こうたの物語集

放課後にズボンとパンツを脱がされてしまった僕は、その日から少し大人しくなったような気がします。クラスの女子に対して、おちんちんを見られてしまったという恥ずかしさといくら年上とはいえ女子に泣かされてしまったという劣等感が、なるべく目立たないようにしようと僕をさせたのかもしれません。

翌日学校に行くと、放課後一緒にいた女子達が、僕を見つけると、僕に見えないように僕を指差し、「あの子、昨日泣かされたんだよ。」「それで・・・ちんちん・・・」詳しくは聞こえませんが、昨日の事を他の女子に話をしているようです。
一緒にいた友人は、僕に話しかけてきません。気のせいかもしれませんが、一緒にいた友人だけではなく、他の男子も話しかけて来ないように感じました。
僕は一人だけ腫れ物を触るようにされているように感じとても寂しく感じました。
朝の会が始まる時間までとても長く感じましたが、ようやく朝の会の時間になり、僕の隣の席にも人が座りだし、僕一人だけ座っているという事はなくなったので、少し孤独感はなくなり、昨日の事は忘れて、みんなと普通に接しようと思い始めていました。
朝の会が始まり、今日のニュースという毎日一人ずつ順番でニュースを発表するコーナーがあるのですが、そこで僕はびっくりしました。今日の発表者は昨日放課後一緒にいた女子です。今考えれば、その女子は悪気はなく朝の会を面白くしたかっただけかも知れません。
「昨日の放課後私たち5人と6年生の女子二人とけんかになって、男子が助けに入ってくれたんですが、＊＊＊君が逆にその6年の女子に泣かされて、パンツもズボンも脱がされてフルチンにされて、とてもびっくりしました、というのが今日のニュースです。ちなみに私も見ちゃった。」
その発言と共に笑い声が漏れ、クラスの視線が一斉に僕に集中しました。僕の席は幸いにも一番前だったので、みんなの視線を避けるように黒板を見ていました。
朝の会が終わると、クラスの男子が何人かが近寄って来て、「お前、本当に脱がされたの？」と笑って話しかけて来ました。恥ずかしさもありましたが、学校に来た時の孤独感はなくなり、無視されているわけではないんだ、変わらないで接してくれるんだと安心したことを覚えています。
ところが、女子は少し事情が違っていました。女子は完全に僕を舐めているというか、馬鹿にしているというか、他の男子に対する対応とは明らかに違っていました。
その日の放課後、本当は昨日やるべき宿題だった図工の絵を昨日泣かされたことにより画材を教室に置いて帰った為できず、僕は一人で教室で図工の宿題の絵を描いていました。宿題が終わりそうになった時、女子が５，６人教室に入って来ました。同じクラスの女子ですが、この女子達は元々僕とあまり仲が良くなく、いつもつまらない事で言い争いをしているグループです。僕は、無視をして絵を描き終えようと絵に向かっていました。女子たちは僕を見つけると、一瞬顔を見合わせ、ニヤニヤと近づいて来ました。
「＊＊＊、何やってんの？」リーダー格のゆみかが僕を馬鹿にしたような口ぶりで聞いてきます。もっとも彼女の口の利き方は、僕が泣かされる前からなのでそれは気にはならなかったです。僕は、無視して絵を描き続けていました。するとゆみかは、無視をされて少し怒ったのか、「何してるかって聞いてるの！」少し怒気を荒げました。
僕は、「図工の宿題の絵を描いてるんだよ！」僕も少しむくれて答えます。
「何で、今日やってんの？昨日の宿題でしょ？昨日なんでやってこなかったの？」
「あ、そうか。昨日はフルチンにされたんだもんね。本当にされたの？」ゆみかはニヤつきながら聞いてきました。他の女子も笑っています。
「お前には関係ないだろ！うっとおしいから帰れよ！」
「私たちが教室にいるのは勝手でしょ！帰るんならあんたが帰ればいいじゃない！」
僕は相手をしても無駄だと思い、宿題の絵も描き終えたので帰り支度を始めると、「もう帰るの？私たちが怖くて逃げて帰るの？私たちはパンツを脱がしてフルチンにはしないわよ～」そうおどけて言いました。言ったゆみかは大笑いし他の女子も「フルチン、フルチンって言わないでよ～。」と大笑いしています。
僕は、帰り支度を終えて「お前らの相手なんかしてられるか！」そう捨て台詞を発して教室を出ました。僕が教室から出ると、教室からまるで僕をあざ笑うかのような女子たちの笑い声が聞こえました。

その時僕は、数日後、彼女達の前で物凄く恥ずかしい事をさせられると思いもよらずに・・・。

続く