極真空手初代王者の山崎照朝は確信した 寺地拳四朗は具志堅用高、大橋秀行に匹敵する天才!!

　リングネームを寺地拳四朗と本名に戻しての7度目の防衛戦である。デビューして6年、16戦全勝（9KO）。単なる気分転換とは思えない変更だったが、やはりちゃんと理由があった。具志堅用高の世界王座最多防衛記録（13度）更新を目標に、新たに他団体との王座統一戦や海外での試合も視野にグローバルな選手を目指す、という中での原点回帰だった。

　最近はメンタルでも強さがある。具志堅は100年に1人、大橋秀行（現大橋ジム会長）は150年に1人の逸材と言われた。寺地も2人に匹敵する天才肌だと思う。だが、所属ジム会長で父親の寺地永は「天才肌ではない。元々あった才能がプロになって開花しただけ」と言う。

　開花した才能には、他の選手も憧れる。欠点の少ない“打たせないで打つ”理想のボクシング。追い求められる姿を体現しており、この指摘には「そう見てくれているのはうれしい。皆がまねてくれればいい」と同会長もほおを緩めた。

　急きょ変わった対戦相手のペタルコリンは勢いのあるサウスポー。だが、練習で軽快な動きを見せた拳四朗は「自信はある。まあまあやりやすい相手かな」と一蹴した。今後の統一戦に弾みを付けるKOによる防衛が期待できそうだ。（格闘技評論家）