愛媛県松山市で発生したタクシー現金窃盗事件で逮捕された女子大生は無実であることが
わかり、釈放されましたが、取り調べの過程でとんでもない人権侵害があったことが判明しました。

誤認逮捕された女子大生は取り調べで、『就職も決まっているんだろう』『早く認めた方がいいよ』と執拗に自白を求められたといいます。女子大生は一貫して容疑を否認して、「本当の犯人を捕まえてください」と訴えた。でも「犯人なら目の前にいるけど」と決め付けた態度だったといいます。

愛媛県警は謝罪会見を行い、見舞金として50万円支払うとしていますが、こんなものはただのごまかしであり、許されることではありません。そもそも、何故こんな前近代的な人権侵害がおこるのか?それは取り調べが密室で行われるからです。

2019年6月、裁判員裁判の対象事件や検察が独自に捜査する事件の取り調べについて、原則、全過程の録音・録画を義務付けた改正刑事訴訟法が施行されました。密室性を散々批判され、可視化に向けて大きく動き出したわけですが、まだ不十分な内容です。

可視化の対象となるのは主に裁判員裁判の対象事件の取り調べに限られ、逮捕・勾留事件の取調の数%程度でしかなく、しかも、逮捕前や起訴後の事情聴取は含まれません。これでは取り調べの密室化が解消されたとはいえず、これからも高圧的な取り調べは続くでしょう。

愛媛県警の女子大生誤認逮捕による取り調べも可視化の対象ではなく、だからこそ人権侵害が起きたともいえます。逮捕前や起訴後の事情聴取を含むすべての逮捕・勾留事件での取り調べの全面可視化を実現すべきです。

更にひどいのは取り調べの際に弁護士の立ち合いが認められていないことです。捜査員に対して無実を訴えようにも、一人で立ち向かうしかなく、これでは自己防御権が著しく弱いというしかありません。

欧米では取り調べの際に弁護士が立ち会うのが一般的ですが、日本ではそれすら認められていないのです。日産のカルゴスゴーン前会長の逮捕取り調べの際に、欧米のマスコミは日本の捜査が野蛮だと批判していましたが、これでは仕方がないと思います。

愛媛県警に誤認逮捕され、人権侵害に一人で立ち向かうしかなかった女子大生はさぞ心細かったと思います。取り調べに弁護士の立ち合いが認められていれば、ここまでの人権侵害はなかったと思います。

共謀罪の創設、司法取引や通信傍受の拡大等、捜査権限の強化が図られています。こうした動きは治安維持に不可欠ですが、バランスをとる意味で取り調べの全面可視化と取り調べへの弁護士立ち合いを認めるべきです。自己防御権の拡充も重要です。

愛媛県警の誤認逮捕による人権侵害だけでなく、今まで取り調べによる人権侵害が散々問題になってきました。こうした警察・検察の横暴にメスをいれるためにも、取り調べの全面可視化と取り調べへの弁護士立ち合いを認めるべきです。同じようなことを二度と繰り返さないためにも必要です。
国の借金とは「政府部門+家計(+NPO)+法人企業+金融機関」の借金合計のことを言います。マスコミが報道する国債累積額=借金とは日本経済を構成する一部であるの政府の借金のことを言っているに過ぎません。

確かに政府部門は多額の借金を抱えていますが、家計・企業部門は多額の黒字=貯蓄をもっています。家計・企業部門の黒字は膨大で政府部門の赤字を吸収することができます。

2019年3月に日本銀行が公表した資金循環統計によると、日本国の資産は約3500兆円(家計:1835兆円、民間非金融機関=企業:1176兆円、一般政府(地方自治体含む):579兆円)となります。

一方、負債は約3300兆円(家計:323兆円、民間非金融機関:1695兆円、一般会計(地方自治体含む):1316兆円)となります。その差額=日本国の純資産は約200兆円にもなります。これが日本国のバランスシートと呼ばれるものです。

