皆さんにとっての家とは一体、どんな場所ですか。
家は家族みんなが帰る所。
世知辛い世の中で仕事や学校という名の社会と戦ってきたお父さん、お母さん、子供達が唯一 寛ぐことの出来る癒しの空間となる場所であるはずなのに。
ここ最近のニュースでも話題になっています 未成年者の家出や夫婦間での家庭内別居が問題となり様々な事件や事故、大なり小なりなんらかのトラブルがあちこちで発生しています。
そこで今回は『家とは何か、癒しの場所であるためには どうしたら良いのか。』を色々な観点から見ながら、私なりにまとめてみようと思います。
未成年の家出・行方不明者の実態
平 成 2 9 年 に お け る 行 方 不 明 者 の 状 況
1 総数
行方不明者の届出受理数は、過去10年間では横ばいで推移。29年は
84,850人で28年と同数。2 男女別
男女別では、男性が54,574人(構成比64.3%)、女性が30,276人(構成
比35.7%)と、男性の割合が高く、男性、女性共に過去5年間、横ばい。3 年齢層別
年齢層別では、人口10万人当たりで10歳代が最も多いが、過去5年間で
は減少傾向。70歳以上は増加傾向。4 原因・動機別
原因・動機別では、疾病関係が年々増加し、29年は22,162人(構成比26.
1%)と最も多く、このうち認知症又はその疑いによるものは15,863人(構成比18.7%)。疾病関係に次いで、家庭関係の14,846人(構成比17.5%)、
事業・職業関係の9,912人(構成比11.7%)の順で多く、家庭関係は年々
減少傾向(その他、不詳を除く。)5 所在確認等の状況
(1) 所在確認等の数
29年中に所在が確認等された行方不明者(確認をした年次以前に受理
した届出分を含む。)は81,946人。(2) 所在確認等の期間
29年中に所在が確認等された者は81,946人で、このうち、警察又は届
出人等において所在が確認された者は71,371人。
届出受理から所在確認(死亡確認、その他を除く。)までの期間は、
受理当日が最も多く31,829人、次いで2日~1週間以内の24,394人。出展元:警察庁生活安全局生活安全企画課(平成29年における行方不明者の状況、平成30年6月)資料より
上記、資料から年齢別の詳細を見てみますと平成29年の行方不明者数 約85,000人に対して9歳以下が1,198人、10歳代が16,412人と どの年代よりも圧倒的に多かったのです。
その原因や動機を探ってみますと、やはり家庭関係との理由が最も多かったのも上記資料から見ても一目瞭然。
最近、ニュースで話題になっています未成年者誘拐の被害者のほとんどが 家出を目的として自分から見知らぬ人へコンタクトを取っているということも 後々の話から明らかとなりました。
家にいるのが嫌、学校に行くのも嫌、
主にTwitterで(#)ハッシュタグを使って家出や居場所がない、死にたい等と見知らぬ誰かに向かって訴えかけている少年少女が沢山いるというのが現状です。
凄く参考になった記事です。
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家庭内トラブルが起こる原因
では、どうして彼・彼女達は『家に居たくない。』という状況にまで陥ってしまったのでしょうか。
様々な原因の中から過去の事件や実際にあった相談内容を基に特に多かった4点を上げてみました。
夫婦間の家庭内別居
家の雰囲気というのは、大黒柱である お父さんと陰で家族を守る お母さんの夫婦仲が良いか悪いかが1番の鍵だと思います。
ことわざで親の背を見て子は育つという言葉を聞いたことがあると思いますが、子供は親の言動に非常に敏感に反応していると同時に、しっかりと観察しています。
両親が何を話しているのか。
両親は私のことを気にかけてくれているのか。
お父さんはお母さんの事をどう思っているのか。
また、その逆もしかり。
夫婦仲が好調ですと、自然と家族仲も良くなります。
両親の仲が悪い(お互いの陰口や面前DV等)と、そこには居たくない。自分の部屋ですら落ち着かない。といった現象が起こります。
なぜなら、両親から醸し出される 負の雰囲気が家中に充満してしまうからなのです。
面前DVとは…
中でも急増しているのが面前DV(ドメスティックバイオレンス)で、6年前の約7倍です。 どちらかの親が子どもの前で、配偶者に暴力をふるったり、暴言を吐いたりする行為です。 そもそも児童虐待は、態様によって4種類に分かれます。2018/11/14
毒親による過保護 又はネグレクト
過去の相談の中でも最も多かったのが、片親による育児放棄(ネグレクト)でした。
放任主義とは全然違った意味を持つ このネグレクトは家に居たくない子共の理由として最も多い原因の1つです。
放任ではなく放棄という文字から分かります通り、子育てに関する一切を放棄しているのです。
自分の母親又は父親は自分のことしか考えていない=自分の存在価値が見出せないといった心理状態が働き、家出や死が頭をよぎってしまう子供が多いのです。
逆に過保護な親に多いのが、過保護 故に自分の思い通りの生き方、教養、そして性格までも押し付けてしまい 縛り付けてしまうのです。
そうすることで、子供は段々と居心地が悪くなり 終いにはストレスが頂点に達することで家庭内暴力(子が親に対して)や家出に走ってしまうケースも少なくありません。
