第12報 誰も語れなかった真実
① 河野一郎氏の一面(強権的)
河野一郎氏は河野洋平氏の父であるが、農林大臣に就任すると、農地転用の届出
申請を5000坪以上は大臣決裁に改めた。折から高度成長で設備拡張競争をして
いる企業の工場建設ラッシュで、農地転用の申請は多発していた。
このとき河野氏は、農地の転用に関する行政事務に直接関与し、当時の金で五千
万円の政治献金を持参しない企業の申請書類は大臣の机の上に山積して放置した。
当時経済界を牛耳っていた池田勇人氏に対抗しての資金集め策であった。
かつて、吉田内閣打倒で共に戦った三木武吉氏の遺言は、「河野だけは総理の座
に就けてはいけない」ということだった。
三木武吉氏はこの遺言を子分の宇田耕一氏(元科学技術庁長官)に託している。
② 田中角栄氏の一面(悪知恵)
国鉄総裁は戦後、下山定則氏以下、加賀山之雄氏、長崎惣之助氏と不運続きであっ
たが、元満鉄総裁、鉄道大臣まで務めた大物の、十河信二氏に白羽の矢が立てられた。
十河氏は新幹線の建設を進めた人物である。当時労働問題と赤字タレ流しが国鉄を危
機的状態にしていた。
十河氏は就任受諾の条件として代議士の新線建設の陳情は一切断るということで
就任した。
知恵者の田中角栄氏は早速、鉄道建設公団法を議員立法で成立させ、そこに新線
を創らせその運営を国鉄に押し付けた。そのため国鉄の赤字は膨らむ一方であった
国鉄の赤字を増大させ破滅に追い込んだ張本人は田中角栄氏である。
しかも、当時の大蔵大臣水田三喜男氏にいわせると予算単価が、国鉄100に対し
鉄道建設公団は110だと憤慨していたが、10%分はどこにいったのだろうか?
国鉄の労働組合対策を破綻に追い込んだのは、保利茂氏である。沖縄返還の条約
批准案を国会通過させるため当時の社会党と取引して、労組に対する正常化を目指
した、攻撃的労務対策を全て中止させることを交換条件にしたのである。保利氏の
圧力に磯崎叡国鉄総裁は泣く泣く屈服した。
田中氏と保利氏の二人のために国鉄は奈落の底に落ち込んだともいえる。
③ 竹下登氏の一面(詐欺的)
竹下氏は当時の三井グループに、5兆円を用意すれば30兆円を運用させてやると
岡田頭取を騙し5兆円を用意させ、それを全額使い込んでしまった。
この件は、結局中山素平氏が小山五郎氏の依頼を受け穴埋めしてことなきを得た。
しかしその後遺症は今でも残っている。三井住友、特に岡田元頭取はいまだ5千億
円の個人的債務をかかえているはずである。
山 路 信 義
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