学生の予習、復習の目的でこちらのページに記載しています。
How to improvise とはどんなクラスか?
アドリブをどうやってやるのか?
又はアドリブがどうやったら上手くなるのか?
という疑問に答える?というよりも、
アドリブには
こんな考え方が…
こんな練習方が…
「有るよ」
といったようなアドリブに関する情報の「カタログ」
というイメージで授業計画を作りました。
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こと、ジャズのメロディ、すなわち「音使い」に関する要素の中で、
最も「ジャズっぽい」特徴をを持つテクニックが今回の、
「アプローチノート・テクニック」です。
このテクニックは「楽器」によって、
やりやすさとか、ニュアンス(表情)の付け方に特徴が現れる、
面白い「練習法」だと思います。
「アプローチノート・テクニック」を分かりやすく呼ぶならば、
「くねくね奏法」とでも言いましょうか・・・?
特に、トランペットはクロマチックのパッセージがやりやすい楽器構造から、
半音を上手く使った面白いフレーズの演奏を聞く事が出来ます。
クリフォード・ブラウン
ケニー・ダーハム
マイルス・デイビス
ファッツ・ナバロ
などを是非参考にしてください。
次にくねくねトランぺッターの名盤を貼っておきます。
クリフォード・ブラウンなら・・・
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Night at Birdland 2/Art Blakey
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ケニー・ダーハムなら・・・
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マイルスデイビスならば・・・
コンプリート・ブラックホーク/マイルス・デイビス
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これらのアルバムにはビバップ、ハードバップ期の
クロマチック・アプローチ・ノート・サウンドを、
満喫できるアルバム達です。
素晴らしい先人達のアイデアをお楽しみください。
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アプローチノートとは、ターゲットノート(通常コードトーン)
に対して「半音で解決する音」です。
次に示すのが基本ルールです。
各アプローチノートについている、
シングル、ダブル、サンドイッチとか言う名前は、
分類する為に僕が勝手に名前をつけました。
半音上から半音下から、を基本にして、
それを両方使うか、もう一つ半音を足すか、
によって、12種類のアプローチノートが出来ます。
コードトーンの半音上から半音下と言うのは不安定な音です。
と、言うよりもそのまま延ばしておけば「間違い」ですね。
早く上か下かに解決してくれー!って叫んでます(内心では)
その不安定な音が解決する、
そしてまた新たなコードトーンのアプローチノートへと・・・
緊張と緩和を繰り返し、
即興で行う自由なメロディラインの中に、
「不安定」をコントロールする「秩序」が生まれます。
で、コード進行の中でこのアプローチノートテクニックがどういう風に機能するか・・・
エクソサイズを紹介しましょう!
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先ずはルートに対して半音下から。
リズムは必ずターゲットが8分音符で次の小節に食い込むように弾きます。
そうする事によって早めに次のコードの事を考える「癖」がつきます。
そしてそれはすごくアドリブという「能力」においてはすごく大切な事です。
root,3rd,5th,7th,9th,11th,13thのそれぞれの音に対して、
最初に示した12のアプローチノートを着けていきます。
是非やってみてください。
このエクソサイズは、なかなか面白いですよ。
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それでは今度は1小節の中に2つの音を用意しましょう。
最初は1、3、5のトライアドの中から選ぶのが良いでしょう。
その方が安定したサウンドが得られますので分かりやすいです。
その2つの音に対して12のアプローチノートを当てはめていきます。
どんな感じしますか・・・?
緊張→緩和→緊張→緩和→緊張→緩和→緊張→緩和→
を感じますでしょうか?
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ジャズのアドリブは頭の体操です(ある意味)
よく巷で、
「やっぱジャズは耳だよね!!」
とか、
「ソルフェージが大事、だって聞き取れなきゃ意味ないっしょ!!」
などという(乱暴な)意見が横行しておりますが・・・
音楽をする為の「耳」とは、なんなのでしょうか?
絶対音感や相対音感などと、巷では良く噂にされますが、
「動体聴力」こそが大事
だと、僕は思っています。
:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
幼い頃からクラシックの教育を受けていた人達の方が、
ソルフェージ(聴音)的能力が高いのは当たり前・・・
ではその教育を受けていない人たちは「音楽的能力」が低いのでしょうか?
