学生の予習、復習の目的でこちらのページに記載しています。
How to improvise とはどんなクラスか?
アドリブをどうやってやるのか?
又はアドリブがどうやったら上手くなるのか?
という疑問に答える?というよりも、
アドリブには
こんな考え方が…
こんな練習方が…
「有るよ」
といったようなアドリブに関する情報の「カタログ」
というイメージで授業計画を作りました。
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今回のお題は、リズム・チェンジとチャーリー・パーカーです。
リズム・チェンジの語源は
ガーシュインの「アイ・ゴット・リズム」から来てるそうです。
リズム・チェンジのコード進行
A)
||Bb G7 |Cm7 F7 |Dm7 G7 |Cm7 F7 |
|Bb Bb7 |Eb Edim |Dm7 G7 |Cm7 F7 ||
A')
||Bb G7 |Cm7 F7 |Dm7 G7 |Cm7 F7 |
|Bb Bb7 |Eb Edim |Bb F7 |Bb ||
B)
|D7 |D7 |G7 |G7 |
|C7 |C7 |F7 |F7 ||
A")
||Bb G7 |Cm7 F7 |Dm7 G7 |Cm7 F7 |
|Bb Bb7 |Eb Edim |Dm7 G7 |Cm7 F7 ||
BeBop時代のミュージシャンは
このコード進行を使って
様々なメロディを作り出しました。
ジョージ・ガーシュインの
「アイ・ガット・リズム」
デューク・エリントンの
「コットン・テイル」
チャーリー・パーカーの
「アンソロポロジー」
「ムースザ・ムーチェ」
セロニアス・モンクの
「リズマニング」
マイルス・デイビスの
「ザ・テーマ」
ソニー・ロリンズの
「オレオ」
ソニー・スティットの
「エターナルトライアングル」(ブリッジが違う)
とまあ、ざっと有名な曲をあげるだけでもこれだけ多くの曲があります。
全て、同じコード進行(若干リハモあり)に基づいて作られています。
リズムチェンジはブルースと共にジャム・セッションで演奏する、
代表的な楽曲(コード進行)で、
このコード進行で、いかにクリエイティブな演奏ができるか?
ってなことが夜な夜な争われたりします・・・(-。-;)
キーはBbって決まっています
時々違いますけどね・・・
リズムチェンジのフレーズは循環コードのフレーズ、
という事は必ず元に戻ってくる為の、
解決させる為のフレーズって言う性格を持ってるので。
結構いろんな状況で使える便利なフレーズが作れます。
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チャーリー・パーカー(as)1920年8月29日 - 1955年3月12日
彼はこのコード進行を使っていろんなメロディーを創作し、
後世のミュージシャン達がこぞってそれを練習し、
そこから、新しいアイデアが次々と生み出されて来た。
チャーリー・パーカーの残したジャズにおける最大の功績は。
ハーモニーとリズムの旋律化?
だと思います。
旋律(メロディ)の中にリズムとハーモニーが感じられる、
ということです。
いったいどこでそうなったのかわかりませんが、
チャーリー・パーカーの以前に彼のような発想がある人が見当たりません。
彼以前の優れたインプロヴァイザーと言えば、
レスター・ヤング(Lester Young、1909年8月27日 - 1959年3月15日)
コールマン・ホーキンス(Coleman Hawkins、1904年11月21日 - 1969年5月19日)
が有名ですが、彼らのコードトーンとアプローチノート中心の、
メロディックなソロラインに対して、
チャーリーパーカーのハイブリッド(テンション感)
かつクロマティカルなラインに、強力なシンコペーションが加わり、
彼一人のソロなのに、
ドラマーとピアニストが後ろにいるような錯覚を起こす、
そんなアドリブを確立したのです。
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ここで少し彼の曲を見てみましょう。
アンソロポロジーというリズム・チェンジの曲です。
パーカーメロディの特徴であるリズムとハーモニーの同期とは、
コードトーンと、アクセントをうまく使って、
・単旋律(和音が無い)なのにコード進行が聞こえてくる。
・ドラムのアクセント(フィルイン)が聞こえてくる。
この2つの特徴でしたね。
アクセントって言うのは元来、メロディをサポート(歌いやすく)するため
ドラムやピアノがメロディのバックで「ッチャ!ッチャ!」とか入れる、
「あいのて」です。
ビバップ以前のスイング時代(1920年後期~1930年代)は
ビッグバンド全盛の頃なので大方アレンジされた楽曲が多いので、
全員でメロとバッキングを分担してやってたのですが、
チャーリーはどういう訳か、そのビッグバンどのようなサウンドを
一人で(しかもサックスで)できないかな?って思ってしまったんでしょう(おそらく)
ひょっとして、友達がいない孤独な少年だったのか、もしれませんね・・・?
まあそれはわかりませんが、
それにしてもこれだけのロジックを確立するために費やした時間は、
半端じゃないと思いますが・・・
アクセントだけを抽出してみましょう。
アクセント(シンコペーション)の位置に、
コードの動きを示唆するような音が選ばれています。
アクセントとコード・トーンが上手く機能して、
ドラムの左手(スネア)にピアノのコードが付いているみたいな効果を出しています。
チャーリーパーカーは
他にもこのアイデアを使って、
素晴らしい作品を数多く残しています。
例えば・・・
ムース・ザ・ムーチェ
オーニソロジー
コンファメイション
デクスタリティ
ブルームディド
リラクシン・アット・カマリロ
ビリーズ・バウンス
ナウザ・タイム
等等
アクセントとハーモニーに注目してこれらの曲を聴いてみてください。
百聞は一見(一聴)にしかず
という訳で、「ビバップらしさ」を表現する為のひとうのアイデアを紹介しました。
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それでは、このリズムチェンジのコード進行を使っていろんなソロを考えましょう!
☆まずはコードトーン(1357)のみで
(カクカク、ピコピコした感じで練習っぽくてあまりジャズっぽくありません)
☆テトラトニック(1235)を使ってみよう
2の音が入る事で少し滑らかに動くになります。
☆アプローチノート&ビバップスケール(クロマチック)
半音が入る事でかなりクネクネしたサウンド(ジャズっぽい?)になります。
が、しかし、コードを表すことが難しくなるので、
ターゲットノートに注意しなくてはなりません。
☆アクセントを使って、もっとビバップ風に!
と、今回はリズムチェンジを使ってビバップに迫ろう!でした。
リズムチェンジはコード進行が2拍ずつ変わる、
大変料理するのに困難な素材ですが、
全体を一つのキーで捉えて、
ブルースのようにシンプルに考える事もできます。
いろんなミュージシャンのリズムチェンジを聞いて、
感じをつかんでくださいね。