徹底ツイセキ/森友学園問題
2017年11月27日(月)
森友問題「音声データは本物」 国が初めて内容認める
会計検査院も疑問を呈した森友学園問題。
国有地が8億円値引きされた経緯について、関西テレビが入手した音声データのやりとりを国が初めて認めました。
27日午前10時すぎに始まった衆議院予算委員会。
【自民・田村憲久元厚労相】
「やはり森友学園・加計学園の問題が十分に国民の皆さま方にご理解いただいていなかった。
まだ説明も足らないんだというふうに思います。いかがでしょうか?」
【安倍首相】
「そういうことも謙虚に受け止めながら、この委員会を通じて真摯な説明を丁寧に行っていくことによって、
国民の理解を得ていきたい」
会計検査院が「十分な根拠が確認できない」と指摘した国有地の8億円値引き。
いまだ不可解な点の多い森友学園の問題は、自民党の菅原一秀議員の質問で新たな局面に入りました。
【自民・菅原一秀議員】
「音声データは4か月前に(報道で)出ていて、政府から何の説明もない。おかしい。
こういう対応の遅れが国民に不信感を招いたのではないか?」
菅原議員が指摘したのは、関西テレビが独自に入手して放送した音声データのひとつ。
土地の鑑定価格の出る前の去年5月に、当時の近畿財務局・池田靖国有財産統括官とみられる人物と籠池夫妻が
価格のやりとりをしているものです。
<音声データ>
【池田靖国有財産統括官(当時)】「以前から申し上げているのは“有益費”の1億3000万円という数字を国費として払っているので」
【籠池諄子被告】「それは当たり前やん」
【池田国有財産統括官(当時)】「その分の金額ぐらいは少なくとも売り払い価格は出てくる、と。そこは何とかご理解いただきたい」
【籠池被告】「(池田氏が)言っているような『1億3000が云々』というものよりもぐーんと下げていかなあかんよ」
【池田国有財産統括官(当時)】「(籠池)理事長がおっしゃる0円に近い金額まで、私はできるだけ努力する作業を今やってます」
【籠池被告】「やってる?」
【池田国有財産統括官(当時)】「だけど1億3000万円を下回る金額にはなりません」
1億3000万円という具体的な金額を基準に進む両者のやりとり。
価格の提示などはなかったという佐川前理財局長の答弁とは矛盾しているのではないかと、菅原議員が追及します。
【自民・菅原議員】「音声データについて確認したのか?」
【麻生財務相】「確認の結果の答弁を事務方からさせてもらいたい」
【財務省・太田充理財局長】
「近畿財務局の職員に事実関係の確認したところ、以下の通りでした。まず、国として有益費の1.3億円を支払っている以上、
その金額を下回るということはこの土地に関して収支がマイナスになるということで、
国としてそのような対応をするということは考えられないという趣旨の話をしています」
報道からおよそ4か月。音声データのひとつについて、国側が初めてやりとりを認めた形です。
しかし…
【財務省・太田充理財局長】
「いずれにしても、先方とはさまざまなやり取りが行われましたが、
不動産鑑定評価額が出る前に先方から買い受け希望価格が提示されたという認識はございませんし、
当方から売却価格を提示したことはございません」
佐川前理財局長と同じく、現理財局長も「売却価格を提示したことはない」と答弁。
音声データとの矛盾は解消されていないように見えますが、菅原議員は…
【自民・菅原議員】
「正直言って、もっと早く言っておけば、今の説明を聴けば、この森友と近畿財務局の職員がこの価格についての交渉をしていない、
していないけれども、そうした言及がそれぞれあったということです。ここで少し、話を変えますけど…」
答弁に納得した様子で、話題をメディア批判・野党批判に変えました。
また、会計検査院の指摘について、所管の2人の大臣は…
【麻生財務相】
「その指摘につきましては、これは重く受け止めなければならないのは当然」
【石井国交相】
「その結果については重く受け止めなければならない」
そろってこう述べた上で、今後の公文書管理の徹底を明言しましたが、省内の責任論には言及しませんでした。
そんな中、ようやく始まった野党からの質疑。
【立憲・長妻昭議員】
「総理は森友問題について国会でもずっと適切だ、適切だ、適切だと、ずっと適切だと繰り返してまいりましたけれども、
その適切というのが会計検査院の報告で覆されたということで、これについて総理として国会や国民への謝罪等はある?」
【安倍首相】
「政府としてその指摘については真摯に受け止めなければならない。国有地の売却の問題について、
基本的に処分を担当している財務省や国土交通省から適切に処分していたとの答弁があったところであり、
私もそのように報告を受けていました。これまでの私の発言については、そのような理解の上で申し上げたもの」
【立憲・長妻議員】
「部下が適切だと言ったから自分は適切だと言ったまでであると。今の答弁は到底、国民は理解できないと思う。
この姿勢こそが全然直ってないじゃないですか!謙虚な姿勢とか、真摯な答弁とか!」