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「女子に暴力を振るう子なんて男じゃないよね~。私たちもこいつのパンツ脱がしてやろうか?」
ゆみかの一言に女子達は大爆笑し、そして朝の会の時間になったので、各々自分の席にやっと行ってくれたのです。
朝からゆみか達におちょくられた事で、僕はとても気分が悪くなりました。僕はゆみかを相手にするよりも無視をした方が良いと考え無視をしても、休み時間の度にゆみかは席に座っている僕に近づいてきてちょっかいを出してきます。他の男子たちは、やはり僕がゆみか達とじゃれ合っているようにしか見えない為、僕達には気にも留めていないようでした。
その日はやよい達にも会うことがなく、やっと放課後になりました。僕は、今日の放課後はすぐに家に帰ろうと思っていたので、鞄に教科書をしまうとすぐに教室を出て、家へ向かって歩き始めました。
僕が校門を出ると、後ろからバタバタと駆け寄って来る足音が聞こえます。何気なく振り返り確認するとゆみかとその仲間の女子数人です。走ってどこにいくのかなと思うまもなく、ゆみか達の目的が僕だということにすぐに気付かされました。
「こうた、今日は6年生の子はいないの?」駆け寄って来たゆみかは僕の横に並ぶと、僕を馬鹿にするような口調で言ってきました。僕はゆみかを無視して歩き続けます。
「どうなのよ?こうた?昨日も泣かされたんじゃないの?」
そう言われて、僕は思わずその声の主の肩を弾きました。その声の主はゆみかの取り巻きの一人、美智子のものでした。美智子は授業中や男子の前では自分の意見をいうことができないとても大人しい子だったのです。そんな子に馬鹿にされて僕は耐えることができませんでした。美智子は大袈裟にに肩を抑えていました。
「何するんだよ!こうた!」
「・・・。」
僕はゆみかの声を無視をして歩き続けます。
「美智子ちゃんに謝りなよ。」
ゆみかと同じくらい気の強いみどりも続けて僕の背中に声を浴びせてきます。
「こうた!無視するな!」ゆみかは怒ったような声を上げて僕に言って来ても僕は無視を続けます。僕はゆみかが何を言っても無視し続ければすぐに僕をおちょくることに飽きるだろうと思っていたからです。
しばらく歩いて川沿いの歩行者専用道路に入ったとき、いきなりゆみかは僕の頭を平手ではありますが、かなり強い力で叩いてきました。「無視するな!こうた!」そう言いながらもう一回僕の頭にゆみかは手のひらを落としました。
2発も頭を叩かれた僕は頭に血が上り「何すんだよ!」とゆみかに向かって怒鳴りました。頭にきていた僕はゆみかに向かって行き「いい加減にしろよ!」と言いながらゆみかの左腕を叩きました。
ゆみかは、「いたっ!」と声を上げて痛そうな顔を一瞬しましたが、朝と同じようにニヤッと笑い他の女子達に「6年の女子には何も言い返せないくせに!」そう言いました。
僕は、ゆみかに背を向けると、逃げるわけではありませんが早足で家へと歩き始めました。早足で歩いてすぐに、僕は背中のランドセルに衝撃を受け、前に転びそうになりました。ゆみかが僕の背中のランドセルを蹴っ飛ばしたようです。
僕は怒りにまかせてゆみかに向かって行きました。僕より10cm近くゆみかの方が背が高く体格的には僕の方が劣っているかも知れませんが、同じ年の女子に負けるわけはありません。ランドセルを蹴られて頭に血が上った僕は、“ゆみかを泣かせて二度と僕に逆らえないようにするしかない“と考えたのでした。
僕の怒った顔を見て、ゆみかは一瞬たじろいだように見えましたが、すぐに“何!文句あるの!?”と言う様な顔になり、僕を睨んでいました。
僕は、そんなゆみかに近づくと肩まで伸びた髪の毛を掴み、ゆみかを前屈みにして、ランドセルを掴むと思い切り倒しました。そしてお尻と太ももの辺りを踏みつけて蹴飛ばしました。ゆみかの仲間の女子達は悲鳴のような声を上げています。
僕と同じ学校指定の半ズボンを履いている為に露出したゆみかのふとももには僕の靴の足跡がついています。半ズボンにも土が付いて足跡のように白くなっていました。
“これでゆみかは僕をおちょくらないだろう”そんな事を僕は考えていました。何故ならこの戦法は僕の必勝パターンだったからです。これでクラスの男子や他のクラスの男子を何人も戦意喪失させ泣かしたりしていたくらいですから・・・。
うつ伏せに倒れたゆみかを見て僕は“ざまみろ”と思いながら見ていました。そして「もう馬鹿にするなよ」と言おうと思った時、ゆみかが少しすりむいた膝を気にしながら、お尻と太ももの土を払うと無言で起き上がって来ました。
血の気の引いたゆみかの顔を見た僕は情けないことに“恐怖”を感じてしまいました。
“恐怖”初めて体験する感覚です。
能面の様になったゆみかの顔を僕はまともに見ることができず、今度は本当に逃げるように家へと走り始めました。
僕は走り出してすぐにゆみかに髪の毛を掴まれ、そしてゆみかの方へ顔を無理やり向かせられるとゆみかは僕の左頬を思い切りびんたして来ました。
一発!二発!僕は「ひっ、ひっ」と声にならない声を出すしかありません。
僕は三発目を受ける前に叩かれないように顔を背けたのですが、背け方が悪く、ゆみかの手のひらは僕の鼻に当たってしまい、僕は鼻血を噴出すことになってしまいました。
ゆみかは僕の必勝パターンを受けて、戦意喪失どころか“キレテ”しまったように、何かを叫びながら僕の頭や頬を何度も叩いて来ました。
僕は怖さと痛さで泣くしかありませんでした。泣いて許してもらうしかないと思ったからです。
ゆみかの仲間の女子達がゆみかに声を掛けようやく僕への攻撃をやめてくれました。
僕は、しゃがんだまま両手で顔を隠すように泣いているしかありませんでした。
「こうた、立てよ!」ゆみかの声で両手の隙間からゆみかを見ると、さっきまでとは違いゆみかを大きく感じました。
「これで、鼻血拭いたほうがいいんじゃない」とゆみかの仲間の恵子がしゃがみこんでいる僕にポケットティッシュを投げてよこしました。僕はそれで鼻血を拭き、ついでに涙も拭きました。恵子もクラスでは大人しい女の子です。
「泣いてないで、立てよ!」みどりに右手を掴まれ、左手をゆみかに掴まれ僕は強制的に立たされ、川辺にある木の生い茂った歩行者専用道路からは死角になる場所までつれていかれたのです。
続く
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久しぶりの更新、ありがとうございました。待っていた甲斐がありました。いよいよ?のようですね。楽しみです。
2008/7/6(日) 午後 3:47 [ ファン ]
いつもコメントありがとうございます。
また今週土日に更新します。
2008/7/9(水) 午後 11:15 [ こうたこうた ]
お返事、ありがとうございます。
またすぐに更新とは本当に嬉しいです。
小学校高学年の頃は、女子の方が、体格も体力も力も性的にも精神的にも知識でも・・・あらゆる面で男子を上回っています。一方男子の方は男としてのプライドだけはとても髙くなる頃です。イアルでMな年頃だと思います。
2008/7/10(木) 午後 11:41 [ ファン ]
更新ありがとうございます。
続きがとっても楽しみです。
2008/7/14(月) 午後 0:00 [ masa ]