスを登録することで確認することができます)


    いやーーーー、こちらの個人の方、ちょっとした勘違いがあるようですね!あなたはご存じなかったのかもしれませんが、いらすとやさんの画像は商用非商用問わず無料で利用できるんですよ。公序良俗に反する利用はできないですが、そうではないと思うんですよねー。


    三度目の繰り返しになるのですが、今回の事例とは直接関係なく一般論として、DMCA Takedown Noticeの制度を悪用自社に都合の悪い記事をインターネットから削除するためにつかうという輩がいるということが昨今問題になっています

    さて、ちょっとした勘違い、行き違いがあるようなのでこのDMCA申告に異議を申し立てみたいと思います。
    Google(blogger)のDMCAポリシーについてはここに記載があります。この中から「異議申立通知」のBlogger…をクリックするのですが…

    なぜか「異議申し立て」ではなく「コンテンツを削除する」フォームになってしまいます。
    いろいろ眺めて見た結果、ウェブ検索の対しての異議申し立てを選ぶと「法的な申し立てにより削除された自分のサイトのページについて、復帰させることを希望している」という選択肢が出てくるので、これを使ってみようと思います。

    あとは淡々と異議申し立て通知フォームを埋めていきます。

    「コンテンツの復元をリクエストする理由」には「対象コンテンツの所有者ではありませんが、その使用を許可されています」
    「リクエストが正当である理由を詳しくご説明ください」には
    該当のDMCA Takedown Noticeは
    https://www.lumendatabase.org/notices/18664580
    こちらです。

    本件で指摘されている「一般市民の携帯電話を覗く警察官のイラスト」は、いらすとやご利用規程
    https://www.irasutoya.com/p/terms.html
    に「個人、法人、商用、非商用問わず無料でご利用頂けます」とあるとおり利用が広く許諾されている画像でありこの記事での使用を許可されています。

    と書いてみました。そして送信!

    いやー、ちょっとした勘違いだと思うのですが、いらすとやさんの画像をアイキャッチに1枚使ったことで著作権侵害の申し立てを受けるとは、株式会社ウィルレイズさんについて書いた記事を取り下げられるとは思いませんでした。異議を申し立ててみたので、勘違いが是正されるとよいのですが…!

    本件、いらすとやさんの画像を自分が描いたイラストに差し替えて再公開というのでもよかったのですが、今回の事例とは直接関係なく一般論として、DMCA Takedown Noticeの制度を悪用自社に都合の悪い記事をインターネットから削除するためにつかうという輩がいるということが昨今問題になっていますので、DMCA Takedown Noticeに対する異議申し立てというのをいちどやってみたいなと思ったのでした。

    いやー、世の中何があるかわかりませんね。

    2019/06/18 19:30追記

    Googleから第一陣の返答が来ました。思ったより早かった
    Hello,

    Thanks for reaching out to us.
    We're working to respond in your language, but we're currently best able to answer in English. We apologize for this inconvenience.

    As described in 17 U.S.C. 512(g), we will forward the counter notification to the complainant. If we do not receive notice from the complainant that they have brought an action in the district court within 14 days, we will reinstate the material in question on Blogger. We appreciate your patience in this process.

    Regards,
    The Google Team

    簡単に訳してみると
    私たちはあなたの言語で回答するよう努力していますが、現在は英語で回答するのが一番です。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

    17U.S.C.第512条 (g) に記述されているように、我々は苦情申立人に異議通知を転送します。申立人から14日以内に地方裁判所に提訴した旨の通知がない場合は、Blogger上で問題となっている素材を復活させます。ご辛抱いただきありがとうございます。
    こんな感じでしょうか。まさかこの内容で裁判所に提訴はされないと思いますのであと2週間の辛抱かな…?
    (しかしこうして反論することで自分の個人情報が相手に渡るのはやはり知っていてももやっとするところはありますね)

    2019/06/19 18:00追記

    その後特にメールなどでのレスポンスはないのですが、17時ころふと検索してみたら検索結果ならびにブログ記事が復活していました。
    bloggerでの非公開状態も元に戻っており、編集画面での警告(このブログ記事冒頭のスクリーンショット)も無くなっています。
    DMCA違反状態のフラグが完全に消えたと思われます。

    本来は↑にも書いたとおり「DMCA通告→Takedown→異議申し立て→申し立て転送→(2週間以内に提訴?)→提訴がなければ復活」が正しいフローのはずなんですが、ここまで早く元に戻った…ということは異議申し立ての段階で人の目のチェックが入ったのかな?
    なんにせよ、本件ブログ記事の取り下げ、という単体の事象自体は解決しました。



    どうしよ😅(公開質問状までは用意してあった)


    今回の話とは直接関係ありませんが、不動産投資営業について、こちらの本おもしろかったのでおすすめです


  6. 今日、造血幹細胞、のりで大量培養 高価な培養液以上、専門家びっくり 東大など、マウスで成功というニュースが日本をかけめぐりました(めぐっています)。いままで高価な培養液でもなかなか増やすことができなかった造血幹細胞を、なんと市販の「アラビックヤマト」で大量に増やすことができた、白血病などの血液疾患に画期的な治療法となりえる可能性がある…というもの。これ自体は本当に素晴らしいニュースで、先々がとても楽しみでありつつ、もうひとつ個人的にすごく感心したところがありましたのでメモ書きを残しておこうと思います。



    なぜアラビックヤマトで培養を試そうと思ったんだwww

    「なぜアラビックヤマトで培養を試そうと思った」

    だれもが思うその疑問に対する答は、東京大学・日本医療研究開発機構(AMED)からのプレスリリース「液体のりで造血幹細胞の増幅に成功―細胞治療のコスト削減や次世代幹細胞治療に期待」に詳細が書いてあります。

    流れとしては、

    • なぜいままで造血幹細胞の培養がうまくいかなかったのかの原因を特定した
    • タンパク質ではなく安定的な化学物質を使うとその課題が解決できるのではないかと仮説を立てた
    • 候補の物質をいくつかためしたところPVA(ポリビニルアルコール)が非常に優秀な結果だった

    という順番です。PVA自体は非常に広く使われている安価な物質で、ニュースリリースにもあるとおり 「医薬品製造グレードの製品」も容易に入手できる ものです。
    ここからは、 別にやけくそになって手元のアラビックヤマトを使ったわけではないということが読み取れます。

    え、じゃあアラビックヤマトってどこから出てきたの?

    プレスリリースには表題に「液体のりで」とは書いてあるが、本文では「液体のりの 主成分であるPVAを用いる ことで」とあるとおり、ここで重要なのは「PVA」であって「液体のり」ではありません。別にこれからアラビックヤマトの需要が高まる…わけではないのです。

    では、どこからアラビックヤマトが出てきたのか?朝日新聞が適当にかっとばしたのか?…というと、これもよく見るとそうではないことがわかります。

    朝日新聞の記事には
    「山崎さんは実際、コンビニの液体のりでも培養できることを確認した」 とあります。
    また共著者などからもコメントを取っており、ここからは

    • 朝日新聞はプレスリリースが出る前に事前取材をしている
    • コンビニの液体のりでも培養できることを「確認した」
    • アラビックヤマトの写真は研究者から提供された可能性が高い

    ことがわかります。
    つまり、実際に「アラビックヤマトで実験し」「成功した」のです

    「コンビニの液体のりでも培養できることを確認した」

    これが、私が 地味に凄いな と感じたポイント。
    実験の進み方をイメージすると、この「コンビニの液体のりでも培養できることを確認した」というのは 完全に蛇足 でしかないのです。普通に実験は実験用のPVAで進めたであろうし、PVAでとてもよい結果が出ればそれで研究の成果としては完全です。実用化をめざす研究を続けるにしろ、PVAはPVAで充分に安価であることは広く知られており、今後実験で市販の液体のりをつかわなければいけない理由なんてない。 市販の液体のりで培養できるかどうかを確認する必要なんてこれっぽっちもない のです。
    でも、そこをあえて、 「コンビニの液体のりでも培養できることを確認した」

    この一手間と、日常的にどこでも見かける、ふつうの「アラビックヤマト」の写真。これがあることで、みんなが話題にする、ものすごくインパクトを産んでいる。しかも、科学的に誠実な範囲で(実験で実際に確認したわけですから)。蛇足なんだけれども、ものすごい効果があった。

    すごい成果は、すごいことを伝えないと、伝わらない

    これが「安価なPVAを使って造血細胞を培養できることを発見した」というニュースなら、急速にバズることはなかったと思います。もちろん、それでも研究成果としては完璧だし、業績になると思います。
    しかし、そこをあえて

    • コンビニで市販のりを買ってきて研究的には余分と思われる追実験を一手間かけて実施し
    • 市販ののりでもできる!という結果を出しておき
    • その情報とセットで新聞にあらかじめ売り込み、プレスリリースと同時に記事が出るように事前取材を仕込む(これはわりとよく行われます)

    という広報を行ったわけです。この「研究としては特に意味はないけど、科学的に正しく・かつキャッチーな要素を付け加える実験をした」。これ、簡単なようで、ちゃんとやっておくのはすごいです。

    すごい成果を、わかりやすく、すごいということを広く伝える。

    元の研究自体のすごさ、面白さはもちろんなのですが、
    この「伝える」ところにちゃんと工夫をしたひとにも、すごいね、って言っておきたくメモとして残す次第でした。

  7. enter image description here
    おいしいコーヒーを飲みたいがめんどくさいことはいやだ、という人にとてもおすすめのエスプレッソシステム「ネスプレッソ」。コーヒーがアルミの小さなカプセルに収められており、カプセルをぽいっと機械に入れると自動的においしいコーヒーを抽出してくれるとてもすごいやつ。これ、何がいいって 清掃などの日々のメンテナンスも凄まじく簡単にできる ようになっていて、毎日使うのに本当に手間がないというところだと思います。自分本当にめんどくさがりなんですが、これだけはちゃんと使い続けていられています。

    ところがこのネスプレッソ、使うのは楽なのだが コーヒーカプセルがけっこうお高い 。ネスプレッソ純正のものはだいたい1カプセル80円~90円くらいします。いや、とてもおいしいしいろんなバリエーションがあって楽しいんです。だけど、毎日ぽいぽい飲むのには…ちょっと…お大尽感が…。