あわせて読んで頂きたい過去の記事です。
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周りの環境(友人、知人の影響)
思春期に誰しも起こり得る、親に反発し人の目を異常なまでに気にする反抗期の頃なんかは、周りの環境によっては良くない方向に流されてしまう子供も多いのです。
友達に嫌われたくないから、グループから外されたくないから等の理由で悪いことだと分かっているのに敢えて非行に走ったり、家出を共謀してみたり。
周りの環境(特に友人、知人の影響)とは未成年者にとって とても重要になってくるポイントの1つでもあるのです。
ネット(スマホ、PC)による誘惑
ネットが普及したことによって便利になった反面、子供にとっては危険なものがより身近に存在しているという事を私達 大人がもっと理解すべきなのだと思うのです。
家出がしたい。とにかくどこか遠くへ行きたい。と自暴自棄になってしまった子供の感情というのは、繊細且つ純粋 そして単純なのです。
本人達はとりあえず家を出ることしか考えていないし、家を出た後のことや自分を世話してくれる人の事なんか 一切 見えていません。
純粋なので社会や大人の黒い部分も全く分からない、単純なので 顔が見えない知らない相手が言ったことを すぐに信じてしまう。
そういった子供の心理状態を上手くコントロールして、誘導させる悪質な大人が増えているという現状です。
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居心地の良い家づくり
では、家族みんなが寛ぐことの出来る、居心地の良い家にするためには どういったことを実行・心掛けていったらよいのか。
私なりに考えた4つの方法をご紹介します。
家族間のルールの徹底
まずは、両親で話し合い 各家庭に合ったルール(約束事)を決めて 1枚の紙にまとめます。
それから家族全員での話し合う場を設けて、提示します。
やはり未成年の場合は、成人するまで親の監視下の基、健全で健康的な生活を送ることが義務付けられているので、その点を充分に理解させる上で親身になって道徳や世の中のことを教えてあげて欲しいと思います。
家族の時間を大事にする
家族の時間を増やすと共に、その時間は仕事のことやスマホいじりを一旦、中止し 家族の時間を全力で楽しむということを 今まで以上に大事にして欲しいのです。
これは家族間もですが、夫婦の間でもいえることで 例えば2人きりで出掛けた際に片方がずっとスマホを扱っていたら どう感じるでしょうか。
きっと全力では楽しめないと思うのです。
そして、相手がするから自分も となってしまったら余計に溝は深まるばかり。
自分がされて嫌だと感じた事は相手にもやってはいけないという精神で向き合っていたら、きっと相手の方も その気持ちに気付いてくれるはずです。
親しき中にも礼儀あり
この言葉は 友人・知人の間でよく言われることわざの1つですが、家族間でも勿論 この言葉が重要になってきます。
家族や親族は自分にとってはこの世で1番心を許せる身近な存在です。
だからこそ、まずは挨拶『おはよう』から『おやすみ』までをきちんと言い合いましょう。
そして常日頃から感謝の言葉や自分に非がある場合は謝罪の言葉をきちんと言葉に表すのです。
家族全員、それぞれが『ありがとう。』、『ごめんなさい。』が言い合えたら 家庭の雰囲気が良くなると共に、それぞれの意見交換もスムーズに展開されると思います。
ストレス解消法は人それぞれ
ストレス解消法は個々によって様々であると、思うのですが それを徹底的に我慢する必要はないと思います。
例えば…
煙草が吸いたいお父さん、お友達とランチがしたいお母さん、趣味の魚釣りがしたいお兄ちゃん、ゲームがしたい弟、玩具遊びがしたい妹。
それぞれが考えながら行動し、他人に迷惑を掛けない、家族に迷惑を掛けないことを自身が心掛けてさえいたら ある程度は黙認してあげて欲しいのです。
過去に面白い話をされるお客様がいたのですが、『煙草もやめた。ギャンブルもやめた。女遊びもやめた。そしてお酒までやめてしまったら、俺は人間をやめなきゃいけない。』
お酒まで取り上げてしまっては、何の為に働いて 何が楽しくて生きているかが分からなくなると言っていました。
幸い、アルコール依存症では無かったみたいですので 奥様にお酒までは取り上げられずに済んだみたいです。
おわりに
未成年者の心理状態を細かく紐解いて見てみますと、家庭になんらかの問題があるということが分かりました。
その背景に何が起こったのか、原因は何か、と突き詰めていきますと本当に様々であり、大変 難しい問題であると改めて実感いたしました。
最近では小学校入学と同時にスマホを持たせるという家庭も増えているみたいですが、早くからネットという名の危険物を防犯の意味で子供に持たせるというのも、防犯の意味を成してない事案が多すぎる点から疑問の念を抱くと同時に将来的に不安な部分も多々 感じております。
やはり、周りの大人が子供の安全を考慮し、率先して防犯に取り組むべきだと願いながら この記事のまとめとさせて頂きます。
長くなりましたが ここまで読んでいただき、ありがとうございました。