学生の予習、復習の目的でこちらのページに記載しています。
How to improvise とはどんなクラスか?
アドリブをどうやってやるのか?
又はアドリブがどうやったら上手くなるのか?
という疑問に答える?というよりも、
アドリブには
こんな考え方が…
こんな練習方が…
「有るよ」
といったようなアドリブに関する情報の「カタログ」
というイメージで授業計画を作りました。
Part2_Blues Scale
ジャズを学ぶとき、避けて通れないのがブルースです。
ブルースって言葉はいろんな意味があります。
ジャンルを表すブルース・・・
雰囲気(フィール)を表すブルース・・・
構成(12小節)を表すブルース・・・
等等・・・
ここではアドリブを練習するための
「素材(スケール)」としてのブルースを取り上げたいと思います。
ブルースを練習する時まず最初にやれば良いのは・・・
ちなみにスケールというのはアドリブを練習するときに、
非常に便な利なTools(道具)です。
スケールはメロディやコードを構成する元になったり、
練習するときのシークエンス(パターン)を作ったり、
作曲のためのアイデアの元にしたり・・・
いろんな音楽創作のために役立つアイテムです。
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よく、生徒達から「スケールとモードって違うのですか?」
という質問を受けます。
(ノ_・。)ややこしいですね~~~
ジャズに限らず「理論」というのは、どうしてこう、言葉が多いのでしょうか?
学ぶ方ではなく、教える方に都合の良い?
「理論」になってるのでは?(これは教育現場全てに言えますな・・・)
と思う今日この頃です。
そんな時に僕は、
( ̄ー☆
スケールというのは「音の集合体」
モードというのはその「集合体の中に秩序」を与えたもの。
その秩序とは、「どの音を中心とするか?」
と、いう風に答えたり・・・
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
「メージャー」というのはファミリーネーム(姓)
「各モード」はその家族の構成員(名)
と答えたり・・・
*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
メージャー・ファミリーには
それぞれ性格が違う7人の兄弟がいる・・・
と、いったり・・・
♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪
音の引力によってスケールは7つのモード(ムード)に変化する!
といってみたり・・・
いろんな言い方で、説明しようとするのですが…
・・・スケールは「始まる音」が違うと全く性格(サウンド)になる。
これが、スケールとモードの「関係」を簡素に説明したものです。
「始まる音」のところには、
(最も重力を感じる音)(最も低い音=ルート)
と入れた方がより核心に近いですね。
そもそも最初に言った、
『スケールとモードは何が違うのか?』
という質問自体が「矛盾」してるのですね。
スケールとモードは「違うものである」のではなく、
「同じ物の別の見方」ということです。
メージャースケールとドリアンは同じ物なんです。
でも違うんです・・・?
何が?
「サウンド」が違うんです。
こんな風に理解してください。
「メージャースケール、一家の2番目の兄弟がドリアン君」
性格はクール!ちょっと暗い!?
「メロディックマイナー、一家の4番目の兄弟がリディアンb7君」
ひねくれ者でだけど、役に立つ奴!?
スケールには7つの音があります。
その一つ一つをスタートポイント(根音)にして弾いてみると、
個性が変わります。
7人兄弟なんです。
その個性に対して名前を付けたのが「モード」というものなのです。
モードを元にしてアドリブ又は曲を考える、
という行為?は、
別にジャズのみにあらず、
ロックミュージシャン達(特に70年代)
の楽曲に非常によく見られる特徴です。
いわゆるモード音楽といいまして、
モードのサウンドの特徴を理解して聞き取れる様にすると、
自分の作編曲、アドリブに活かす事が出来ます。
ビートルズの
「ノルウェーの森」=ミクソリディアン
「エリノアリグビー」=ドリアン
レッドツェッペリン
「天国の階段のジミーペイジのソロ」=エオリアン
「ノークォーター」=ドリアン
フランクザッパ
「インカロード」=リディアン
ジェフベック
「レッドブーツ」=ミクソリディアン
「ダイアモンドダスト」=ドリアン
「スキャッターブレイン」=ドリアン
「フリーウエイジャム」=ミクソリディアン
等等、今の若い人には「そんなん知らん!」
って言われそうですが・・・
アーティストそれぞれに好きな「モード」があるんですね~
っと言う話・・・
モードについてはいずれ又詳しく・・・
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スケールの中でも特に有名なのが
ペンタトニック・スケールです。
これも一つのモードです。
なぜならば色合いがあるから。
ブルースはコード進行が変わっても、
元のキー(調)の事だけを考えてれば良い・・・?