    そんなわけで、プリンタのインクよろしく気にかかるのが 「互換カプセル」 の類。そう、ネスプレッソシステムは市場としても広がりを見せており、ふと見回すと「ネスプレッソ互換カプセル」はけっこういろいろあったりします。
    で、ともかく「毎日使い続けるのがとてもかんたん」という方向に振り切ったネスプレッソですから、カプセルの入手もAmazonぽちーで買えるといいよね、というわけで「Amazonで買えるネスプレッソ互換カプセル」で、「これが安い!」というものを紹介します。
    って、わざわざblog記事にしようと思った理由がちゃんとあって、同じブランドの同じコーヒーでも、 Amazonでの買い方ひとつで値段が倍近く違う んです。ちゃんと安いやつ選ぶと劇的にランニングコストが変わるのでチェックしましょう、というお話。


    話をあんまり引っ張ってもしかたないので結論から書きます。
    ルンゴ4箱セット
    2019年5月12日現在、
    のが コストパフォーマンス高い です。これも結論を先に書きますが、これだと カプセル単価28円~33円ほどと、純正カプセル単価の3分の1程度になります 。味・香りも(自分の貧乏舌では)充分です。


    以下詳細。

    ネスプレッソ互換カプセルも、世の中にけっこういろんな種類があります。たとえばコストコではスターバックスによる互換カプセルも売っていたりするそうです。
    で、いろんな互換カプセルがあり値段もさまざまでとてもわかりにくい(箱あたりの封入数や箱数がばらばらなので比較しにくい)のですが、カプセル単価にならしてみると互換カプセルの相場は50円~65円/カプセルであることがわかります。純正カプセルが先述のとおり80円~90円/カプセルなので、 3割ほど安い イメージです。

    今回紹介した「Cafe Royal」も同ブランドでいろいろな種類の互換カプセルを販売しており、だいたい相場は60円/カプセル程度なのですが、なぜか先述の「33カプセル入り」「4箱セット」で、「Cafe Royal公式・正規輸入販売元が販売しているもの」だけ 極端に 安いのです。「3箱セット」もAmazonにあるのですが(※ほかの販売店扱い) なんと4箱セットより3箱セットのほうが高い (笑)

    3箱セット
    4箱セット
    見ての通り私はどちらも買ったのでわかるのですが、モノとしては同じです。4箱セットでこの価格だと、132カプセル・4400円。33.3円/カプセル。(なお3箱セットだと60.6円/カプセルなので互換カプセルとしては普通の単価)これくらいまで下がるとだいぶ気軽に飲める感覚がありますね!「Cafe Royal」とか 「ネスプレッソ互換」とかでAmazonを検索してもなかなかこの「4箱セット」の存在が見えなかったりする ので注意してください。

    訳あり品
    また、よく探すと「賞味期限が近いもの」のセールがあったりします。これだと普段飲まないようなコーヒーもお手軽に飲めます。賞味期限が近いといっても現時点で 2019年8月末とか9月末で3~4ヶ月ほどあるので、日々の消費で充分飲みきれます 。検索結果ではいっけん単価が安いようには見えませんが、「50%オフクーポン」を適用することができ、 表示価格の半額 になります。 カプセル単価で28円~31円 くらい。
    クーポン
    この「賞味期限が近い訳ありカプセル」は、Amazonの商品詳細ページで「50%オフクーポン」の表示がありますので 忘れずにこの「クーポン」部分をクリックしてください。すると、決済画面でクーポンが適用になり半額で購入できます
    クーポン適用
    クーポン適用2
    まとめ
    1カプセル30円程度になると、本当にだいぶ気軽に飲める感覚です。ぜひみなさんもお手軽&快適コーヒーライフを!


  8. キーボード百花繚乱
    みなさんどんなキーボードを使っていますか?

    キーボードは人間とPCを繋ぐとてもとても重要なデバイス。文章なりプログラムコードなり、「自分が頭に考えたことをコンピュータにインプットする」というその特性上、ここのストレスを低減することは作業効率に直結します。
    脳裏の物事をコンピュータにインプットする、その時点でのフリクション(摩擦)は思考の流れを直撃で阻害してしまいます。つまり思考の流れを止めないためにも、キーボードにこだわりを持つというのはとても重要なのです。よいキーボード、手に馴染んだキーボードは、その点入力に意識を持って行かれることがない。本当に馴染みハマると、思考の流れがそのままコンピュータにだだ漏れていく感覚が得られる。これは本当に気持ちが良い!

    そんなわけでこの快感を求めて一部界隈では「自作キーボード」なども流行ってきているわけですが、自作までしなくともキーボードの選択肢は最近本当に増えました。
    ここで最近私が試して、「これはいい!!!」と思ったキーボードを2つほど紹介したいと思います。



    NiZ ATOM 66 静電容量無接点方式キーボード

    NiZ ATOM 66
    高級キーボードといえばHappy Hacking KeyboardかRealforceが代名詞…みたいなところがありますが、Realforceの「静電容量無接点方式」と同じ機構を採用している、中国製のキーボード「NiZ」。自分の周囲を見回してみても、じわじわ人気が広がっています。

    enter image description here
    66キー84キーのサイズバリエーション、ゲーミングキーボードっぽくRGB LEDが仕込まれているもの省略されているもの、USB接続のものBluetooth接続対応のものなど組み合わせで複数のモデルがあります。

    10年以上会社用・自宅用ともにRealforce 91UBKを使っていたのですが、私はNiZキーボードに出会ったことでついにメインのキーボードを完全に乗り換えました。すげえ良いです。

    コンパクト、でもキーを削りすぎていない

    上からMajestouch MINILA Air, NiZ ATOM 66, Vortex Core
    フレームレスとまでは言えないものの、フレームサイズはかなり小さくフットプリントはとてもコンパクトにまとまっています。
    自分が選んだのはATOM 66という66キーモデルですが、いわゆる60%キーボードというこのカテゴリの中でもキーの数を削りすぎずカーソルキーなども残しており、非常に使い勝手が良いです。小さいので、キーボードケースに入れて毎日持ち歩きモバイルキーボードとしても活用しています。

    キータッチがエレガント

    交換用キーキャップ付属
    静電容量無接点方式ならではの、するっと柔らかに入力できるとても気持ちよいキータッチ。いわゆるメカニカルのタッチを期待すると少し違いますが、Realforceが気に入っている人はNiZのタッチにも馴染めると思います。
    キー入力荷重は35gですが、別途 荷重を10g追加できるスプリングが付属 しており、自分の好きなキーを自由に荷重45gへカスタマイズすることもできます。また、キー入力がされる押し込み量の変更も可能。バックスペースキーを大きくしたい人むけに2キーをまとめてバックスペースにするための交換キーキャップも付属しています。「キータッチが好みでなかったら自分でカスタマイズしろ」というすごい仕様。

    カスタマイズの幅が非常に大きい

    キーキャップカスタマイズ
    キーの重さ、キー入力される押し込み量の調整が可能なことは先に挙げましたが、それだけでなく 全キーの機能をUSBからプログラム(変更)可能 、キーキャップがいわゆる「MX」キー互換なので市販のカスタマイズ用キーキャップを使って 外観のカスタマイズも可能 と、徹底的に自分の好みのキーボードに作り替えられる仕組みになっています。

    キーキャップカスタマイズ
    よくあるCTRL/CAPSの入れ替えのようなことから、Fnキーとのコンビネーション差し替え、Fnキー自体の位置変更などなんでもござれ。 OSレイヤーで変更するのではなく、キーボード自体をカスタマイズできる のでOSや接続するPCが変わっても「いつもの」キーボードでいられるというのは強いです。

    キーキャップカスタマイズ
    あと、Fnキーコンビネーションでマウスの操作も可能です。 W/A/S/Dでマウスカーソルを動かす、なんてこともできるのでちょっとしたマウス操作も手を動かす必要がなかったりします(操作しやすいわけではないですが)

    Bluetooth対応!

    Bluetooth接続の夢
    Bluetooth対応モデルが存在し、単体でBluetooth接続ができます。Bluetooth接続モデルではそこそこ大きなバッテリーを積んでおり、体感では一度充電するとほぼ毎日使って1ヶ月くらい使える…という夢を見ました
    また、Bluetoothはマルチペアリングに対応しており3箇所までデバイスを記憶して、Fnキー+8/9/0で瞬時に接続先を切り替えることが可能です。メインPC/タブレット/スマホのようにペアリングしておき、ささっと切替えながら使うことも可能です。という夢を見ました。

    無線に関しては、なんというか、そういう なのであんまり深いことは突っ込まずにいていただけると…

    そして安い

    ATOM 66/RGB LEDなし/Bluetoothモデルで14999円です。USB接続の84キーなら11999円!この内容ではたいへんお買い得だと思います。






    anidees Prismatic Gaming Mechanical Keyboard

    anidees Prismatic Gaming Mechanical Keyboard
    静電容量無接点方式のキーボードもいいが、俺は!カチカチ言う!メカニカルが!!!好きなんだ!!!! という人に。そんな人にお勧めの(そしてあまり知られていない)キーボードがこちら、anidees Prismatic Gaming Mechanical Keyboard
    メカニカルキーボードの世界ではよく「青軸」「赤軸」などとキースイッチの軸色でキータッチの質を表現しますが、これで言う「青軸」…つまり、カチカチとクリック感のあるキーの「薄型」を採用したキーボードです。

    薄型キーボード
    「薄型」メカニカルキーボードというのにピンとこない人もいるかと思います。実はメカニカルキーボードといえばこれ、という「Cherry MX」にも「Low Profile」という薄型モデルがありますし、ほかにKailhという会社の薄型キースイッチも含め「薄型のメカニカルキー」というものが存在します。ストロークこそ通常のキーよりも若干浅いものの、クリック感含めて通常のキーと遜色ないタイプ感を(物理的にかなり薄くしつつ)実現することができるのです。

    そんな薄型メカニカルキーを採用した、コンパクトで、薄くて、メカニカルで、ワイヤレスなキーボード!が、このAnidees Prismatic Gaming Mechanical Keyboardというわけ。

    ともかくコンパクト

    コンパクトなメカニカルキーボード
    薄い!!
    このキーボードのいいところは、 ともかくコンパクト なところ。フレームレスで本体のフットプリントは最小限、そしてなんといっても薄い。薄い!鞄に放り込んでキーボードを持ち歩く時など、この薄さはとても魅力です。
    またいわゆるファンクションキーがない60%キーボードと呼ばれるカテゴリですが、キー配列は素直なもので、カスタマイズこそできないものの通常使用には特に戸惑うところはないはず。

    キーキャップをカスタマイズするべし

    キーキャップカスタマイズ
    キーキャップカスタマイズ
    キーキャップカスタマイズ
    キーキャップは表面がフラットなものが採用されており指のひっかかりがないのですが、このキーボードはKailhの薄型キーを採用しているため遊舎工房などで販売されているKailhロープロファイルキーキャップを使ってカスタマイズが可能です。

    交換キーキャップはわずかにくぼみがある
    元のキーキャップは完全にフラットで、かつツルツルしているのですが交換したものはわずかにくぼみが作ってあり、キーキャップを差し替えるだけでもけっこうタイプ感がかわります。

    キーセット
    セットになっているキーキャップで埋まるキーはこのとおり。ほかはサイズ違いなどの理由でそのままではあてはまらないので、刻印を無視して他のキーを使うか、無刻印キーキャップを別途追加で買うか、そのまま気にせず使うか(スペースバーはそうせざるを得ない)お好みで。


    キータッチが青軸のそれ!

