さてはじめるか。
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この"ON KILLING"という原題がついた本、冒頭近くに米軍陸軍准将S,L,A,マーシャルの研究が紹介されていて、第二次世界大戦における米陸軍歩兵中隊は敵との遭遇戦に際して、平均して15%から20%の兵士しか自分の武器を使っていなかったのだという。これが問題となる。
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さらに「発砲しようとしていない兵士たちは逃げも隠れもしていない(多くの場合、戦友を救出する、武器弾薬を運ぶ、伝令を務めるといった、発砲するよりも危険の大きい仕事を進んで行っている」ということで、後に訓練により、ベトナム戦争では90%以上の発砲率となったという。以下、検討していく。
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この「発砲するよりも危険の大きい仕事」の内容が不自然なのだ。そんなにいつも「戦友を救出」する必要があるのか、機関銃の数が少ないライフル中隊で、しかも発砲率が低い状況で武器弾薬を運ぶ必要があるのか、各中隊に無線機があるのにそんなに頻繁に伝令が必要なのか。
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ベトナム戦争では、その発砲以外に必要であると思われる行動をほとんどしなくなったということか。全員が自動火器を装備してより弾薬消費が大きくなったことも考慮されたし。
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さて不自然な部分が大きすぎるので問題のマーシャルのwiki(en)について読んでみる。なんとこの研究は、ほぼ創作に近いものだという批判があるというのだ。 S.L.A. Marshall - Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/S.L.A._Marshall …
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ロジャー・J・スピラーはこう述べている。"invention" "The 'systematic collection of data' appears to have been an invention."
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これであっさりと決着がついてしまった。この本の著者デーヴ・グロスマンについての英語圏における批判もマーシャルの説を無批判に引用しているので、強い批判を受けている。でもまあ日本では概ね賞賛をもって迎えられているようではある。
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ここで終わってもいいのだが、実際の発砲率はどうだったのか、仮にマーシャルが述べたように低かったとしたら、それはなぜなのか、発砲するかわりに何をしていたのかについて考えたい。っていうか、そういうことが書いてある本があるんだよ。
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さて、インターバル的に番外編としてちょっとミリタリ的トリビアを。米軍の「歩兵中隊」とひとくちに言っても2種類あり、3/4はライフル中隊で1/4は機関銃中隊なので、おそらく発砲率に大きな違いがあるはず。この推測の根拠については後でもう一度言及する。
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米軍機甲師団であった話なのだが、ある機甲歩兵中隊が独軍の装甲部隊の反撃にあい、隣接した同じ戦闘団に属する駆逐戦車中隊に支援を要請したところ、無線機が故障して戦闘団司令部の許可が取れないということで拒絶されたということがあったらしく。
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柔軟性のある戦闘団システムを導入した米軍が、その前提である無線が機能しなくなったところで、突然柔軟性を失うという興味深い事例といえるだろう。まあ全体としてはよくできたやりかただと思うのだけれども。
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