日本国全体で見れば大幅な黒字超過となっており、その証拠に日本国は世界一の対外純資産を持つ大金持ちです。日本は資金が豊富にあり、日本政府の借金が1000兆円あると言っても日本国全体で見れば大幅な黒字で、政府部門の赤字を問題なくファイナンスすることができるのです。

政府の発行する国債の9割以上が日本国内で消化する内債です。まして、政府が発行する国債はすべて日本国通貨(円)で発行されています。当然、日本国政府には円を発行する権利(通貨発行権)があり万が一、返済期限までに資金を準備できなくても、その分の万札を刷ってしまえばいいのです。

日本国の場合は、自国通貨による内国からの借金で、国債を保有しているのは日本人です。国がデフォルト(債務不履行)に陥る場合は外貨建ての負債の場合であり、自国通貨建ての負債でデフォルトを起こすなどあり得ないのです。

これだけの国債を自国通貨建てで発行できる日本というのはそれだけ経済力が巨大だという証拠なのです。それに政府の借金1000兆円という中身にも大嘘が潜んでいます。

確かに政府は1000兆円を超える借金を抱えていますが、莫大な資産も保有しています。平成24年度時点の国のバランスシートでは、政府が保有する資産は約670兆円となります。その内訳は金融資産(預貯金含む)が約480兆円、固定資産等が約180兆円となります。

国の負債の大きさを見る時に、資産を引いたネット債務でみるのが世界的な常識であり、資産を無視して負債だけを見るのは適切ではありません。日本政府のネット債務(負債ー債務)は約530兆円です。政府の借金について報道するなら、1000兆円ではなく、ネット債務である530兆円と報道するのが筋なのです。

更にいうと日本政府のネット債務約530兆円はもっと減ります。政府保有資産以外に加えるべき資産があるからです。それは日本銀行です。日銀は政府が55%を出資している政府の子会社です。これを連結対象に加えて資産負債を計算すべきなのです。日銀と政府は統合政府として考えるのです。

日銀のバランスシート(2017年度)を見ると、資産は513兆円となり、そのうち国債が435兆円となります。一方、負債も513兆円となり、発行銀行券(日本銀行券)が100兆円、当座預金が369兆円等となります。

統合政府ベースでみると、日銀の資産は政府の資産としてカウントされます。日銀が保有する国債は政府の資産でもあるわけです。つまり、政府の負債である国債と日銀が保有する国債は相殺されることになり、日銀が保有する国債435兆円が政府の国債残高から消滅するのです。

日銀を含めた統合政府全体でみると負債残高は100兆円以下になるということです。しかも、日銀が保有する国債に対して行う政府の利払いも、国庫納付金として政府に戻ってきます。

政府資産と日銀資産を考慮すると、政府の借金は100兆円以下となり、ほとんど問題のないレベルとなります。つまり、国の財政再建はほとんど終わっているといっても過言ではないのです。にもかかわらず、国の財政危機と騒ぐ財務省、マスコミ、政財界はどうかしているとしか思えません。

何度も言いますが、赤字国債の膨張が止まらず、歳出増に歯止めがきかないことが最大の問題なのであって、国の借金が1000兆円あることが問題ではないのです。いくら日本中に資金が溢れ、政府の赤字を吸収する余力があるといっても、赤字国債の膨張がとまらなければ、いずれ資産を食い潰してしまいます。

首都直下地震や南海トラフ地震等の大災害の発生が危惧されていますが、こうした大災害が発生したら、日本経済は大ダメージを受け、GDPは大きく毀損します。その際に大規模な災害対策が実施できるよう国の財政の余力を保つ必要があります。

量的金融緩和と公共投資を粘り強く実施して景気を回復軌道に乗せて税収増を図り、社会保障制度の抜本改革によって歳出減を実施することが財政再建への道につながります。景気回復に間違いなくマイナス効果となる消費増税は今実施すべきではありません。

消費増税は2~3%の物価目標を達成し、更にインフレが進む段階になって、はじめて実施するものです。歴史上、政府支出の削減と増税だけで財政再建に成功した事例はありません。財政再建に成功する場合、好景気で政府の収入が増えていることが大前提となっています。