    押し込み量
    そしてなんといってもキータッチが「青軸」のそれ。ただ薄いキーボードが欲しければパンタグラフ式(ノートパソコンのキーボード)を使えばよいのですが、このキーボードは「薄いのにメカニカル」なのが面白いところ。
    メカニカルキーボードがいい!けど、携帯もしたい!というヘンタ…趣味人は一度検討してみるのもいいと思います

    Bluetooth対応!

    そしてそしてこのキーボード、これまたBluetooth対応です。しかもマルチペアリング対応。3箇所までデバイスを記録しておきFnキーとのコンビネーションで接続先を切り替えて使うことが可能です。
    Bluetooth接続は物理スイッチでON/OFFできるのですが、Bluetoothモードでも常時LEDが点灯したりなどしており、電池持ちはあまり期待できない(常時ONしっぱなしで常用は難しい)です。これは常設はUSB接続で、外出先ではBluetooth接続で使うのがよさそうです…という 夢を見ました

    このキーボードの買いかた

    Amazon.comで購入可能
    このAnidees Prismatic Gaming Keyboard、日本のAmazonで検索すると16000円くらいで出てくるのですが、Amazon.comだと$69.90です。 日本への送料・関税を入れても$77.22で、Amazonでポチっとするだけで日本へ直接送ってくれます。
    私の場合はAmazon.comで一番安い送料を選び、注文してから10日で到着しました。注文手順は日本のAmazonとまったく同じなので、ポチってみる際は日本のAmazonよりはAmazon.comを使うとよいと思います。

    カスタマイズ例
    先にも書きましたがそのままだとキータッチはともかく キーキャップがフラットで指の引っかかりがない ので、キーキャップ入れ替えなどのカスタマイズをしてみるのがオススメです。キーキャップはまだMXスイッチと違って「キーキャップのみで買えるもの」の選択肢がほぼないのですが、先の遊舎工房のほかおなじものがAliexpressなどでも見つかります





    まとめ

    さまざまなキーボードたち
    キーボードの好みは人それぞれ。それが行き着くところまで行くと冒頭にも触れた「自作キーボード」という沼に沈んでいくのだと思いますが、その手前の市販キーボードの世界も本当に面白くなってきました。キーボード自体の製品ラインナップの広がりだけでなく、キーキャップなどのカスタマイズパーツも流通しておりまさに「自分専用のこだわりキーボード」を得られる世界になっています。

    ここで紹介したのは自分が買って、自分で使って、そして自分でカスタマイズして「いいな」と思ったもの。みなさんもぜひ「自分の手に馴染む、思考を阻害しない、脳とコンピュータの接続点としてのマイ・キーボード」を探ってみて下さい





  9. 究極の屋外コーディング環境
    メインの仕事環境をiPadからSurface GO LTEに入れ替えたことは以前ご報告しましたが、やはりタブレットとはいえ素のWindows端末、本当にやりたいことはだいたいのことは(パフォーマンスはともかく)こなせてしまいます。そう、普通にコードも書けてしまう。
    そしてなによりもキーボード! タブレット(Surface GO)に一体となる純正タイプカバーキーボードではなく、今回は独立した別体のキーボード(静電容量無接点方式)と組み合わせることを選んだのですが、これが実に快適
    当初は「本体と一体となっていないとすぐ面倒くさくなっちゃうだろうなあ」と思いながら運用を始めたのですが、意外とそう面倒にも感じずけっこうどんなとこでもキーボードと本体をひょいっと持っていっています(ただトラックボール(Digio Q2)を持つのは省略することが多くなりました)。キーボード・本体の2ピースだけで完結し、タブレットを立てて置くことがSurface GO単体でできる(本体にタブレットスタンドが内蔵されている)のが思いのほか楽でいいみたいです。

    で。
    このモバイル環境が快適なことがわかってくると、その 「快適モバイル」を突き詰めたくなってくる わけで…
    気候もだいぶよくなってきましたよね??


    公園+チェア+タブレットアーム+キーボード=神
    公園+チェア+タブレットアーム+キーボード=神。

    公園+チェア+タブレットアーム+キーボード=神!
    公園+チェア+タブレットアーム+キーボード=神!

    公園+チェア+タブレットアーム+キーボード=神!!
    公園+チェア+タブレットアーム+キーボード=神!!

    公園+チェア+タブレットアーム+キーボード=神!!!
    公園+チェア+タブレットアーム+キーボード=神!!!

    …というわけで

    • タブレットが本体なのでタブレットスタンドを使って怠惰な体勢がとれる
    • しかもキーボードが別体なので、キーボードは楽な姿勢においておけばいい
      • キーボード自体も慣れたものが使えるので完全ノールックで何の不自由もない
    • バッテリーでそれなりに持つ(あんまり持ちがいいわけではないが)
    • 結果、屋外でこんなことができる

    とまあ、想像以上に快適なことが判明したという次第。
    今回ためしにやってみるためにタブレットスタンド(タブレットアーム)はこれを使いましたが、パイプに固定するタイプのアームじゃない場合は若干固定に工夫が必要なので、そのへんはご自分の椅子あわせでちょっと試行錯誤してみてください。アームもチェアも、なにかしら適した組み合わせがあるはず。
    あとはこの環境でNetflix見たりするのもサイコーですね!

    必要なのは

    • 単体で常時ネットに繋がっているSurface Go LTE
    • 独立した(そしてちゃんとした)キーボード
    • タブレットアーム
    • アウトドアチェア
    • よい天気の公園

    春のあいだにアウトドアを (コーディングで) 楽しもう!!

  10. 仕事も変われば立場も変わり。仕事で直接コードを書くことが減り、逆にメールやドキュメントを書いたり、図を描きながら思索を深める…みたいなことが増えました。
    過去何度か自分のモバイル環境を晒してきましたが、これまですべてメインは小型のWindows機(GPD)。図を描くためにシャープ電子ノートを併用したりもしていました。
    が、なんかこう、こうではない。俺はもっと図をがしがし書いて、大きな画面で仕事をしたいんだ。いまはどちらかというとそういう感じなんだ。

    というわけで、実は昨年夏から半年ほどiPad Pro(12.9インチ。初代LTE)を軸にした仕事環境を試していました。「なんかApple製品使ってる姿に違和感がある」「まさかあなたがApple製品を使うとは…」みたいなことを言われ続けながらも、会議の議事録やメモ、思索ツールにばりばりとiPadを使って…おおこれは便利…などと言ってはいたのですが…

    便利なところはあったが、どうしても、どうしてもこれだけは我慢ならん!
    …というところがあり、あらためてWindows環境に戻ってまいりました。ただいまゲイツ。浮気してごめんな。


    Before (iPad)

    • iPad Pro 12.9 LTE+Smart Keyboard+Apple Pencil
    • Evernoteでメモをとったり、Apple Pencilで図を書いたりRealtimeBoard (miro)でまとめたり。Slack/メールやりとりしたり
    • おおむね快適
    • 特にペンの使い勝手はよい、が、そのペンが邪魔。なんで別に持ち運ぶ必要があるの+充電しなきゃいけないの
    • LTEはとてもよい。「さあ作業しよう」と思ってから作業開始までのパスが短い(ネット接続とかそういった手間がない)ので心理的ハードルがとても下がる。LTEすばらしい。LTE接続神。
    • 単体のアプリケーションで作業が完結しているうちは非常に使いやすいのだが、複数のアプリケーションをまたいだり連携したりしようとするととたんに使い勝手が悪くなる
      • メールに添付されたZipファイルの中のExcelファイルを開いて編集したい、とか。
    • 日本語入力がおばか
    • 日本語入力が不安定
    • 物理キーボードで標準以外の日本語入力が使えない
    • 日本語入力がうんこ
    • 日本語入力がつらい
    • 日本語入力がよく止まる
    • 日本語入力が
    • 日本語
    • 日本語入力もうちょっとこれなんとかなんねえのか!!!!