否!
ちなみに僕はソルフェージ的能力はからきし駄目です。
例えばラーメン屋で、ジャズが流れてきたとして・・・
「あ、ソニー・ロリンズや!」
とか、
「やっぱ、グラント・グリーンはええな!
っていうことは分かります。
しかし、あの音はAだ!とか音楽を聴くと音符が見えてくる、
といったことは全くありません。
絶対音感はもちろん、相対音感も怪しいものです。
しかし、実際の演奏の時に、そんなに困った事はありません。
楽器を持っていると、分かるんです。
楽器(ギター)は僕にとって、ちょうど「そろばん」の様な存在?なんです。
暗算が得意な人が、手でそろばんを打つ様な仕草をしてを「計算?」してるのを見たことがあるのでは?
ちょうどあんな感じです。
楽器が僕の耳になってくれたのです。
:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
僕が言っている「動体聴力」というのは、
練習と言うゲームで鍛えられる、
「音」を「楽」しむ為の能力のひとつです。
わかりやすくいうと、音の「ボケと突っ込み」です。
何か音が出た時に、それに対して反応する、
それが、「動体聴力」です。
何か感じたら、それに対して反応する、という、当たり前の事。
今日のお題であるアプローチノートテクニックも、
その訓練法の中の一つとして紹介しました。
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音楽家にとって、「耳」の問題は非常に大きく、
精神的に、ものすごく影響を与えると思います。
よく子供の頃、「僕が見てる赤は、他人と同じ赤なのか?」問題!
というのがありましたね。
自分が持ってる感覚が他人より劣っているのではないか?
自分は能力が低いのではないか?
・・・と思ってしまう年頃・・・
「問題」
これは僕も若い頃経験しましたし、
自分の将来に対する不安の中の大きな部分を占めていました。
「音楽教育」の問題点・・・
それは、音楽を作ったり表現したりする事には、
「能力」があるのではないか?と、学習者に思わせてしまう事です。
音楽を作ると言う事は、「能力」ではなく、「想像力」です。
「おもろい事を思いつく!」と言う事なのです。
もし、義務教育のように、
全員が同じ能力を着ける事を目標に音楽教育を行ったら、
「好き嫌い」ではなく、
「善し悪し」の尺度で音楽の世界が進行していくのでしょう?(おそらく)
僕は、善し悪しの音楽なんて聞きたくありません。
RCサクセションもウエス・モンゴメリーも、
チックコリアもローリングストーンズも、
YesもWishbone Ash(最近ハマってる)
多くの人達の琴線を震わせる素晴らしい音楽です。
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自分の意見をコンプレックス無しに言える。
そんな「多様性」が現在の芸術を生んできたはず・・・
数学も物理も元はといえば、
人間の想像力(芸術)を助ける為の道具だったはず・・・
それが今は、
文法の為の文学、
理論の為の音楽、
秩序の為の教育、
になっていないでしょうか?
優劣をつけるための教育になっていないでしょうか・・・?
それが「コンプレックス」という拘束衣を生み出してるのでは?
これからの未来人達が勇気を持って歩めるように、
我々大人がしっかりとした知識、情報を彼らに見せられるよう、
責任を持って「勉強」して、伝えていきたいと思います。
下の文言は
7つの社会的罪~Seven Social Sins~マハトマ・ガンジー
です。
1.理念なき政治 Politics without Principles
2.労働なき富 Wealth without Work
3.良心なき快楽 Pleasure without Conscience
4.人格なき学識 Knowledge without Character
5.道徳なき商業 Commerece without Morality
6.人間性なき科学 Science without Humanity
7.献身なき信仰 Worship without Sacrifice
こうなってはいけない!
っていう教えだそうです・・・
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最後に今日の記事に関する動画を貼っておきます。
いずれもジャズのグレートパフォーマンスの中の一つです。
クリフォード・ブラウン
ケニー・ダーハム
マイルス・デイビス
コードをより良く表現するためのテクニックだったはずの、
アプローチノートを、コードを曖昧に表現する為のクロマチシズムに発展させていった、
マイルス・デイビス・クインテットの演奏です。
理屈を超越した感覚が無くてはこの演奏には絶対にならないでしょう。