Mi Note 10はなぜAmazon限定販売? シャオミの日本参入で気になるアレコレを聞いた

SIMフリーで「3キャリア対応」ですが“キャリア公認”のテストは未実施

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1億画素超えカメラ搭載スマホ、シャオミ「Mi Note 10」のグローバル版を試す。日本での発売に期待
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1億画素超えカメラ搭載スマホ、シャオミ「Mi Note 10」のグローバル版を試す。日本での発売に期待

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2019年12月9日、中国のXiaomi(シャオミ)が日本国内への参入を発表。同日に行われた記者会見では、1億800万画素のスマートフォン「Mi Note 10」や、ウェアラブル端末の「Miスマートバンド4」などの国内販売についても発表されました。

しかし、当日の発表会では日本参入や各製品を投入する理由について、あまり多くは語られませんでした。そこで、この記事ではシャオミ担当者への取材を通して、シャオミの日本参入の狙いなどを聞きました。


まずは日本参入についての一問一答から紹介します。シャオミの広報担当者は、次世代モバイル通信技術「5G」の投入と日本での端末購入補助の制限という2点を参入の動機として紹介。まずは得意とするEコマース(ネット通販)からの参入として、Amazon.co.jpを販路に選んだと回答しています。

一方で、日本の携帯キャリアとの接続テストを実施しているかについて問うと「シャオミ社内のテストは実施している」とのみ答えており、現時点で日本の携帯キャリアへの対応が進んでいないことがうかがえます。

Xiaomi PR Interview

Q:なぜこのタイミングで日本市場に参入するのか。

シャオミ広報:
2020年から5Gが実用化されます。5Gの革新的な技術と「適正な価格で、素晴らしい製品をお届けする」(amazing products at honest pricing) という弊社のスタンスを考えると、日本参入にベストなタイミングであると判断しました。

さらに、日本政府がキャリアへの端末購入補助を制限するという点も、我々にとってチャンスであると考えております。 

Xiaomi

Q:なぜ、Amazonを販売チャネルとして選んだのか。

シャオミ広報:
Xiaomiは創業以来、オンラインチャネルでの販売を得意としてきました。弊社のビジネスはeコマースから始まり、以来その分野での経験は豊富です。

Xiaomiは広告に多額の投資をしないので、オンラインチャネルは非常に効率的です。まずは、弊社が得意とすることから始めようと考えたのです。

Q:Mi Note 10の発表会では「国内の3キャリアで使える」というコメントがあったが、日本の通信キャリアでの接続検証(IOT)は行っているのか。

シャオミ広報:
Mi Note 10はSIMフリー製品として販売します。NTTドコモ、au、ソフトバンクの主要3キャリアに対応しております。IOTにつきましては、Xiaomi社内のテストは実施しております。

Xiaomi

Q:発表会の中でシャオミは世界9カ所にスマホカメラのR&D(研究開発)センターを設立したという紹介があった。そのうち1つは日本にあるが、なぜR&Dセンターを日本に設立したのか。

シャオミ広報:
「イノベーション」はXiaomiの要であり、カメラ機能は、Xiaomiがここ数年にわたって重点的に投資してきた重要な部分です。Xiaomiスマートフォンのカメラ機能は、常に強化されています。たとえば、Mi CC 9 Pro Premium Edition(グローバル版では "Mi Note 10 Pro")は、DXOMARKで最高点を獲得しました。

現在までにXiaomiは、フランスのパリやフィンランドのタンペレなど世界に9か所、カメラR&Dセンターを設立しています。

日本はカメラ技術において非常に先進的であり、イメージ イノベーションにおけるグローバルなハブでもあります。そんな日本の優れた技術者たちと緊密に連携するため、R&Dセンターを日本に設立したいと考えました。

また、Mi Note 10は、日本の技術者と共同開発した製品です。これは弊社のカメラ研究開発へのコミットメントであり、ユーザーにより良い撮影体験をお届けしたいという私たちの思いを反映しています。

Q:中国では「Mi Smart Band 4」を使ってさまざまな製品を音声でコントロールできるが、日本ではそういった機能は提供するのか。

シャオミ広報:
おっしゃるとおり、Mi Smart Band 4の中国版では、ユーザーは「Xiao AI」というAIアシスタントを起動させると、接続されている他のスマートホームデバイスの音声コントロールを行うことができます。

ただし、このXiao AIアシスタントは現時点で中国語しか認識できないため、この機能は日本版を含むグローバル版のMi Smart Band 4では利用いただけません。

Xiaomi PR Interview▲Mi Smart Band 4

■なぜスーツケースを国内にもってきた?

シャオミは日本参入にあたり、スマホ「Mi Note 10」だけでなく、ウェアラブル端末「Mi Smart Band 4」やIH炊飯器、スーツケースといった周辺商品まで日本に投入すると発表しています。こうした製品をなぜ日本に投入するのか、その狙いは何なのかを聞いてみました。

Q:なぜスーツケースを国内で販売するのか。

シャオミ広報:
まず、「旅行」は弊社のエコシステムにおいて重要なカテゴリであり、この機会を利用して、Xiaomiがスマートフォンのみを製造/販売している企業ではないことを伝えたいと考えました。

そしてもちろん、弊社のスーツケースは、耐久性があり、デザインにも優れ、非常に手頃な価格であるため、ベストセラー製品の一つであることも理由です。

ちなみにこの「旅行」カテゴリの製品には他に、バッグやネック ピローもあり、そういった製品についてもいつか日本でご紹介できればと考えています。日本人(特に若い方々)は旅行をよくされると思うので、もっとお届けしたいと考えております。

Xiaomi PR InterviewXaomiスーツケース


Q:スーツケースでは、Samsoniteなどの競合とどのような差別化をはかるのか。

シャオミ広報:
お客様に、より多くの選択肢を提供したいと考えています。金属製のスーツケースはどちらかというとビジネス向け、またプレミアムな風合いですので、ビジネスマンの方は、デザインに優れた金属製のスーツケースを気に入っていただけるかもしれません。そして、ポリカーボネート製の方は、よりお求めやすくなっております。

競合との違いにつきましては、まず、非常に手頃な価格でありながら、驚くほどの品質であることです。そして金属製スーツケースにおけるイノベーションの一つは、環境に優しく、毒性のないシリカゲルと人工弾性ゴムで特別に作られた超静音の360度スピナーホイールです。

私たちは、スーツケースホイール業界で著名な中国のホイールメーカーを慎重に選択しました。その結果、車輪は非常にフレキシブルなものになりました。「そよ風でも車輪を動かすことができる」と言ってくださったユーザーがいたほどです。

もう一つのイノベーションは、デザインです。ケースシェルで一般的な平行溝の構造や垂直ストライプリブのデザインの代わりに、弊社のスーツケースは、数本だけ水平ストライプリブを施した鏡のような表面に仕上げています。

つまり、リブ加工を少なくするため、より頑丈で弾力性のある素材を探す必要がありました。弊社はスーツケース市場に参入して間もないですが、スマートフォンの開発で行ってきたように、絶えずイノベーションを起こす方法を模索しました。

さらに、世界有数のアルミニウム プロバイダーであるAlcoaに、高品質のアルミニウムを発注しました。このアルミニウムは耐衝撃性がありながら、長期間にわたり色と堅牢性を維持します。

弊社のスーツケースのプロダクトマネージャーによると、弊社がその素材を最初に使用し、現在ではSamsoniteやTUMIも、同じ素材を使用しているとのことです。




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