    After (Surface Go LTE + Bluetoothキーボード)

    • というわけでATOKが入るWindowsに戻ることにした。LTE接続の楽さは痛感したので、標準でLTEに繋がるものを。
      • 電源ONでネットに繋がってるのはやはりとてもよい
    • 選んだのはSurface Go LTEに普通サイズのBluetoothキーボードをあわせて持ち運ぶという力業。
      • キーボードと一緒に持ち歩くのめんどくさくてすぐ飽きるだろうと予測していたのだが、意外と続いている
        • マウス(トラックボール)を持ち歩くのは飽きた
      • タッチパネル操作+キーボードというのが持ち運びや展開の手間と最終的な快適性のいい落とし所
        • キーボードショートカットは駆使する
    • Windows 10のタブレットモードは意外とかしこくて、タブレット的な画面の使い方をするとそこそこ快適
      • ソフトウェアキーボードで入力欄が思いっきり隠れるとか、もとからタッチパネル専用設計のiOS/Androidにはやはりかなわない粗はある
      • PCとして使っていればさほど気にならない
    • Surface Goは、文書入力などの軽いアプリケーションを使っているぶんにはそこそこ使える
      • ところどころでちょっともたつく時はある。パフォーマンスは「快適」というものではない。「使える」。
    • バッテリーが持たない。iPadは丸一日外で使っていて特に不安はなかったが、Surface Goは隙あらば充電しておかないと不安になる感じ
    • PCなので何でも出来る。iPadでよくあった「微妙にかゆいところに手が届かない」もどかしさみたいなものはない。ただのWindows PCなので「できなくて困る」ことはまずない。
    • Surface Penも使えるので、意外とiPad的な使い方もこなせる(iPadほど洗練されているわけではない)
      • ペンは互換品が安く買えたりする
    • フルバージョンのATOKが使える
    • フルバージョンのATOKが使える
    • フルバージョンのATOKが使える
    • フルバージョンのATOKが使える



    …というわけで、いまはキーボードもすこしいじってこんな感じの環境を持ち歩いて仕事をしています。
    この「タブレットPCとフルサイズのキーボードを持ち歩く」というのも一ヶ月ほど続いていまして、実は意外といいんじゃないか?という気がしています。
    そしてその過程でオススメ60%キーボードなどの話もだいぶたまってきましたので、このあたりの話はまた追って別記事にしたいと思います。


  11. これはVTuber tech #1 Advent Calendar 2018最終日の記事です。

    ちょうど1年前。

    1年前、2017年の年末に「バーチャルYoutuber」という概念が突如ブレイクしました。

    2016年にキズナアイが生み出した「バーチャルYoutuber」という言葉が(以後当該ジャンル全般を指しVTuberと呼びます)フォロワーを生み出し、それが2017年末に様々な要因が重なり大きなムーブメントとなり、さらに1年かけて定着していきました。2018年は「VTuberという概念」が、「社会的に」誕生した1年だと言えます。

    そんななか、私にとっても今年は激動の1年となりました。かなり以前から「リアルタイムにキャラクターを動かす」という技術については仕事で手がけてきたのですが(例:2012年8月の事例)今年はついにはこれらの技術のための会社をつくるに至りました。人生なにごともフルスイング!

    さて。

    ここでは、そのVTuberのムーブメントのおり、今年私が開発に関わってきた「VRM」において、2018年に起こったこと、そして2019年以降に起こる「これから」の話を、2018年の総決算として書いていきたいと思います。すみません、技術記事というよりもポエムです



    VRM

    image
    VRMとは「VR向けに、人型のアバター(キャラクター)を定義する、プラットフォーム横断型の3Dモデルデータフォーマット」です。人型のアバター(キャラクター)を取り扱うにあたりそれまで統一して取り扱うモデルフォーマットがなかったことから、プラットフォーム互換性を保てるファイルフォーマットをつくろう、というものです。

    このフォーマットにはいくつか特徴があるのですが、詳細はVRMのサイトまたはVRMコンソーシアムのサイトをごらんください。

    このVRM。設計理念として

    • 多種多様な(人型)3Dモデルデータをアプリケーションからなるべく透過的統一的に扱えるようにする(モデルデータごとの個別設定のようなものをなるべく必要としない)

    • 標準実装は市場の状況を踏まえUnityで開発するが、ファイルフォーマット自体は特定プラットフォームにロックインしないように気をつける(現在実装上やや怪しいところもありますが、少なくともなるべくそうあろうとする

    • いままで作られてきたモデルデータは、なるべくVRMへ載せることができるようにする(フォーマットにモデルデータの仕様をあわせるのではなく、なるべく中間層として多様なモデルに対応できるように努力する)




    といったことを指針として置きました。VRMの定義自体はなんてことはないJSONの拡張情報のように見えるのですが、そこに至る情報の選択にはそれなりに気をつけています。

    このフォーマットは2018年4月16日に一般向けにリリースしました。実際にリリースしてみると「このモデルではうまくいかない」「この形状では正しく動かない」みたいなデータが次から次へと出てきて、やはり3Dデータの道はなかなか手強いなと感じています。

    また、VRMについては、ともかく「まずは広く使ってもらってファイルフォーマットとしての地位を確保する」ことを最優先しました。理念だけ立派でも使ってもらえなければ意味がありません。カッチリ細部や将来性を見据えて複雑に作り込むよりも、まずは目の前の現実の課題に対応したものを。使う側が「どう使っていいかわからない」ようにならないよう、するべきことがわかる、絞り込まれたものを。フォーマットの定義よりなにより、使いやすい標準実装を。

    IMG_0114
    (リリース前、3月末時点での私の発言)

    こういった方針は人によっては非常に拙い、拙速に見えたと思います。が、VTuberのムーブメントが急速に盛り上がっていたこのころ、「そもそも需要があるかすらわからない」ものを作っている状況ではこれが最適解でした。幸いこれらの狙いは意図通りに進み、2018年12月「VRMコンソーシアム」立ち上げに向けた発表を行うところまでこぎつけることができ、また、Khronosグループとの連携も進められるようになりました。あらためて、使っていただいた、支持していただいたみなさんに御礼申し上げます。ありがとうございます!

    新規のファイルフォーマットをアプリケーション皆無の状態から立ち上げここまで8ヶ月。この期間にしてはなかなか良い線行っているのではないかと思います。今後はもう少し「ちゃんと」進めていけるように後追いでもろもろ整備していくことになります。

    VRMの今後

    image
    前述のとおり、2019年2月に「VRMコンソーシアム」が立ち上がります。これはフォーマット自体をコンソーシアムで独占しようとか、フォーマットをクローズドにしていこうというわけではなく、フォーマットを基盤として「アバタービジネス」を考えていく上で何が必要かを議論していく場です。現在参加申し込みを受け付けていますので、興味のある会社はぜひコンタクトいただければと思います。

    2019年のうちは、きたるべき「VRM1.0」に向けて細部の調整を進めていくことになると思います。海外需要向けへの調整、不足している仕様・情報の追加、ライセンス情報の再整備などやるべきことはたくさんあります。標準実装もまだまだ変だというところもありますし、別のプラットフォームへも対応を広げていかなくてはならないでしょう。(先日カシカさんからMayaからのエクスポータが発表になりました!!)

    先々はアバターの服やアクセサリーなどの要素をアバター自体と分離し独立して販売などできるといいなと思うのですが、これは技術的にもビジネス的にもどう設計したらいいかまだまったく思い至っていません(限定的なアクセサリ程度ならアタッチポイントを埋め込むなどで対応できるかもしれませんが…)。こういうのがいいんじゃないか!みたいなアイデアがあるかたはぜひ教えてください

    VR世界を横断する未来へ

    「自由にさまざまなVR世界で遊び、コミュニケーションし、冒険する」という未来を夢として思い描くとして。

    そしてそれを夢やフィクションにとどめずに実現し「自分で体験する」にはどうすればいいか?を冷徹に考えたとします。

    自分の結論は、「SAOのような広大かつ精緻なVR冒険世界、多種多様で無限に広がる空間は一企業一サービスでは(当面の間は)作れない」でした。もちろん現代のAAA級オープンワールドゲームのように莫大な資本を投下し作り込めばかなりのものができるでしょう。でも、それが見られるのははたしていつになるのだろうか?5年後?10年後?それとも…?

    どこまでもどこまでも行ける、多様なVR世界。それを「全部」一企業が作りきることはできないかもしれない。が、一「部屋」なら作れるかもしれない。

    なんでもできる、無限の可能性を持つVR世界。それを作りきることはできないかもしれないが、とても面白いVRゲームは作れるかもしれない。

    そうしたら、そういったさまざまな世界を繋ぎ、自由自在に行き来できれば。

    全部繋げたら、きっと「広大かつ多種多様なVR空間」になるのではないだろうか。

    そのためには、何が要るだろうか?まずは、基本となる自分の「体」が、複数のプラットフォームで「同一」であること。そこだと思います。VRMとVRMコンソーシアムは、その「体」を定義するために産まれました。

    VTuberのムーブメントからはじまったこの一連の流れですが、まずアバターは「タレントが現実の姿にかかわらず自分のタレント性を発揮するためのツール」として注目され、そこから「わりと普通の人がアバターを用いてコミュニケーションを楽しむ」フェーズに入りつつあります。

    Twitterで常時コミュニケーションしている人で、もはや相手の顔よりもTwitterアイコンのほうがパーソナリティをイメージしやすいという現象に覚えがあるかたも多いのではないでしょうか。つぎは、きっと、VR世界のアバターに対して同じ感覚がやってきます。

    そのとき、アプリケーションによってパーソナリティが変化することのないように、「アバター」にポータビリティを持たせることは遠からず必要になってくるでしょう。そう思いませんか?

    2018年は、こういったことが発見され、整備された1年でした。実に面白い1年でした。

    2019年は、きっと、もっと面白い年になります。


  12. ある日出社したら「本日付で解雇です」と言われ、その後最終的にニコ生のコメントで誘われそれ以来みっちりと働かせていただきましたドワンゴ。こちら2018年11月30日付で退職することとなりました。


    …と、いわゆる退職ブログのノリで書き始めてはみたものの、実は実質的には7月の時点から「ドワンゴの人」ではなくなっておりまして、事務手続きがようやくおいつき正式に(手続き的に)退職になったという話。
    入社が2011年1月1日付なので、約8年!わりと全力で走ってきたのでもうそんなになるのか!という感じがします。あっという間でした…




    7月に、ドワンゴ社とインフィニットループ社合弁でジョイントベンチャー「株式会社バーチャルキャスト」を設立いたしまして、それ以来、ドワンゴから株式会社バーチャルキャストへ100%出向という形で働いていたのですが、このたび完全に・正式にバーチャルキャストの人となりました(ドワンゴを「退職」!)

    とはいえ私が詰めているオフィスは引き続きドワンゴの一角だったりしますし、まあ、あんまり変わらないといえば変わらないです。これまでドワンゴで一緒にやってきたチームもそのまままるっと移籍ですし。

    というような話ですのでいわゆるドロドロとした退職話はないんですが、ひきつづきがんばっていきたいとおもいます。よろしくおねがいいたします。




    …しかし、まあ区切りは区切りだしブログに書いとくかとこれを書きながら、あらためてドワンゴ入社時のじぶんの記事を読み返すと
    いままでの自分の職務とは違う分野への転職となりますのでエンジニアとして期待半分不安半分、できるだけご期待に沿えるよう努力したいと思います。
    なんというか初々しいというか、このころは完全に門外漢(Web業界)への転職ということで不安だったんだよなあ。なつかしい。人生なんとかなるもんですな。そしてバーチャルキャストもがんばるぞー!

