阪神が来季の新外国人として、ジャスティン・ボーア内野手(31)=エンゼルスからFA=と基本合意したことが27日、分かった。メジャー通算92本塁打の長距離砲。近日中に細部を詰めた上で契約を交わし、正式発表される見通しだ。
05年以来となるリーグ優勝へ、待望の4番候補を迎え入れた。体重122キロとど迫力のボーアは、過去3度のシーズン20発超え。左打者が不利とされる甲子園も全く問題なさそうだ。「古くはバースとかに似てますね」と、伝説の助っ人とイメージをダブらせたのは谷本球団本部長。5年越しの“恋人”でもあった。
同本部長は15年6月に米国を視察し、イチローが在籍していたマーリンズの試合を観戦。マ軍の4番として、右中間の最上段へ特大弾を打ち込んだのがボーアだった。「記憶に残っていたし、ずっとリサーチしていたということです」。今オフも早くから上位にリストアップ。並行して獲得調査していたタイラー・オースティン内野手(28)=前ブルワーズ=がDeNAに獲得されて以降、ボーアに絞って動向を追ってきた。
年俸は今季の250万ドル(約2億7500万円)以上となる見込み。1年契約だが、チームの命運を懸けた大型補強といえそうだ。守備位置は一塁。投手のガルシアとともにこの日、来季残留で基本合意したマルテには三塁起用が浮上した。今季の538得点は12球団最少。成長株の大山が二塁へまわれば、超攻撃的布陣も夢ではない。17年12月にはイチローに弟子入りし、神戸で自主トレに励んだことでも話題になった親日家。バース級の巨漢スラッガーに期待大だ。
◆ジャスティン・ボーア(Justin Bour)1988年5月28日、米ワシントンDC生まれ。31歳。09年ドラフト25巡目でカブス入団。14年にマーリンズでメジャーデビュー。15年からイチローとプレーし、17年に自己最多25本塁打をマーク。18年途中からフィリーズ、今季はエンゼルスで大谷の同僚となり52試合で打率1割7分2厘、8本塁打、26打点。メジャー通算は559試合、92本塁打、打率2割5分3厘。193センチ、122キロ。右投左打。
◆伝説のバース 虎ファンから「神様」とあがめられる最強助っ人。83年に加入し、3年目に大爆発。打率3割5分、54本塁打、134打点で3冠獲得。21年ぶりのリーグ優勝を決めた日は、容姿が似た「カーネル・サンダース人形」が道頓堀に投げ込まれた。86年はプロ野球記録の打率3割8分9厘、47本、109打点で2年連続の3冠王。88年途中に家族の事情を巡って球団と対立し退団。NPB6年間で202本塁打、通算打率3割3分7厘。以降、球団では何人もの助っ人が「バースの再来」と期待されてきた。