「いえっ、あの、今は苛めていません。小学4年生まで・・・」
「いつまでかは関係ないの!苛めていたか苛めていないか、どっち!?」
近藤先生は、僕の言葉をさえぎるようにそういいます。そして「どっち!?」ともう一度詰問口調で聞いて来ました。
僕は確かに、あい子を苛めていたので「はい、苛めていました」と答えるしかありません。そして「でも小学4年生の頃までです」と付け足しました。
「苛めていたんだね。・・・、それとアカネちゃんの事を男女って呼んだんだって、自分の非を責められてそんな事を言うなんて、おかしいと思わないの!?」
「・・・」
「こうた、こっちに出てらっしゃい。」
近藤先生は、僕の腕を掴むと、みんなに見えるように教壇の前に立たせました。
2時間目の合唱会の練習が始まり、近藤先生が来てくれた時には“助かった~”と思ったのに、事態はさらにひどい状況になってしまったようです。
僕は、近藤先生から叩かれるとそう覚悟して前に立ちました。
「こうた、女子のみんなに謝りなさい。あい子ちゃんを苛めていた事を素直に認めなかった事と、アカネちゃんを男女呼ばわりした事を、みんなに謝りなさい。男の子らしく、きちんと謝りなさい。」
僕は、頬を叩かれるかと思っていたので、あやまるだけならいくらでもという気持ちで「ごめんなさい」と女子のみんなに頭を下げました。
「もう、そう言う事を言うんじゃないよ。それと、たしかにこうたはアカネさんにひどい事を言ったかもしれないけど、暴力はいけない事なんだよ。だから髪の毛を掴んだりしたらだめだよ。わかった!?今度から、女子も男子も苛めを見つけたら先生容赦しないからね。」
近藤先生は、そう言い僕に席に着くように促しました。後で聞いた話ですが、女子の中に男子一人の僕を少し可哀想に思ったとのことでした。
それから合唱の練習をして、6時間目の授業が終わりました。
合唱の練習が終わり、教室に戻り帰りの会が終わって、また嫌なパンツチェックがあるかと、僕はうんざりな気持ちでいっぱいになったのですが、近藤先生の言葉で反省したのか、あいこもゆみかもるり子達も何も言って来ず、僕はその日は何事もなく、家に帰る事ができたのでした。
それから、数日が立ち、日曜日が来ました。それまでの間は、特に意地悪をされるわけでもなく、ほとんど無視状態で、少し寂しさはありましたが、意地悪されるよりはマシだったので、あまり目立たないように合唱会の練習をしてすぐに家に帰るようにしていました。ゆみはあの日以来、学校で会っても無視するだけで一言も口をきいてくれなくなりました。
昨日の土曜日は、下校時間に久しぶりにるり子が近寄って来て「明日、約束通り髪の毛切りに行こうね」と言ってきたので、今日は、るり子と一緒に美容院に行く為に、僕は昨日の内に床屋代をもらって、家でるり子が来るのを待っていました。確かに、僕の髪の毛は相当伸びており、早く床屋にいかなくちゃと思っていたので、どうせ行くんだからと半ばあきらめていました。
「こ~うたくん!」
るり子の声がしたので、家を出ると、順子ととみ子も一緒に来ていました。
僕が家から出て、るり子達が歩き始めたので、その後を僕は付いて行きました。
「ちびこう!今日は、可愛い髪形にしてもらおうね。」
振り返りながらるり子が笑みを浮かべて僕にそう言いました。
「女子見たいな髪形にされるってどんな気持ち?恥ずかしくないの?」
とみ子が軽蔑した目で僕を見ます。
「私たち女子の完全な言いなりだね!少し前まで、私に“ワレメ見てやる”とか言ってたのに、ねぇ?」
順子がとみ子に向ってそう言い、僕をちらっと見ました。順子は僕に言われた一言をまだ根に持っているようでした。根に持つだけでなく、何かにつけ、僕を苛めてくるのはその一言のせいだったのかもしれません。他の男子の前では優等生の順子なのに・・・。
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更新お疲れ様です。体調の方は、どうですか?体気をつけて下さい。どんな、髪型にされるか、楽しみですね。その後どんな風にいじめられるか楽しみです。ガンバレ~
2010/3/20(土) 午後 6:01 [ 涼♂♀ ]
「ワレメ見てやる」どころか、おちんちんの皮の被り具合まで知られてしまったのですから、たまりませんね。
2010/3/20(土) 午後 10:03 [ ファン ]
涼様、ファン様、コメントありがとうございます。
涼様、花粉症は少し落ち着いた様です。ご心配頂きありがとうございます。
ファン様、おちんちんの観察はまだこれからありかもです。
2010/3/20(土) 午後 10:17 [ こうたこうた ]