    あ、そしてこの職場で一緒に働きたい人ご応募おまちしております…!


  13. IMG_20180930_120623
    「いまドローンが熱いんですよ!!!」
    「んー、DJI Sparkなら持ってるけどなかなか飛ばすとこないんだよねー」
    「いやいやいや、DJIなんてかったるいやつじゃなくて、時代はいまFPVのマイクロドローンですって!!超楽しいから!!屋内で遊べるし!!」
    「えーー、あの手のFPVってアマチュア無線の免許要るんじゃなかったっけ。それに高いんでしょ?」
    「それがカメラもドローンも実は結構安いんですよ!!免許なんて別に取りゃーいいじゃないっすか!!」
    「うーん…」

    と先日力一杯煽られまして、やっぱり楽しそうだなー、アマチュア無線だけでも取っとくかなー、簡単だって話は聞くし、とかそんなようなことをぼんやり思っておりました。

    で、ある日…

    どうやって取ればいいんだろう?と思い立って調べてみる
    →どうやら「当日受付試験」というのがあって、それだと事前の申し込みとかなくいきなり試験会場に行けばいいらしい。なるほど。
    →で、次にやる「当日受付試験」っていつよ
    →うお、明後日!!!!
    →よし受けてみるか。で、何勉強すればいいの?

    というスーパーその場の勢いと思いつきでアマチュア無線4級の試験を受けてきましたので、その経緯をまとめてみたいとおもいます。



    小型FPVドローンってなに?

    オンナノコズの映像とか、近畿大学のCM動画などで最近注目を集めている「FPVマイクロドローン」というジャンル。
    FPVとはFirst Person View=1人称視点のこと。ドローンに小型の無線伝送カメラをつけて、そのリアルタイムの映像を見ながら操縦することのできるタイプのドローンです。そのなかでも、室内でも飛ばせ、安全性も高い「超小型」のものが流行っているようです。
    このとき、無線による映像伝送は「低遅延」が命。この映像の視界に頼ってドローンを操縦するので、映像がすぐ切れてしまうとか、映像に遅延があったりするとまともに扱うことができないのです。というわけで、トイドローンでよく使われている(が、遅延のある)WiFi+Motion JPEGの映像ではなくアナログの映像無線を使うことが多いようです。

    5.7/5.8G映像伝送について

    image
    ここで出てくるのが「5.7/5.8GHz映像伝送カメラ」。世界ではこの用途に広く使われているためか、製品の選択肢もかなり多く安価なものが揃っています。ところが日本ではこの周波数帯域は別の用途(ETCが5.8GHz帯を使っている)で使われていたりなど「自由に使える」無線帯域としては解放されておらず、電波を発するには免許が必要…という状況というわけです。
    ドローンが使う無線については総務省が「ドローン等に用いられる無線設備について」としてまとめていますが、ここにアマチュア無線をドローンで使う場合の注意点も書かれていますね。
    なおカメラはいろいろありますが、局免(無線局免許状・後述)を申請するのに必要な「系統図」を入手できるものを探した方がよいです(Amazonなどでも見つかります


    アマチュア無線について

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    というわけでアマチュア無線。アマチュア無線は金銭上の利益のためではなく、無線技術に対する個人的な興味により行う、自己訓練や技術的研究のための無線通信」と定義されています。あくまでも個人的な興味に基づいて、自己訓練や技術的研究のために行うもの。いやもうドローンでFPVとか無線むっちゃ興味あって技術的研究したいんでここはクリアと。(※つまり仕事に使ってはいけません)
    人に対して発行される「無線従事者免許証」と、無線局に対して発行される「無線局免許状」がそれぞれ必要で、この文脈で「アマチュア無線の免許を取る」というのは前者の「無線従事者免許証」にあたります。まずこれで「この人は無線を取り扱うにあたり十分な知識がありますよ」ということを認めてもらい、次に「この無線機(たち)を使って無線局を作りますよ、技術的に問題ないですよ」ということを認めてもらう(無線局免許状)、というわけです。

    まあまずはともかく「無線従事者免許証」。「4アマ」ことアマチュア無線4級の免許を取ってみないことには話が始まりません。


    というわけで

    冒頭の話まで戻ります。「んー、次の当日受付試験はいつなんだろう?」と思ったら→「明後日!!」ということがわかり、急ぎ参考書を買いに行きました。
    ところが…

    アマチュア無線の本が、街の本屋さんに、無い!!!

    いやまあそうですよねはい確かにって感じなんですが、大きめの書店に行ってもびっくりするほどなかったです。素直にAmazonで買うか、というか終わってみると実感として「これ別に参考書要らなくね?」という気持ちもちょっとあるのでネットでひたすらがんばるかでいいんじゃないかと思います(私はAmazonの配送待てるほど時間がなかったので秋葉原の書泉に行って買ってきました。さすがにここなら揃ってました)


    どんな試験で、どんな勉強をすればよい?


    試験は「法規」と「無線工学」からそれぞれ12問、全24問のマークシート式。それぞれ60点満点のうち40点取れば合格。たとえば法規が60点で無線工学が30点、という場合は不合格です。「それぞれ」40点以上取る必要があります。つまり、「法規」「無線工学」各12問のうち4問まで間違えても合格できると言い換えられます。

    そしてこれもまた有名な話なんですが、「アマチュア無線4級の試験は、過去問の中から(ほぼ)そのまま出る」ので「過去問を暗記しておけばそれだけで大丈夫」です。ロジックとか詳細よくわかってなくても、「この問題の時はこの答」だけ覚えておけば大丈夫というガバガ…優しいシステムになっています。どうなんかなそれ、と思いながら私も最初はしっかり勉強しようとも思ったんですが、すぐにめんどくさくなって問題のパターンを覚えていくようになりました…

    過去問を暗記といっても「『不正』というキーワードが出てきたら『免許取り消し』の選択肢を選べばいい」という感じのガバガ…優しいシステム。そのへんのポイントは先にAmazonリンクで挙げた本「初級アマチュア無線予想問題集2018年版:完全丸暗記」にまとめて載ってます。というか書名もそのまんま!

    この書籍に過去問がずらっと載っているのでそれを解いてパターンを覚えればいいだけなんですが、すぐに本を開くのがかったるくなってほとんどはこちらの「第4級アマチュア無線技士 過去問題集」というサイトでオンラインでぽちぽちしていました。っていうかここ繰り返しているだけでだいたい覚えますね、ほんと。本要らなかったかも。


    試験の受けかた

    IMG_20180930_122019
    通常は事前に申し込みをすると試験会場の案内と受験票が郵送されてきたりするらしいのですが、なにぶん思いつきで行動しているので「事前に」何かするとかもう無理なわけです。というわけで先に書いたとおり「当日受付試験」というものを受けました。これは日本無線協会の本部(東京・晴海)で毎月行なっている「事前の申し込みが必要ない、当日行けば受けられる試験」。詳細はこのPDFを。
    当日持っていくものは「お金(試験料その他で5000円強、免許の申請もするならもう2300円くらい)」「証明写真(運転免許証用の写真と同じサイズ)2枚」「筆記用具(マークシートなので鉛筆と消しゴム)」あと「住民票」。後述しますが住民票は後日でもだいじょうぶです。写真を規定サイズに切るためのカッターとか貼る糊とか、申請書を書く用のボールペンとかは貸してもらえますので↑だけあれば乗り切れます。申請書の用紙も現地で買えるので心配無用。
    これらを持って、受付時間に現地(日本無線協会本部)に行きゃーなんとかなります。たぶん。

    で、当日受付試験をやってる日本無線協会本部の近くにある「晴海トリトン」にはでかいダイソーもあるし自動証明写真機も複数台あるので、少し時間に余裕を持っていけば写真も筆記用具も現地調達できます。というか私はそうしました。電車やバスだと若干不便なところですが、車で行くなら晴海トリトンの駐車場がおすすめです。近隣にコインパーキングもありますが、なぜかこのあたりけっこう料金設定が高いので素直にトリトンの駐車場を使いましょう。安いです。

    で、本当に一夜漬けで合格できるのか

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    できました(笑)
    一夜漬けっていうか、

    【金曜日】 すぐに当日受付試験があることに気がついて参考書を買ってきてパラパラめくる
    【土曜日】 子供と近所の学校の文化祭に行ったり子供の勉強を見たりFGOギル祭の周回をしたりで忙しい
    【日曜日】 勉強するか…→午後当日受付試験→合格

    というわけで、実質半日もやらなかったような…いや合計すると半日くらいはやったかな…。
    それなりにやってはおかないと解けない(法規の用語やら指定事項とか無線機の構造なんてのは事前の知識にはまったくなかったので覚えないとわからない)けれども、パターンはそう多くないのと少し背景を考えながら頭に収めていき、ひたすら問題を繰り返して解いていけばわりと頭に入ります。それと、12問のうち4問は間違えても合格できるのです。正直こんなゆるい試験ないと思います…。(とはいえ自分は自己採点で24問中1問悩んだ結果間違えちゃったかな?というのがあったくらい。一夜漬けでもそれくらいにすぐなります)

    免許の申請

    合格したら、申請して免許(無線従事者免許証)を発行してもらう必要があります。この申請は試験会場で行うこともできますが、後日自分で直接総務省に送ることもできます(自分で直接やったほうが実は費用が安い)。申請には住民票が必要なのですが、私はなにぶん「受けよう」と思ったときには住民票を取りに行けるタイミングがもう無かったので、これは明日以降やります。というか土日住民票発行してよ区役所さん!


    その昔、某無線系出版社で働いていたときに「え!?アマチュア無線の免許持ってないの!??」と超驚かれたことがあったのですが、今回自分で受けて見てその理由がわかった気がします。かなり気楽に取れる「免許」なので、ドローンFPVとかに興味がある向きも挑戦してみる価値はあると思います。
    さあ、従事者免許証の申請をしたら、次は局免だ!これもいろいろ調べながらやっていこう…!





