こうたの物語集

ゆみは、さびしそうにそう言い、僕の方をちらっと見て僕の席から離れて行きました。
アカネは、自分のクラスの女子が他の女子達に謝らせられた事に納得がいかない様子で、僕の方を見て、「こいつ、本当に情けない！本当にこのチビ、これでも男か？」と、途中から話に加わっていた、アカネの友達の菊代という女子にそう言いました。
ゆみが僕の席から離れたので、アカネはゆみをかばうような事は言わず、女子達に言われるままになっている僕に興味を持っているようです。
「でもさ、本当に、あい子が泣かしたの？このチビ。」
菊代があい子にそう聞き、「この前まで、このチビに苛められてなかったっけ？」とそう付け加えました。
「うん、この前まではそうだったけど、最近こいつと喧嘩して、泣かしちゃったんだよ。それからは、言いなりのはずなんだけど、今日はゆみちゃんの前だから、カッコつけちゃったのかな。」
あい子の代わりにるり子がそう答えます。
「おい、あい子の事呼び捨てにした事謝れよ！」
ゆみかが、僕の耳元に顔を近づけてそういいます。
僕が黙っていると、ゆみかは「ここでスパルタしようかな～」と言ったので、僕は小さな声ですが「ごめんなさい」とそう呟きました。
「情けな～い。」
アカネと菊代が少し笑いながらそう言います。僕は、顔を赤くしたまま俯くしかありません。そして、ゆみか達が、アカネ達に僕がクラスの女子におちんちんを見られた事を言わないでと祈りながら・・・。
「それにさ、この子、この前私たちのモルモットになったんだよ。」
「ちょっと、順子！」
順子の言葉を止めるようにるり子が慌ててそう言います。僕も、順子の言葉に驚いて順子を見ました。そして思わず「それは、言わんといて！」と声を出してしまいました。
「なんだ、ちゃんと喋れるじゃん。声変りもしてない可愛い声して、何を言われたくないの？ねぇ、順子教えてよ。」
アカネは、僕を馬鹿にしたように笑いながらそういい、そして順子にそう問いかけました。
順子はるり子に止められて、「ごめん、内緒だったね」と僕のクラスの女子達にそう言い、アカネの言葉には返答をしませんでした。
僕のクラスの女子達の反応を見て、アカネは益々知りたくなったのか、「ゆみか、教えてよ！」と強くゆみかに聞きます。
「絶対に言わんといて！」
僕はゆみかにもそう言いました。
「お前、都合がいいんだよ。ゆみの前では、カッコつけてあい子の事呼び捨てにしてたくせに、何をいまさらいってるんだよ。」
ゆみかは冷たく僕にそう言い、僕の頭を軽く小突きました。そして「これ以上、何かしゃべったらスパルタだぞ」とゆみかにすごまれ、僕はまた黙って俯くしかありませんでした。他のクラスの女子にまで、僕がクラスの女子達に素っ裸にされた事を話されるのはとても辛いことです。でも仕方ありません。
ゆみかは、僕にそういうと、「絶対に内緒にする？」とアカネ達に確認をとりました。
ゆみかの言葉に頷くアカネ達を見て、ゆみかはるり子や順子達に「絶対に内緒にするっていうから、教えてあげようよ」と言いました。
るり子も順子もゆみかにそう言われたら反対する理由もないので、「そうだね、アカネ達にも仲間になってもらった方がこれからいいもんね」とそうるり子が言いました。
「じゃぁ、決まりだね。ねぇ、モルモットになったってどういう事？」
アカネが真っ先に質問をします。
「じゃぁ、教えてあげるからもう少しこっちによってよ。」
ゆみかはアカネ達を呼び寄せ、座っている僕を囲むように僕の頭の上で話を始めました。
「あんた達、男のアソコ見た事ある？」
ゆみかの問いにアカネや菊代は少し照れ笑いを浮かべ「あかちゃんのなら、それと低学年の時なら」と答えました。
「男子の体とかに興味はない？」
「無い事はないけど。」
少し笑いながら問いかけるゆみかにアカネ達も照れ笑いを浮かべ答えます。
「でしょ！興味あるでしょ！」
るり子がゆみかとアカネ達の話に割って入るようにそう言います。
「私達も、興味があったから、この子を素っ裸にして、男子の体の構造を全部見てやったわけ。つまり私たちの研究用のモルモットみたいなものだから、モルモットっていうわけ。」
るり子が僕の肩に人差し指を“つんつん”としながらそう続けました。
「うそ～！？」
アカネ達は驚きを隠せず大きな声をあげました。
僕は、アカネ達の声で他の女子達も近寄って来るんじゃないかとひやひやしましたが、大丈夫でした。