マスコミが日本は財政危機であるという間違った情報をまき散らした結果、海外投資家や市場関係者が日本国債が危ないと考え、資金を引き揚げたりしたら本当に国債価格が暴落してしまいます。偽りの危機報道が本物の危機を引き起こしてしまうのです。財政に対する正しい認識をもつことが大事なのです。
国家予算の30%を占める社会保障費にメスを入れる社会保障制度の抜本改革が歳出削減の最大の目玉となるわけですが、それ以外にもやるべきことがあります。それは水増しされた財政赤字を削減することです。

歳出総額を簡単に13兆円削減する方法があります。それは、国債費の中の債務償還費約13兆円を削減することです。国債費は、国債の債務償還や利払いに充てられる経費であり、債務償還費が約13兆円、利払い費が約10兆円となっています。

この中の債務償還費は、国債整理基金特別会計に積み立てられる国債償還のための基金です。借金を返済するために万が一の資金で、減債制度と呼ばれています。

国債償還=借金返済のための資金を削減するなどおかしいという意見が出てくると思いますが、そもそも国債償還費自体が国債を発行=借金をして得た資金なのです。つまり、借金を返済するための借金が国債償還費なのです。

毎年、国債の満期がくるたびに120兆円程(2017年は107兆円)の借換債を発行して、借り換えています。国債を発行=借金をして資金を調達し、借金を返済するわけですが、満期がくる国債を償還=借金を返済するのでプラスマイナスはゼロとなります。

赤字国債を13兆円発行して債務償還費を調達しなくても、13兆円分の借換債をプラスして発行すればいいだけなのです。そうすれば、赤字国債の累積額が13兆円も減り、財政再建に寄与します。

しかも、借換債を13兆円追加発行するだけで、国債費が13兆円減り、一般会計総額を13兆円も削減することができます。一般会計総額100兆円が87兆円となるので、財政の逼迫感もかなり改善されるのではないでしょうか。

更にいうと、独立行政法人への財政支出約2兆8000億円にもメスを入れるべきです。これらの独法には存在意義が疑わしい法人が多々ありますし、巨額の内部留保を貯めこんでいる法人も少なからず存在します。

ちなみに、日本貿易機構(JETRO)は約400億円の純資産、福祉医療機構は約7800億円の純資産、住宅金融支援機構は約1兆5000億円の純資産、酒類総合研究所は約40億円の純資産を保有しています。

これらの独法を整理統廃合または民営化することによって、独法への財政支出を大幅に減らせるはずです。行政改革もまだまだ行うべきです。手を緩めてはいけません。

最大の誤解が日本は財政危機であるという無理解です。国の借金が1000兆円を超えたとマスコミや政財界は騒いでいるわけですが、こんなものは大したことではありません。そもそも、個人にしろ家計にしろ、住宅や車のローン=借金を抱えているのが普通であり、その借金が収入に見合っていれば問題なのです。

赤字国債の膨張が止まらず、歳出増に歯止めがきかないことが最大の問題なのであって、国の借金が1000兆円あることが問題ではないのです。日本のGDP(日本全体の付加価値の総計)は500兆円を大きく越えています。借金はその2倍程度にすぎません。(続く)
年金制度の抜本改革として重要なのは、現在の賦課方式から積立方式に切り換えることです。積立方式とは自分たちの老後に備えて、若いうちに保険料を積み立てておくという方式で、人口変動による世代間不公平は生じませんし、少子高齢化の進展によって年金財政が不安定になることもありません。

そして、年金支給開始年齢を67~68歳に引き上げ、(実際、年金支給開始年齢はイギリスは68歳、アメリカ・ドイツ・ノルウェーは67歳となっています。)公的年金等控除を縮小する必要があります。

また、企業の重役等の高所得高齢者に方に年金を支払う必要はないと思いますし、土地・株等の資産を多く所有する資産家の方への年金支給も不要です。

医療改革で重要なのが、診療報酬の出来高制度にメスをいれることです。現在の診療報酬は薬を処方しただけ、検査をしただけ点数が加算され収入が増えるため、過剰な医療の原因となっています。コストを削減しようとするインセンティブが働く仕組みに構築し直すべきです。