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    変な擬音が脳裏に残る、元マイコン少年ならみんな知ってる「べーしっ君」や、ファミコン通信のクロスレビューのレビュアーイラストなどでおなじみの荒井清和先生。シンプルな描線なれどひとめ見ると「あっ」となる、あの独特の優しい絵柄は自分のココロの中の「少年」と深く結びついている感覚があります。
    で。
    その荒井清和先生が、なにやら似顔絵絵師としてショッピングモールなどで似顔絵を描くサービスをはじめたとのこと。え!?マジで!?ただの一般人でも、「あの」絵柄で似顔絵を描いていただけるんですか!?あこがれの!?あの絵を!?と思って調べてみたら…



    マジだーーーーーーーー!!!!!
    というわけで行ってみましたアクアシティお台場。
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    ぬおおおおおおおおおおおお
    マジだあああああああーーーーーーーー!!!!!
    あの絵だあああああ!!!すぽぽーーん!!!

    場所はショッピングモールの似顔絵コーナー。
    隣では婚約中カップルがきゃいのきゃいのと結婚式用の似顔絵を描いてもらっているというキラキラ空間。しかし荒井先生をドンズバご指名で似顔絵を描いてもらおうなんて人はそらもうみなさんお仲間なわけで…。キラキラ空間の隣ではおっさんどもが列をなす!なぜか飛び出すPAXパワーグローブ!!みたいな少し不思議な感じになっておりました(実際私の前の人がEmmy Tシャツを着てPAXパワーグローブを持っていた。パックスのしわざ!!)
    と、いうわけで

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    どきどきわくわくしながら並び、描いていただいたのが冒頭の画像になります。自分で言うのもなんですけど…これ、似てますよね!?!?



    正直なところ、「荒井清和先生に似顔絵を描いてもらえる」ということで頭がいっぱいになっていて、「どんな絵を描いてもらうか」というのは完全に頭からすっ飛んでいたのですが、先生からの提案どおり「ファミ通クロスレビュー風」で描いてもらいました。
    するとですね。本当に、目の前で、「あの」絵柄で、するすると自分の顔が描かれていくんですよ。すごい。なんというか、なんと表現していいのかわからないんですが、すごい。
    自分の中の「マイコン少年」部分のいろんな記憶と混ざり合って、本当に泣きそうになってしまいました。
    せっかくなので「今の(VR関連開発がんばっている)自分」を描いてほしくて、お願いしてOculus Goも描きこんでいただきました。この絵は、自分の少年時代の思い出から、現在の自分へのエールだ。
    描いていただいている間、ドラクエの話、VRの話、お台場の話(笑)などをしました。かなり丁寧に描いていただいて、3400円でした(もっと取ってもいいんじゃないかなあ…)。

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    荒井先生は「アクアシティお台場」か「イオンレイクタウンkaze」にいらっしゃることが多いようです。スケジュールは「星の子プロダクション」のページで確認できます。
    5月は「Shop別スケジュール」によると(blog執筆時点では) 5/19, 26, 28がイオンレイクタウン、 5/21, 22, 29がアクアシティお台場となっています。急な変更などもあると思いますので最新情報は荒井先生のTwitterや上記スケジュールページでご確認ください。
    土日はかなり待つこともあるようです。開店前に列ができてるとか数時間待ちとか。こうやってblogを書いている自分が言うのもなんですが、なにとぞみなさん荒井先生のお邪魔になったりご迷惑になったりしないように、みなさんの中の「少年」と折り合いをつけていただければと思います





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    いやもうこの仕上がりはギルティ。有罪としか言いようがない。罪だ罪こんなもんは罪でしょ。

    2年ちょい前、低意識ダイエットと称して低糖質ダイエットを試み無事成功したのですが、その後順調に元に戻りまして、ぬくぬくともりもり毎日ごはんを食べておりました。

    そんなある日…

    「パパ、太ってるね」

    ガビーン!ついに娘に面と向かって言われてしまいました。やばい。2年前のあの体重よふたたび…とまでは言わないまでも、さすがにもうちょっと絞らないと。いくらなんでも膨らみすぎた!

    というわけで

    娘に「パパ太った」と言われた
    →よし糖質減らそう
    →ということは肉をメインに食べることになるな
    →おいしい肉を低コストで食べたいよな
    →つまり低温調理器が必要
    →よし低温調理器を買おう

    という一分の隙も無いスーパーガジェット論法に従い、低温調理器を買うことにしました(前回はこの論法でWiFi体重計を買った)。低温調理器といえば代名詞はAnovaですが、なにやらこの分野もジェネリック家電があふれてきている様子。どうしようかな…と思ったら、あのサンコーさんでも低温調理器の取り扱いがあり、ビックカメラなどの店頭でも売られているではありませんか。思い立ったら吉日、とばかりに(ビックカメラ有楽町店の)店頭でひょいっと買ってきました。


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    低温調理のすばらしさやノウハウ、レビューはもうあまたの先人たちが山ほど足跡を残しているので、「Anova」とか「低温調理器」とかでググってもらえればいいです。ミオシンとかアクチンとかそういうのはもうググって先人の熱い記事を山ほど読んでください。はい。

    さて。サンコーさん取り扱いの低温調理器「SOVDCOOK」はAnovaなどよりもほんのちょいと大きく、Bluetoothやらスマホからのコントロールやらは一切ありませんが、きほん温度と時間をダイヤルでセットしてぽちっとするだけなので特に不便はないと思います。ステーキ肉をジップロックに突っ込んで空気を抜き、お湯とともに鍋につっこんで低温調理器のスイッチをぽち。

    今回は57度・1時間(ステーキ肉2cm厚)で調理しました。

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    ゆっくりと熱が肉にまわっていき…

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    アラームが鳴ったらこんな状態になってました。ひととおり熱はちゃんと回ったようです。

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    あとはガスバーナーで表面をあぶってやります。あー表面焦がしたいなーでもせっかく低温調理器でしっかり加熱したのにフライパンで焼くのもなー、オーブンはめんどくさいしなー、やっぱガスバーナーかなー、でもバーナーなんてどこで売ってるんだよー、と思ったらAmazonさんにあったどころかPrime Nowにあったので低温調理でことことやっている間に届けてもらいました。Prime Nowべんりー!

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    いやー

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    やはりこれは…罪…罪の味がする…

    なんというか、しっかり火は通っているのにやわらかく、ジューシーで、薫り高い。
    100g 180円くらいの安肉とは思えない…。なんですかこれは。こんなに簡単にこんなおいしくなりますか。なじぇに今までこの手の機械を買わなかったのだね俺は。馬鹿じゃないのか。

    まだ一回使っただけなので耐久性の面はわからないし、Anovaなどとの定番商品と使い勝手を比較できるわけでもないのですが、サンコーさんの低温調理器、使うの簡単で水温も最初するするっと上がり、大きめの鍋でステーキ肉を4枚同時に調理しましたが調理中の水温も安定していました。仕上がりも充分!操作も楽で特に問題は感じなかったです。

    Anovaの半額くらいだし、低温調理器話題になってるしちょっと試してみたいなあ…という(自分のような)エントリー者にはなかなかいいんじゃないでしょうかね。

    ↑の肉は57度1時間、その後表面をバーナーでがっつりあぶりましたが、次は56度か56.5度くらいで試してみようかな、と思います。(※目標温度は0.1度単位で設定可能)

    ※今回は牛肉の塊、かつ表面をしっかり炙る前提でしたが、ほかの肉を使うときなどは肉の中心が63度以上の状態を一定時間以上保ってください

    いやしかし、低温調理器まわりで盛り上がってたんだけど、たしかにほんとこれはすごいわ。うん。

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    この記事はドワンゴ Advent Calendar 2017 2日目の記事です。

    ドワンゴ Advent Calendar 2016の記事
    PSVR「Rez Infinite」を全身で体感するシナスタジアスーツを5740円で自作する
    ドワンゴ Advent Calendar 2015の記事
    THETA S長時間稼働ジャケットで長時間全天球ライブストリーミング
    ドワンゴ Advent Calendar 2014の記事
    リアルロボットバトル バトロイド視覚システム解説(Oculus Riftで2mサイズの戦闘ロボットを操縦してみた)


    みなさんUnity使ってますか!?

    Unityはゲームエンジンといいながらも映像製作や舞台演出、VJなどノンゲームジャンルのリアルタイム映像生成にもかなり広く使われつつあります。というか、私もよくそういう業務で使っています

    で。

    そういう「イベント現場」のような場面でUnityを使っていると、Unityで生成する映像をほかの機材や演出と同期したくなるんですよね。ちょっとした同期なら「タイミングをあわせてスタートボタンをポチッとする」だけでいいんですが、本当にフレーム単位の同期をがっつりやろうとするとアレッ、どうしよう!?ってなってしまう。

    業務用の映像機器の世界では、そんなときのために「タイムコード」があります。映像などのタイミングを厳密に測定・調整・同期するために、映像1フレームごとに番号を振って信号として埋め込み・送出することができるようになっているわけです。

    この「タイムコード」。よく使われるものに「LTC(Linear timecode)」と「MTC(MIDI timecode)」があります。とはいってもタイムコードを扱う機材ってなかなか個人では触れることがありませんし、慣れていないとすごい謎の技術っぽい感じがしますよね。が…実は、LTCはただの「音」で、MTCは「MIDI信号」でありどちらも処理するのは意外とかんたんだったりします。

    というわけで今回は、このうち「LTC」を実際にUnityでデコードしてみることにしましょう。


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    今回はテストするためにタイムコードを生成する機械をそのままザクッとオーディオインターフェースに接続しました。録音レベルがあわせられれば受信側は別にPCのマイク端子やオーディオ入力端子そのままでも良いと思います。

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    レベルがあっていれば音の入力が入りっぱなしになるはず。(聞くとギャーーーという感じの機械音が鳴りっぱなしになってます)

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    波形を見るとこんなかんじ。これがどういう形でデータになっているのか、は、SMPTE timecode(Wikipedia)や、Linear timecode(Wikipedia)に書いてあります。わりとシンプルで、波形の幅が短いものが1、長いものが0…という感じでデコードしていけばいいのです。

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    ね、かんたんでしょ!

    というわけで、さっくりとUnityでデコードしてみましょう…!

