《写真は、上から、織物の町・桐生で、唯一現存するレンガ造りのノコギリ屋根。今では、パン工房として再生利用されている。「西の西陣東の桐生」といわれ、かつて織物で栄えた桐生市内には、今でも約220棟のノコギリ屋根の数々》
日本一長いケヤキ並木(埼玉県所沢市)を訪ね「目には青葉…」を堪能してきたことをブログアップしたが、日本一つながりで今日は、日本の近代産業の基幹をなした織物の町、桐生市(群馬県桐生市)に今も数多く残る織物工場の近代化産業遺産シンボル「ノコギリ屋根」を紹介する。桐生織物で知られる桐生は「西の西陣、東の桐生」といわれるほど織物で栄えた町。その名残を今に伝えるのが市内各地にあるノコギリ屋根の織物工場。今でも約220棟のノコギリ屋根工場が市内のあちこちに点在し、その数は日本一だという。桐生市は現在、この近代化遺産を町の活性化に生かそうと、町並みの国宝ともいえる本町一、二丁目周辺地域の伝統的建造物群保存地区の国指定を目指すとともに、貴重な文化資源でもあるノコギリ屋根の活用など、さまざまな取り組みを行っている。これまでも「ノコギリ屋根博覧会」を開催して、ノコギリ屋根がパン工房や展覧会場、お菓子屋さん、美容院、自動車の博物館、アトリエなどに再生利用されていることが報告された。また、ノコギリ屋根をめぐる産業観光ツアーも計画しているなど、織物の町・桐生のシンボルでもある「ノコギリ屋根」を全国に大々的に売り出そうと一生懸命だ。ノコギリ屋根は、19世紀のイギリスで起こった産業革命で紡績工場として建てられたのが始まりとされ、日本では明治から昭和初期にかけて、織物の盛んな各地で一斉に建てられた。桐生でも一時数百棟ものノコギリ屋根工場があったが、現在では約220棟(ノコギリ屋根博覧会の資料)ほどになってしまった。最盛期には、20連にも及ぶ大規模なノコギリ屋根が見られたことも。今残っているノコギリ屋根は3連から6連がほとんど。木造、石造、レンガ造りとさまざまで、桐生を代表するノコギリ屋根では、国の登録有形文化財にも指定されている「手造りパン工房『レンガ』」がある。このノコギリ屋根は、市内に唯一現存するレンガ造りの旧金谷レース工場(同市東久方町)を市内のパン屋さんがパン工房として生まれ変わらせ、保存している。織物の町をしのぶ代表的建築物として、訪れる観光客らの人気スポットとなっている。
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