そして薬漬け医療の改善です。国民医療費の2~4割は薬剤費が占めています。薬の適正使用のガイドラインを定めたり、薬に頼らない治療を促進していけば、数兆円の医療費が削減できるしょう。

それに薬の過剰投与がかえって症状を悪化させたり、寝たきりにすることも明らかになってきています。薬を徐々に減らしていき、三分の一まで減らしたら、寝たきりだったお年寄りが歩き始めた事例があるのです。

1兆円の透析ビジネスといわれる人工透析にもメスを入れるべきです。透析治療より保存治療に取り組んだ方が医療機関の収入が増えるよう診療報酬体系を見直し、透析患者を未然に防ぐことに力を入れるべきです。そして、腹膜透析や血圧を下げて腎臓機能を回復させる治療法へ診療報酬を手厚く支給するようにすべきです。

病床取引市場を創設し、回復時病床と急性期病床のミスマッチを解消して入院医療費を最大28%削減することも必要ですし、柔道整復師やはり・きゅうの施術に対する保健医療適用も厳格に見直すべきです。これらにはかなりの不正請求があるといわれており、厳格化によって数千億円規模の医療費抑制になるでしょう。

そして、医療機関で処方されているが、薬局でも処方箋なしで購入できる市販類似薬への医療保険適用をやめるべきです。湿布薬、漢方薬や風邪薬(総合感冒薬)などが代表的なものですが、これらへの保険適用をやめれば、数百億円規模の医療費削減となります。

社会保障費がこれからの日本財政そして国民生活に深刻なダメージを与えることが明らかになりつつあります。それは社会保障の純債務です。純債務とは、支払いの約束をしていながら、手元にそれだけの資金がない状態のことです。

年金の場合、政府は高齢者に対して公的年金として亡くなるまで年金を支払うことを約束=年金債務を負っています。一方で、年金の支払財源として、現在の高齢者が現役だったころに保険料を徴収して積み立てていました。それが現在の年金積立金です。

その差額が年金の純債務となるわけですが、2009年に厚労省が試算したところ、厚生年金と国民年金を合わせた年金純債務は800兆円に達していることが明らかになったのです。(年金純債務950兆円-積立金150兆円)共済年金を加えると、更に100兆円が上乗せされ、年金純債務が900兆円になるとみられています。

1970年当時は高齢者の数が少なく、その高齢者を支える年金分だけを徴収すればよかったので、保険料は非常に低く抑えられていました。2014年時点の厚生年金保険料は17.1%ですが、1970年はわずか4.6%にすぎませんでした。

つまり、受益に見合うだけの保険料が徴収されていなかったわけであり、この不足分が現在まで膨大な年金純債務を発生させてきたわけです。

しかも、この純債務は年金だけの問題ではなく、医療・介護分野でも発生しているのです。学習院大学の鈴木亘教授の試算によると医療保険で380兆円、介護保険で230兆円もの純債務があるというのです。

社会保障全体での純債務は1500兆円という恐ろしいまでの金額に達してしまっているのです。この純債務は1000兆円を突破したと大騒ぎになっている政府債務(国債の累積額等)の中には含まれていません。別途、債務が存在しているのです。

この社会保障純債務を解消することが社会保障制度の抜本改革の大きな柱です。社会保障費の膨張を食い止める改革だけではダメなのです。いくら費用膨張を抑え、あるいは削減しても、社会保障純債務1500兆円という時限爆弾が破裂したら、社会保障制度は破壊され、国民生活も破綻してしまいます。

この社会保障純債務の解消の切り札となるのが相続課税の強化です。現在、日本では毎年50~100兆円程度の相続財産(金融資産+不動産)が発生していると見込まれていますが、税収額は1兆円にすぎません。こうした相続財産に広く薄く課税して社会保障財源を捻出するのです。