    コードはとても簡単で、Unityのマイク入力から音声サンプルを取得、そこから波形の反転を検出してパルスの幅を数え、パルスの大小からビット列を生成していくという流れです。

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    このスクリプトをなにか空のGameObjectに貼り付ければマイク入力からLTCタイムコードを受信してこんな表示が出てくるはず。あとはこのタイムコードをTime値に変換してアニメーションを同期するもよし、規定の時間になったらイベント発射するもよし、です。

    一応補足しておくとタイムコード自体は歴史的経緯で非常にめんどくさい種類があるため本気で真面目に「タイムコードを」処理するのはかなりめんどくさいです(※加算減算・タイムコードから実時間への変換などはタイムコードがどの体系なのかによって処理が変わってしまう)。でも自分で(特定の環境で)使うだけならこんなんでも充分です。けっこう簡単にできちゃうんですねえ…!


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    自分もかなり最近知ったのですが、「40%コンパクトメカニカルキーボード」という世界があります。いわゆる「コンパクトで使いやすいキーボード」としてはたとえばHappy Hacking Keyboardが有名ですが、これでもまだキーボードのカテゴリとしては「60%」さらに20ポイントも小さい、究極のミニマリスト中のミニマリストキーボード、それが「40%」の世界

    どれぐらい無茶にコンパクトにしているかというと

    まず、キーボードが4段しかない。みなさん、今目の前にあるキーボードを見てほしいのですが、最低でも5段あるはずです。それが、4段しかない。当然そうすると少なくとも数字の列が足りないわけで…カーソルキーとかファンクションキーとかそういうレベルでなく、数字ですらFnキーを併用しないと入力できない!わけです。「どうしてそこを削った!?」「小さくしたいからだ!!!」みたいな(笑)

    そのかわり、ともかくひたすらコンパクト。フルサイズのキーを使用しているにもかかわらずフットプリントは携帯電話用の超小型Bluetoothキーボードにせまるサイズを実現しています。

    はたしてこの割り切りっぷりで実用になるのか!?そんな気持ちもありますが、なんというかそんな計算を超えて中二心をグイっとつかむこのキーボード、せっかくなので試してみることにしましょう。
    (※もちろんこのblogエントリはすべて上記写真のVortex Core 47keyキーボードを使用して書いています)


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    「40%コンパクトメカニカルキーボード」というジャンルはいくつか製品があり、たとえばほかに「Magicforce 49-Key」もあります。上海問屋が輸入して販売したのですが、わりとあっという間に売り切れてしまい今は取り扱いがないようです。

    こちらはわりとお安い設定(上海問屋価格で4999円)ですが、この手の省スペースキーボードには必須のキーマッピング変更機能がない(※どうしてもキー配列が変態的になってしまうので、自分好みにカスタマイズすることがある意味前提)上に配列的に自分はなかなか右小指あたりが慣れなかったので今は手放してしまいました。

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    でもなー、やっぱあのコンパクトさはいいよなー、ともかく机が広いんだよなー…

    …と思っていたところに、もうひとつの40%の雄(と言っていいのかどうかは知りませんが)Vortex Coreが日本で正規に販売されるというニュースが!マジか!

    気にはなる、しかし個人で輸入するほどの熱意まではない…という感じだったので、正規に日本で販売されるなら、とさっそく飛びついてまいりました。

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    購入したのはCherry MX赤軸版(ほかに青軸茶軸クリア軸があります)。価格帯的にはそこそこの高級キーボードに入るレンジなので、箱もなかなか凝っています。素敵なロゴ入りの蓋を開けると…ご対面!

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    長年使い込んでいるRealforce91UBKと比べるとこんな感じ。まさしく「40%!!」という感じがします。フットプリントは半分以下。

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    背面にmicroUSB端子があり、そこからPCに接続します。(ファームウェアのアップデートもこのmicroUSB端子で行います)

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    キーボードの配列は、先述のとおり数字の列がなく、右側( [] {} あたり)もカットされて詰められています。そういった「削られた」キーは、FnキーやFn1キーと呼ばれるキーを併用してコンビネーションで入力することとなります。

    Fnキー併用、Fn1キー併用、Fn1キーとShiftキーを押しながら…と、ともかくキー入力方法がかなり複雑になるのでこれは相当な慣れが要りそうです。

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    とはいえ、こうやって入力していると意外と慣れてしまいそうというか、肝心かなめのアルファベットキーまわりのタイプ感は非常に良好。さすが定番のCherry MXキーを使用しているだけあって、アルファベットまわりはタイプしていてとても気持ちがよいです。また、冒頭に挙げたMagicforceのコンパクトキーボードよりも配列が私の性に合っているのか、いまのところ(キーコンビネーションが必要なキーを除いて)さほどのミスタイプはありません。うん、これはなかなか良いぞ。

    製品の質感もなかなかシックで、質実剛健な見た目がGood。惜しむらくはキーの(手前側の)刻印がちょっとうるさいところですが、こればっかりは刻印がないとサッパリわからない(コンビネーションが必要な部分)ので、仕方ない。これ刻印無しでいいやと思える日はくるのだろうか!?

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    このキーボードのメーカーサイトを覗くと、ファームウェアのアップデータがありました。キーボードをUSBにつないだままアップデータを実行するとファームウェアが書き換えられます。購入時1.03.00だったのが、2017年9月7日現在1.04.03になっていました。

    キーボードのファームウェアを最新にしておくと何ができるかというと…

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    このキーボード、もともと「レイヤ」という機能があり、キー配列やショートカットキーの登録などができるのですが、それに加えて(元のレイヤではいじれなかった)Fnキーの位置が変更できたりする機能が使えるようになります。(↑Othersの項)

    これは添付されていた日本語マニュアルには掲載されていなかったので、Fnキーの位置を動かしたいんだけど…とか、カーソルキーが独立していたらよかったのに…とかいう人は(※上記説明にあるように、右Shift・右Alt・Menu・右Ctrlをカーソルキーとして機能させるモードもある(が、日本語マニュアルには載ってない))ぜひ試してみてください。

    また、実はFnキーは移動できるがFn1キーについてはそのままでは動かせない…のですが、

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    Redditの書き込みによると、「Pnキーの入れ替え先をFn1キーにする」ことでPnキーの位置にFn1を持ってくることができるみたいです。というか、私はそうしました。Fn1キーはかなり頻繁につかうので小指だとちょっとつらかったので親指の位置にあると便利です。

    …というように、飛び道具的なミニマリストキーボードだけに、自分の手になじむようにキーボード自体でカスタマイズが効くのがいいですね。


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    というわけで、ひとまず数時間このキーボードと付き合ってみた感じでは…

    • 質感やキータッチはたいへんよいです。高級感あり
    • キータッチがよいのでアルファベットまわりは快適に入力可能
    • キーコンビネーションが必要なところはかなりの慣れを要する。ただしキー配列はけっこう考えられている(数字が中央列にあるなど)のと、気に入らない配列は自分でカスタマイズできるのでこれは意外といけるんではないか
    • というわけでまだちょいちょい(キーコンビネーションが必要なときは)キーボードを見てしまうけれども、しばらく使っていきたい
    • ファームウェアを最新にして、メーカーサイトのマニュアルを見ると日本語マニュアルにはないカスタマイズもできるので要チェック
    • あ、ただShift+数字の記号を入力するときにShiftを先に押さないと入力できない(Shift,Fn1,キーの順で押さないといけない)のはファームウェアで直してほしい

    というところでしょうか。

    いやほんと、ベースのキータッチが良いので結構これでタイプしているとテンション上がってきますよ。なんというか、ミニマリスト的なところも含めて、中二心をくすぐるというか、映画の主人公になったような、特別な感じがするというか。

    最後にGPD Pocketと並べた写真をあげましたが、GPD Pocketのキーボードはこれはこれで優秀なので(※個人の感想です)GPD Pocketと一緒に持ち歩く…というのは自分はやらないかもなあ。サイズ感としてはなかなかいい組み合わせなんですが。


  18. jinbal

    このblogやTwitterでもときどき話題に出しているスマートフォン用3軸ブラシレスジンバル(スタビライザー)。これにスマートフォンを装着することで「ぶれ」を抑えた動画を撮影することができます。…とはいえ、まだ「なんか仰々しいもの」とか「興味はあるけど買うほどではない」みたいな感覚がある人も多いと思います。が、これ、正直な話「スマートフォンで動画を撮る」ことを少しでもする人ならぜひ一度触ってみてほしい、そんな思いまであるアイテムだったりします。

    そんな3軸ブラシレスジンバルのなかで、Indiegogoで出資を募集していた「折りたたみ可能で安価な3軸ジンバル」 Snoppa M1が届いたのでレビューしてみます。(長いので先に簡単な要約:とてもすてき)


    Snoppa M1ってどんなもの?

    Snoppa M1 - Crowdfunding film from SNOPPA on Vimeo.


    まずは軽くUnboxingから

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    本体の箱(右)とソフトケースの箱(左)

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    本体の箱はぺりぺりと剥がせるようになっていて…

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    開封すると、Snoppa M1で風景を撮影している様子に変化します。おっしゃれー!

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    本体・ソフトケースとmicroUSBケーブル。
    説明書は日本語の記載もあります。

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    自分のスマートフォンを用意して…

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    はさむ。
    Snoppaアプリをストアからダウンロードして起動するのですが、起動時に写真のように「カメラ映像にSnoppa M1のホルダーが映り込んだ様子(※合成)」が表示されて、「このように装着しろ」と指示されます。とても簡単な工夫なのですが、わかりやすく+不思議な感覚で心底感心しました。パッケージといい、デザイナーに天才がいるでしょ。

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    持ち手の部分を引っ張って展開すると、3軸ジンバルの完成!