という実に簡単な、しかし、
説明するとよけむずい・・・
要するに一発ものといわれる、
コードが変わっても一つのキー、
またはスケールを元にしてアドリブできる、
という素晴らしい特性を持っています。
この世にはいろんな5音階があるのですが、
ここで取り上げるのは次のスケールです。
Cマイナー・ペンタトニック・スケール
このスケールはブルースのコード進行の上で
大変良く(心地よく)響きます。
Cのキーのブルースは次の進行です。
[|:C7|F7|C7|C7|
F7|F#dim|C7|A7|
Dm7|G7|C7A7|Dm7G7:|]
まず、サウンド・カラーの性格をつかんでください。
左手でブルースの各コードを(ルバートで)弾きながら、
右手でペンタトニックスケールをランダムに弾くのです。
歌いながらやっても気分いいですよ。
Cマイナー・ペンタトニック・スケール+ブルーノート(ブルース・スケール)
このブルーノートといわれるb5の音、
この音がハーモニーに与える影響は多大なものがありました。
特にデューク・エリントンはこのサウンドを本当にうまく使い、
メロディーにハーモニーにキャラクターを与えた楽曲を多く残し、
後のジャズ界に大きな影響を与えました。
ジャズのアドリブはコード進行に対して、
忠実で無くてはいけない!という、
「教え」があります、が!
アドリブは「コード進行の僕」であってはいけません。
メロディはメロディ、コード進行はコード進行、
という風に独立して考えないと、
ただコードを追っかけるだけのアドリブになってしまいます。
もちろんコード進行を追っかけられる感覚を、
テクニックとして持つ事は必要です。
特にビバップに代表されるジャズらしいとされているアドリブを、
身につけるためには鍛錬しなくてはならないです。
でも、このブルース・スケールでスキャットをするような感覚、
ゴスペルやソウル、ファンクのボーカリストがやるような
「コブシ」も身につけたいテクニックの一つです。
自分の楽器で(ドラムの方は歌で!)
このスケールを使ってアドリブしましょう!
伴奏の上で歌うのがコツです。
サウンドの上で練習しましょう。
まずはブルースの上で。
Kenny Burrell - Chitlins Con Carne
これはCのブルースです。
これにあわせてブルース・スケールを弾いてみてください!
たのしいよ~
Dig it!
メージャー・ペンタトニックを使うとさらに世界が広がります。
Cメージャー・ペンタトニック・スケール
Cメージャー・ブルース・スケール
ブルースにコード進行感を与える事ができます。
簡単に説明すると、
そのキー(調)の中には、
マイナーを連想させるコードと、
メージャーを連想させるコードがあるのです。
M=メージャー
m=マイナー
Ex1)
それを利用すると、
ブルースフィーリングと、
コード進行感を融合させる事が出来るのです。
Ex1)の譜面を見ながらコードを左手で弾きながら、
右手でメージャー、マイナーペンタトニックを弾き分けてみてください。
C7からF7に行く時、グッと来ませんか?
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次の例はマイナーペンタとメジャーペンタ、
両方を使い分けて作った書きソロです。
これを弾いてみるとコードが鳴ってなくてもコードが進行してる、
いわゆるジャズっぽさが楽しめます。
ブルースのサウンドは耳で聞いて覚えていくのが、
とにかく最良の方法です。
上記のようにスケールを設定して、
ある意味「自動的」に、ブルースっぽくする方法は、
一見便利でお得な感じがする物ですが、
実際のブルースのプレーヤー(BBキングやエリック・クラプトンのような)
が上記のような理屈やテクニックを考えて演奏してるなんて事は、
考えられません。
とにかく聞くにまさる師は無し、と言う事は心して下さいね。
ブルーススケールが堪能できる動画!