12月13日、FIFA女子ワールドカップ2019フランス大会終了後3回目のFIFA女子ワールドランキングが発表された。いつもより2週間ほど早い。
なでしこジャパンのランキングは予想通りで前回9月発表と同じく10位。私はこれまで「強豪国=FIFA女子ワールドランキングTop10」として扱っているので強豪国の地位を維持できて嬉しい気分だ。
上位陣では大きな変動はなかったが、前回はイングランドとスェーデンは5位タイ。今回はイングランドが6位へ後退。このところブラジルに負けたりドイツに負けたりしていたので19ポイントも失った。
私たちファンはFIFAランキングに注目せざるを得ない。東京五輪なでしこジャパンの組み合わせ相手はFIFAランキングでほぼ分かる。日本のランキングよりも強豪国のランキングがより気になる。
それでは2019年度最後のFIFA女子ワールドランキングを詳しく考察します。
なお、関連記事もご覧いただければ幸いです。
また、
東京五輪サッカー競技に関して下記の情報記事、
そして五輪世代の起用で注目される「2022年W杯アジア2次・最終予選は見どころいっぱい、日程・試合結果」もよろしくお願いします。
最新ランキング表(2019年12月13日)
ドイツとブラジルは ポイントを大きく稼いだが、イングランドとカナダは大きく失った。
|
チーム |
今回 |
前回 |
差 |
1 |
USA |
2174 |
2180 |
-6 |
2 |
ドイツ |
2078 |
2064 |
14 |
3 |
オランダ |
2035 |
2036 |
-1 |
4 |
フランス |
2033 |
2031 |
2 |
5 |
スウェーデン |
2022 |
2020 |
2 |
6 |
イングランド |
2001 |
2020 |
-19 |
7 |
オーストラリア |
1963 |
1965 |
-2 |
8 |
カナダ |
1958 |
1976 |
-18 |
9 |
ブラジル |
1956 |
1931 |
25 |
10 |
日本 |
1942 |
1937 |
5 |
11 |
北朝鮮 |
1940 |
1940 |
0 |
12 |
ノルウェー |
1929 |
1925 |
4 |
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東京五輪出場or出場予想国のランキング考察
USAとカナダの出場は未決定だが、東京五輪出場は決まっているも同然。アジアからはオーストラリアと北朝鮮(or中国)の可能性が高い。なお、主な出場(予想含む)の最新試合情報はこちらをどうぞ!
USAは国際親善試合4試合
- 韓国 2-0
- 韓国 1-1
- スウェーデン 3-2
- コスタリカ 6-0
3勝1分けなのに6ポイント減。韓国との引き分けが期待値を下回った?
オランダはUEFA欧州女子選手権4試合
- スロバニア 4-2勝
- ロシア 2-0勝
- トルコ 0-8勝
- スロバニア 4-1勝
4勝なのに1ポイント減。期待値に届かなかった?
スウェーデンはUEFA欧州女子選手権2試合とアメリカとの親善試合
- ハンガリー 5-0勝
- スロバキア 7-0勝
- アメリカ 3-2負
アメリカに負けはしたが期待値通りという事で2ポイント増?
イングランドはUEFA欧州女子選手権2試合とドイツ・ブラジルとの親善試合
- ブラジル 1-2負
- ポルトガル 1-0勝
- ドイツ 1-2負
- チェコ 2-3勝
下位チームに対して辛勝なのでポイント減。それにトップ10との試合に負けているのでこれまたポイントを失った。合計19ポイント減で6位後退。
オーストラリアはチリとの親善試合
- チリ 2-1勝
- チリ 1-0勝
格下相手に2勝したがポイントは-2。しかしカナダがポイントを大幅に落としたので7位浮上。
カナダはいずれも親善試合
- なでしこジャパン 4-0負
- ブラジル 4-0負
- ニュージーランド 3-0勝
日本とブラジルにアウェイとは言え、大敗がひびいて18ポイント減。ニュージーランドからの勝利は+-ゼロポイントというところだろう。
ブラジルは親善試合だが強豪国との2試合に勝利
- イングランド 1-2勝
- ポーランド 1-3勝
- カナダ 4-0勝
- 中国 0-0 PK負
25ポイントアップしたが、イングランド戦アウェイの勝利でかなりポイントを稼いだ。結果11位から2ランクアップの9位。元アメリカ代表監督のピア・スンドハーゲ(Pia Mariane Sundhage)がW杯直後の7月末にブラジル女子代表監督に就任してからかなり粘り強くなった。
なでしこジャパン
- カナダ 4-0勝
- 南アフリカ 2-0勝
カナダ戦の勝利でかなりポイントを稼いだ(+9?)が南アフリカ戦で期待値に届かずポイントを失った(-4?)。結果は5ポイント増。
北朝鮮は試合なし
当然ポイント変わらなかったが、ブラジルと日本がポイントを上げたためブラジルと入れ替わり11位へ後退。
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なでしこジャパンはTop10の座をキープできる?
E-1サッカー選手権の試合結果次第である。台湾に9-0で期待通りの勝利。ただ、4~7ポイントほどの加算だろう。中国と韓国に勝利しないとポイントを減らすことになる。万が一、E-1選手権で3ポイントを減らすと北朝鮮に抜かれて11位へ後退する。
これから先、大会がないのでポイントを稼ぎにくいが、来年3月アルガルベカップに出場すればそれなりのポイントを稼げる。3月発表時点で8位くらいまでアップする可能は十分ある。
東京五輪でメダル獲得にはTop10キープが必須条件
12チーム出場となった過去3回の五輪成績を分析すると、
- Top10外のチームのグループリーグ(GL)突破の確率は23%
- Top10チームのGL突破の確率は91%
- Top10チーム以外のメダル獲得はない
さらに過去4回のW杯でもTop10チームしかメダルを獲得していない。詳細はこちらをどうぞ!
おわりに
JFAの壮大なプラン、
- 2021年度から女子サッカーのプロ化
- 2023年度FIFA女子ワールドカップ開催
これらを進めるには東京五輪での活躍が大きく左右する。そのためにはメダル獲得は必須。何故なら、
- プロ化前に女子サッカーファン増
- ファンのみならず海外選手にとっても魅力あるプロリーグ
これらが達成できてこそ活気あるリーグになると考える。単になでしこリーグの名前だけを替えたようなプロリーグでは成功はおぼつかない。
JFAはもちろん東京五輪代表なでしこメンバーの責任は重い。
東京五輪でメダルと獲得すれば、
- 女子サッカーの人気急回復(すでに欧米では人気沸騰)
- プロ化
- FIFA女子ワールドカップ誘致(日本、ブラジル、オーストラリアなどが立候補)
これらを間違いなく達成できる。
まずは、東京五輪でファイナルに進むこと。これは目標ではない。必達すべきノルマである。ノルマを達成すれば間違いなくFIFA女子ワールランキング5位以内なるだろう。そして誇り高いワールドクラスのプロリーグとなり得る。
勝ち取れ、東京五輪金メダル!