    ここで「スマートフォン用3軸ジンバル(スタビライザー)」という商品ジャンル自体に向き合う

    Snoppa M1のレビューに入る前にまず、「3軸スタビライザーを装着してスマートフォンで動画を撮ること」自体について少し所感をまとめておきます。

    • スタビライザーを装着するとすごく安定した動画が撮影できる。いわゆる手ぶれ補正機能つきのビデオカメラをも置き去りにする安定度。歩きながらとか走りながらとかでもばっちりOk
    • スマートフォンのカメラは年々品質が向上しており、ズームしなければ(固定の画角であれば)充分にそれのみで戦える画質になっている
      • おおむね「スマートフォンで撮った動画」でガッカリ感があるのは「ズーム(寄れてない)」「手ぶれ」「(だいたいは手ぶれ起因による)CMOSローリングシャッター歪み」だったりするので、手ぶれが抑えられるだけで見た目の完成度がぐっと上がる
      • ただし移動体へのフォーカスの追従とか、(先の論点にもあるが)光学ズームへの対応など「ビデオカメラ」ならではの作り込みの強みは依然としてあるので完全にスマートフォンでビデオカメラ代替が可能なわけではない
    • スマートフォン自身で撮影すると、その後の写真/動画の管理が非常に楽(そのままGoogleフォトに同期したりなど日々の運用に地味に効く)
      • いっぽう、ジンバルを装着すると動画の質が上がるが「ジンバルも持ち歩く」「撮影時にジンバルを装着する」という手間が増える
      • つまり、運用において考えるべきは「ジンバルの携帯と装着のコスト(手間)」と「写真/動画の管理が楽になる、動画の品質が上がるメリット」とのバランスが釣り合うかの問題となる
      • このコスト・メリットのバランスは同様に「スマートフォンで動画を撮る」ことと「ビデオカメラ専用機で動画を撮る」ことの比較でも有用

    論点は最後の

    運用において考えるべきは「ジンバルの携帯と装着のコスト(手間)」と「写真/動画の管理が楽になる、動画の品質が上がるメリット」とのバランスが釣り合うかの問題

    となります。


    で、Snoppa M1はどうよ

    上記の論点について、自分の感覚では

    • スマートフォン直撮影による自動同期は思った以上に管理が楽。いちいちファイルコピーとかつらい
    • ジンバルを装着することでの動画品質向上もこれも思った以上にすごい。「動画を撮ること」が楽しくなり、動画撮影頻度が上がるレベル
    • しかしジンバルを持ち歩くのがけっこうめんどい。以前はそれでも携帯モバイルセットの中に3軸ジンバルを入れていたのだが、PCが小さくなるにつれカバンも小さくなっていきジンバルの居場所がなくなってきたのが現実
    • 装着の手間自体はさほどでもない。動画を撮りたいと思うシチュエーションは集中していることが多く(子供と遊んでいるときなど)、一度付けたら付けっぱなしにして持ち歩くので毎回脱着するというわけではない。ので意外と負担にならない。
    • 結局のところ(従来のジンバルでの)主な課題は、「ジンバルが小さく畳めない」こと。構造上モーターなどの突起物が多く、かばんにしまうにはごつごつしすぎて収まりが悪い

    つまり…

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    そう、シンプルな形にまとまる3軸ジンバルであるSnoppa M1はこの「ジンバルの携帯性」という課題を解決してくれる…のではないか、ということなのです!よ!わかりますか!みなさん!

    手に持ってみると「思ったより重い感じがするなー」とか「たしかに従来ジンバル比で非常にコンパクトにまとまるなー」「けどそれでもやっぱりごついもんはごついなー」みたいなところはあるものの、総合的な使い勝手はなかなかよく出来ておりしばらくSnoppa M1を運用してみる所存でございます。


    Snoppa M1実写レポート


    (ジンバルを使用しない場合はどんな感じになるか、他のジンバルとの比較は↓の動画をどうぞ)


    なかなかいいかんじですね!
    実際に使用してみると、ほかのジンバル(たとえばこういうやつ)と比べて重量物がアームの先にあるため

    battery
    ちょっと重さを感じます。長時間振り回すのはじゃっかんつらいかも。



    そして驚きの安さ

    というかですね、従来型の3軸ジンバルの相場がだいたい2~3万円くらいなのですが
    クラウドファンディングものの新しいアイデアが盛り込まれた新製品が


    最初からこの値段て安くないすか…。

    (blogの紹介的にはAmazonで同じくらいで買えていただけるとたいへんたすかるのですが!)


  19. l_og_panora_002

    ギークの祭典「ガジェットフリマ 2017夏」は8月12日開催 すがやみつる先生やGPD Pocketの講演も」と記事にもなっていますが、明日8月12日に「ガジェットフリマ 2017夏」が開催されます。記事に引用されている過去の写真(↑)もこれ私のブースなのですが、今回はいつも以上にガッツリと手持ちの資機材を持ち込みます!売ります!買ってください!!!


    なんでわざわざblog記事で宣伝するのか

    そもそもの発端は…

    と、GPD Pocketを含むモバイルセット一式をカバンごと公園に置き忘れそのまま遺失するというスーパーウルトラ大失態がございまして…。

    しかも、そのわずか一ヶ月前に

    財布を落として現金やら回数券やら全部抜かれる…というのもやらかしており、自業自得とはいえちょっとなんというかココロも財布もだいぶ痛いという状況なのです。

    なので


    いや、ほんと、おねがいします…><


    ガジェットフリマに出品するもの(予定・一部)

    (こういう経緯での出品なので、全般的にフリマにしては初期価格設定はちょっとお高めにしてあります。状況に応じて価格交渉も可です)


    Sensel Morph 新品

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    押し応えのあるキーボードやDJコントローラにも変身する、本物の筆で描ける高感圧タッチパッドSensel Morph。本体だけでなく、Overlay(機能を変身させるカバー)も多種類追加してあります。

    • Sensel Morph本体・キャリングケース
    • Innovator’s Overlay
    • Innovator’s Kit
    • QWERTY Keyboard Overlay
    • Music Production Overlay
    • Piano Overlay
    • Art Overlay
    • (Media Editing Overlayが後日届きますので追ってお渡しします)

    まだbacker全員にすら行き渡ってないガジェット・かつ新品なのでちょっとお高めに価格設定しておきます(それでも購入原価よりは安い)。 3.5万円。

    Oculus Rift CV1 + Touch


    というわけでOculus Rift CV1+Touchのセットを出します。3万円。


    GPD Win

    本体のみ、初期化済、使用感あり、初期ロット。

    2万円でどうでしょう。高いかな?


    ナムコ・マイクロマウス マッピー

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    ナムコの「マッピー」源流にあたる「マイクロマウス」(迷路探索ロボット)マッピーのキット。ジャンク。2万円。


    電動自転車ホイール「GeoOrbital Wheel」 26インチ

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    1分でマイ自転車を最大時速32kmで約48kmも走行可能な電動自転車に変える「GeoOrbital Wheel」で紹介されているやつ。26インチ版。

    中古ですが走行距離は10kmほど。2.5万円。


    超小型メカニカルキーボード Magicforce 49-Key Mechanical Keyboard

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    中古。とはいえ美品です。「“ポケットサイズ”の超小型メカニカルキーボードが上海問屋から登場」で紹介されているやつ。中華青軸。見た目はほぼ新品ですが、Pキーの反応が若干怪しいかも。2000円。


    Bose ノイズキャンセリングヘッドホン QuietComfort 25

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    中古。相場わかりませんが8000円くらい?


    その他


    ほかに思いついたら追記 or Twitterで告知します!

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    ぼくらのダイソー万歳!!!

    …というわけで、いろいろなものが100円(税別)で売っていることでおなじみの、庶民の味方「ザ・ダイソー」。最近は100円(税別)におさまらない高額…とはいえ数百円(税別)の商品もけっこうありますが、そんな高額商品の中に「ラジコンカー」があるのをご存じでしょうか。ラジオ・コントロールド・カー。正真正銘、無線で制御し自走するラジコンカーです。なんとお値段600円(税別)!

    ダイソーで600円というとちょっとお高い印象にもなりますが、無線でちゃんと操縦できて(前進・後退・右左折フルコントロール!)600円はよく考えなくても破格です。安すぎでしょ。

    で、そんなラジコンを発見した子供たちが「パパ!!!!ラジコン売ってる!!!600円!!!」とハイテンションになりながら2台買ったのはいいのですが…

    さあ、ここで勘のいい人はピンときますよね。そう、なんといっても新品600円のラジコンカー。2台買ったところでそれらの無線のチャンネルが分かれているわけもなく、同時に走らせようとすると混信してしまうのでありました…。

    はてさて、そんなときはパパの出番。ちょちょっと開けて2台同時に走らせられるようにしてみましょう。

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    ダイソー600円ラジコンカーはこれ。R/Cカー TypeDというもの。もしモデルチェンジした場合は中身が同一かどうか(同じ手が使えるか)は正直わからないです。

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    対象のラジコンカーを2台用意します。調整した感じでは2台同時まではなんとかなると思いますが、3台同時は厳しそう。

    電池は単三電池を車本体で3本、送信機で2本の計5本/台使用しますが、ちょうどダイソーでは「5本パック」の電池も売っているので同時に買っておくとよいでしょう。あと、精密ドライバーが必要です(これもダイソーで売っています)。

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    電池を入れて、本体・送信機をそれぞれ開腹。ネジはそれぞれ4カ所ずつ、印をつけたところです。(印をつけていないところは開ける必要がありません)

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    開腹すると、本体・送信機それぞれに「これを回すのだ!」と言わんばかりの部品がありますね。ええ、ええ。これが周波数を決めているので、2組のラジコン本体・送信機で別々の周波数帯になるように調整を離してやります。

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    ・ラジコンA本体、A送信機→それぞれつまみを締め込む方向にずらす
    ・ラジコンB本体、B送信機→それぞれつまみを開く方向にずらす

    まず送信機を調整し、その送信機の電波をちゃんとつかむように本体側を調整します。ラジコンA送信機でA本体が操縦できるがB本体は動かない、逆にB送信機ではB本体が操縦できるがA本体は動かない、という状況になるまで調整をおたがいに「離して」やればokです。

    なお、遠くでは反応しなくとも接近させると動いちゃったりしますし、ちゃんと送受信機の周波数が合ってないと少し離れただけで動かなくなってしまったりもするので、ある程度設定が決まったら距離を変えてテストしましょう。

    …というわけで、あっという間に無事2台同時に混信せず使えるようになりました。細かくステップごとに写真込みで書きましたが結局のところ蓋開けてちょっと調整するだけなので実作業時間は数分です。

    このダイソーラジコン、ほかにも「まっすぐ走らない」とか(ステアリングが自然にセンターに戻るようにばねでも仕込めば直るんじゃないかなー)(←よく見たらセンターに戻る機構自体はあって、トリム調整もできるようになっている。けど、トリム自体が動かしているとどんどんずれていってしまうためにまっすぐ進まない、という状態。トリムを固定してやればまっすぐ進みそう)とかいじりたくなるところがいくつかあるのですが、部品取りとしても改造して遊ぶベースにするにしてもなかなかお手頃で楽しいのではないかと思います。えへへ。

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