花王に勤めていた頃

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花王に勤めていた頃、

ばかにおかしいことがありました。

道頓堀、引っ掛け橋を歩いていたら

普通のイケメンのお兄さんに

スカウト風に声をかけられて

そこの二階の建物行ってください

言われ行ったら

白い巨大なガマガエルみたいな

いまのわたしより太った

女にひとに

顔のポラロイドをパシャパシヤ撮られて

その頃のわたしはそばかすが

唯一の欠点だったかもしれないが

そばかすだらけのポラロイドを見せつけられ

うちの化粧品の顔のモデルにならないか

と聞いたこともない

二流化粧品のサンプルが一杯乗った部屋の

写真。

小さな数名の顔写真。

その宣伝が載った見開きの雑誌を

見せられて

少し痩せたらいい、

うちのスポーツマシン使い放題使っていい。

話をよく聞くと

三十万円払ってくれたら。

と。

そのくらいないことなかったが、

あるだけ払えと?

車も買って、ローンも残っている。

花王ソフィーナのビューティーアドバイザー

正社員で化粧品全部もらってる

親が劇団東俳代も払ってくれて

聞いてみようか思ったけど

断ったら

そのガマガエル、くしゃきしゃの顔をして

張り裂けそうに泣きそうな声を出した。

バカらしい。

もうスカウトされかけた話にしとく。

なんか花王美容部員実はおかしく怖くて

そんな体験させたという声と

まだましな方という声と

上の高尾さんも痩せろ痩せろと

お兄ちゃんも日活の映画会社に

勤めるもスカウトみたいな

体験させてやろうかと

まあわたし程度ならこんなとこ

ちゃんと花王勤めててよかった。

お金取るスカウトの話。