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【首都スポ】

[大学サッカー]筑波大・三笘 3年ぶりインカレ制して川崎、東京五輪で活躍を!

2019年12月13日 紙面から

ドリブルで相手をスルスルとかわしていくMF三笘。その武器と自らのゴールでチームに優勝をもたらしたい=茨城県つくば市の筑波大で(いずれも北田美和子撮影)

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 第68回全日本大学サッカー選手権(インカレ)が11日に開幕した。各地域ごとの今季リーグ戦上位校が参加し、22日までの日程で大学日本一の座を争っている。関東勢は14日の2回戦から登場。関東大学1部リーグで6位に甘んじた筑波大は3年ぶりの覇権奪還を狙う。このタイトルを逃すと2年続けての無冠に終わるだけに、何としてでも頂点に立ちたいところだ。鍵を握るのは来季からのJ1川崎入りが内定しているMF三笘薫(4年・川崎U-18)。果たして、有終の美を飾ることはできるのだろうか? プロの世界での活躍も期す、ドリブラーに聞いた。 (取材・構成、関孝伸)

 -シーズンはインカレを残すのみです。まずは今季の関東大学1部リーグの戦いを振り返ってください

 三笘「インカレに行けたことは良かったですけど、6位というのは不本意な順位です。(第7節まで5勝2分けと)開幕からうまく入ることができたのに、(第8節で)法政に0-4で負けて崩れてしまいました。立て直す力がありませんでした。個人の出来としては去年の方が良かったかなと思います。最上級生として、チームをもっと引っ張る存在にならなければいけませんでした。数字が足りないですし、チームをもっと鼓舞しなければいけなかったということも感じています」

 -数字の件ですが、今季は7得点0アシストでした。昨季の11得点6アシストに比べると、確かに物足りなさが残ります

 「10ゴール10アシストくらいは取らなければいけなかったと思います。ゴール前でもっとこわい存在にならないといけませんでした」

 -インカレが開幕しました。意気込みを聞かせてください

 「このタイトルを取らないと、(今季も無冠になるので)『何をやっているんだ』と周りから言われてしまいます。優勝しないと、自分たちもおもしろくありません。チーム全体として、いいコンディションで戦えるようにすることがまずは大事になります。失点しないことを第一に考えて、そこから早めに先制していきたいです。個人としては、やっぱりゴール。僕がやらなければいけないという気持ちがあります。チームが苦しいときや流れが悪いときに僕が打開して点を取るイメージを持っています。決勝点とか、チームが助かるゴールを決めたいです」

 -インカレは3年前の1年時に優勝していますが、その後は2年続けて不本意な結果に終わっています。一昨季はU-20日本代表の海外遠征から帰国したばかりのタイミングで、故障も抱えていたことから出場機会がありませんでした。チームはベスト8どまり。そして、昨季も準々決勝で涙をのみました

 「1年のときは優勝したんですけど、決勝には出ていません。2年のときは1試合も出ませんでした。3年のときは勝てた試合で負けて、悔しい思いをしました。今年は優勝して、有終の美を飾りたいと思っています。(人との)違いを出せるように頑張ります」

 -インカレ終了後の28日にはU-22日本代表の一員として国際親善試合に臨みます。来年の東京オリンピックを目指すチームになりますが、三笘選手は森保一監督が就任した当初の2年前から招集されています

 「(自分に対する森保監督らの)最初の印象が『おもしろいプレーをするやつがいるぞ』みたいな感じだったと思うんです。それが大きくて、その後もちょっとずつ呼ばれるようになりました。ただ、現状は候補選手の中で一番下あたりにいるイメージです。東京オリンピックのメンバーに選ばれるためには、(来季から加入する川崎)フロンターレで試合に出て数字を残せるかどうか、ハイパフォーマンスを続けられるかどうかにかかっています」

 -年が明けたら、プロ選手としての日々が始まります。どんな選手を目指していきますか

撮影用にちょっとキメてみた。普段着ではないらしい

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 「ボールを持ったときに止められない選手になりたいです。個人で相手をはがせる選手が日本には少ないですよね。『日本にあんまりいない(タイプ)』と言われるような選手になりたいと思います。でも、ドリブルだけではダメ。シュートエリアを拡大させて、アタッカーとしてこわい選手になっていきたいです」

 -理想とするステップアップを最後に聞かせてください

 「東京オリンピックに出て、活躍して、海外のチームの目に留まって、そのまま海外に行くのが理想です。それができなくても、フロンターレで1年目から活躍して、2年目には海外に行けるようにしたいです。1年目からコンスタントに活躍できる自信はまだないんですけどね(笑)」

◆アラカルト

 ◆無趣味だけど…(1) 「サッカーが全て」なので、趣味は特にない。強いて言うなら、テレビのお笑い系バラエティー番組を見るのが好きかもしれない。最近の番組でメチャクチャおもしろかったのが「IPPONグランプリ」。レギュラー物としては「水曜日のダウンタウン」を割とよく見る。

 ◆無趣味だけど…(2) 趣味ではないが、英会話を勉強している。英語ができれば、外国のチームでプレーする際に役に立つ、これは間違いない。ただ、そういうことを抜きにしても、話せるようにしておきたいと思う。

<三笘薫(みとま・かおる)> 1997(平成9)年5月20日生まれ、川崎市宮前区出身の22歳。178センチ、70キロ。同市立鷺沼小2年のときにさぎぬまサッカークラブでプレーを始めた。小4で川崎の下部組織に入り、高3まで所属。川崎のトップチーム昇格を辞退し、大学進学の道を選んだ。筑波大ではルーキーイヤーから活躍し、1年時のインカレ優勝と2年時の関東大学1部リーグ制覇に貢献。リーグ通算67試合出場22ゴール14アシスト。2年時と4年時にはユニバーシアード日本代表に選出され、2大会連続優勝を果たした。来季からの川崎入りが内定している。U-22日本代表。

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