ロンドン=河原田慎一
イタリア北部ピアチェンツァにあるリッチオッディ美術館で、1997年に盗まれたオーストリアの代表的な画家グスタフ・クリムトの絵画とみられる作品が、建物の外壁の中から見つかった。保存状態は非常によいという。22年前に盗まれた作品が、なぜ外壁の内部に隠されていたのか。突然の発見に、イタリア国内の関心が集まっている。
盗まれた絵画は、1917年に描かれた女性の肖像画で、この美術館に収蔵されていた。伊メディアによると、今月10日に同館の掃除をしていた庭師が、ツタに覆われた金属製のドアが外壁にあるのに気づき、内部を確認したところ、黒い袋の中に入った作品を見つけたという。
この作品が盗まれた当時、警報装置は作動せず、屋根に額縁が残されていたことなどから、警察当局は、釣り糸のようなものを使って絵を壁から外してつり上げ、天窓を通して盗まれた可能性があるとみていた。事件後に館内をくまなく捜索したが見つからなかったという。警察当局は今後、作品の鑑定を進めるとともに盗難の経緯について調べるという。(ロンドン=河原田慎一)
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