現在の相続税は基礎控除と呼ばれる非課税枠が寛大に設定されているため、資産家しか課税対象になりません。納税しているのは100人中6人しかいないと言われています。非課税枠を撤廃して、一律に20%課税するのです。そうすれば、単純計算で毎年、10~20兆円の税収となり、恒久的な社会保障財源として活用できます。

現在の高齢者は今の若い世代より遥かに少ない負担で年金・医療・介護等の社会保障の恩恵をうけていますが、その恩恵の蓄積が莫大な相続税となっているとも言えます。それに課税するのは若者世代と将来世代の負担を軽減する極めて合理的な手段なのです。

また、社会保障には毎年、国税ベースで30兆円以上の税金が投入されています。この公費投入分の返還を高齢者に求めるという意味でも合理的です。(続く)
収入=税収増が財政再建の絶対条件なわけですが、赤字国債の膨張を抑える=歳出削減を行うことも重要です。税収増と歳出削減の絶妙な組み合わせが財政再建のポイントとなります。増え続ける赤字国債の主因は言うまでもなく社会保障費にあります。

赤字国債とは政府支出を賄う税収の不足分を補うための借金です。支出額の3割が社会保障費となっているのは、高齢化の進展により、毎年、社会保障費が1兆円ずつ自然に増えるからです。

つまり、膨張する社会保障費を賄うために大量の赤字国債の発行しているわけであり、ここにメスを入れない限り、財政再建は不可能なのです。社会保障制度の抜本改革なくして財政再建はあり得ないのです。

社会保障給付費は2016年度には118兆円を超えています。社会保障給付費とは、社会保障の費用のうち税金や保険料で賄った費用で自己負担分を除いた費用で、いわゆる公費負担のことです。

1兆円ずつ増え続ける社会保障費とは、あくまで国が負担する社会保障費の増加分にすぎません。社会保障給付費は保険料(6割)+税負担(4割)で成り立っています。しかも、税負担は国だけでなく、地方自治体も10兆円以上負担しています。

保険料も税負担と同様、我々が支払っている(事業主負担金含む)ものです。国民にとっては両方とも負担という意味では同じなのです。保険料と税負担を加えた社会保障給付費は全体で見ると、毎年3~4兆円ずつ費用が伸びているのです。

社会保障給付費118兆円の内訳は、年金約57兆円、医療約38兆円、介護・保育等のその他福祉が約23兆円となっています。特に年金と医療費の膨張を如何に食い止めるかが大きなカギとなります。

まず、抜本的な社会保障制度改革のカギとなるのが、医療・介護・保育等の社会保障産業に競争原理を導入することです。参入・価格規制の撤廃(競争原理導入)を断行するのです。

医療の場合、病院の運営は医療法人や自治体に限定されていますし、介護の場合も同様です。保育の場合、株式会社やNPO法人の参入が認めれましたが、自治体において実質的な参入規制が存在しており、株式会社が設置している保育所は全体の2%程度、NPO法人に至っては0.3%にすぎません。社会福祉法人の独占状態にあります。

社会保障産業には厳しい参入規制が存在している上、これらの社会保障サービスの供給者はサービス価格を自由に決めることができません。公定価格となっているのです。

医療・介護・保育産業は規制産業なのです。価格を自己決定する選択肢がなく、厳しい参入規制があるため、創意工夫や技術革新が起きにくい非効率な産業なのです。しかも、競争がないため、高コスト体質となっています。

これらの社会保障制度を維持するために多額の税金が投入されており、国費だけでも年30兆円を超過しています。それに加えて、社会福祉施設の建設・運営にも手厚い補助金が投入されています。

高齢化の進展によって、社会保障需要は増大する一方であり、それに伴い税負担も年々増大しています。まして、社会保障サービスは高コスト体質である上、施設の建設・運営にかかる補助金支給まで実施しているので、供給が増えるだけ、自動的に税負担も増えてしまいます。

そこで、参入・価格規制の撤廃して、株式会社やNPO法人がどんどん参入してくれば、競争原理が働いて高コスト体質が是正されます。その結果として公費投入が大幅に圧縮でき、財政再建に寄与することになります。(続く)