朝夕刊浜松・渚園 松くい虫被害深刻◆500本伐採進める
浜松市西区舞阪町の公園「渚園(なぎさえん)」で大量の松枯れが発生し、市は、被害拡大を防ぐため、全体のほぼ二割に当たる五百本の伐採を始めた。松くい虫が原因という。松は市の木に指定されており、渚園でこれほど大きな被害は近年ないという。 西区役所によると、渚園には二千四百本ほどのクロマツがあり、防風や景観保全に役立っている。通常は市から委託を受ける民間の指定管理者が枯れ木を見つけると、市と連携して伐採する。今年は九月ごろから被害が増え始め、一気に広がった。 市は周辺環境への影響を考慮し、薬剤散布の対策を避けてきた。二〇一七年度に予防剤を注入する予算を確保し、倒木を防ぐため、道路沿いの百四十八本に実施。一八年度は伐採で対応し一九年度は太い幹への予防剤注入を予定していた。 市は、一九年度予算の中から数百万円を伐採に充てる方針。十一月中旬から作業を始めており、二〇年五月ごろの終了を目指す。新たな植樹も行う予定で、西区役所の担当者は「まずは迅速に伐採し、市の農林担当部署や専門家の知恵を借りて対策を検討したい」と説明した。 日本樹木医会県支部の正木伸之支部長(磐田市)は「松枯れの原因を早く究明すべきだ。昨年と一昨年、枯れた松の伐採や処分がきちんとできていたのか、しっかり確認する必要がある」と話す。 渚園は浜名湖畔に浮かぶ約十五万五千六百平方メートルの島。キャンプ施設や野球・ソフトボール場、テニスコートなどがあり、一八年度は十五万二千人余が利用した。 (原一文、写真も) <松くい虫> 体長1ミリほどの線虫マツノザイセンチュウ。マツノマダラカミキリに付着して移動する。カミキリが枝をかじった跡からマツの内部に侵入。爆発的に繁殖してマツを衰弱させ、松枯れを引き起こす。林野庁のホームページによると、2018年度は全国で約35万立方メートルのマツが被害を受けた。 今、あなたにオススメ Recommended by
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