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  《写真は、上からパワースポットにもなっている同聚院の大カヤ。高さが40㍍近くある大カヤの根本周りは目通り10㍍もある。同聚院の大カヤは、かつては伊勢崎藩領内にも数多くあったといううちの一本》
 
  今回訪ねた巨樹は市指定天然記念物「同聚院の大カヤ」(伊勢崎市曲輪町)。JR両毛線伊勢崎駅前の「武家門通り」に面した同聚院本堂北側に聳え立つ大樹が目に飛び込んでくる。街中にあって、これほどの大樹が今なお残っていることは珍しい。大カヤのある同聚院は、初代の伊勢崎藩主稲垣長茂が入府したとき、同聚院近くに陣屋(館)を建てたといわれ、現在の同聚院総門が長茂屋敷門の名残として今に伝えられている。樹齢約600年といわれる大カヤは、長茂が入府以前からこの付近にあったと思われる。大カヤは、高さ38㍍、幹周りの太さが目通り5㍍。根本周りは10㍍としっかりと大地に、根付いている。そばに立てられている案内板や広辞苑によれば、カヤはイチイ科の常緑高木、葉は扁平線状で革質は厚く、先端は鋭くなっている。株は雌雄異なり、このカヤは雌株で、4月ころ開花し、実は広楕円形の核果を呈し、白い核は食用となる。また油を搾る。材は堅くて碁盤などをつくるのに使われる。江戸時代に伊勢崎藩の酒井家では、毎年将軍家への献上品としてカヤの実を用いたといわれ、この大カヤは、領内に数多くあったうちの一本と考えられるという(伊勢崎市文化財ハンドブックより)。この記述を見て、すぐ思い出したのが忠臣蔵。浅野家の贈り物があまりにも質素だったため、吉良上野介に「田舎侍め」と思われ、いじめられたのが発端で、若い藩主の浅野氏が刃傷沙汰に及んだというストーリ。伊勢崎藩大名、酒井家のカヤの実をさしずめ吉良氏は何と思うか、バカなことを考えてしまった。話は脱線してしまったが、とにかくカヤをはじめ樹木は、なぜこんなにも大きくなり、しかも長年生きられるのか驚かされる。大地から水分を吸い上げ、太陽の光を浴びて植物という名の有機化合物を合成する自然のパワーには崇拝すら感じる。人間もそうした自然の中で生老病死する。人間はどんなにがっぱっても100年前後がいいところ。くだらないことに悩まないで、もっと人生をおおらかに楽しもう。少なくても600年以上もそこに立つ大カヤを仰ぎ眺めているだけで心が癒される。これも巨樹パワーだろう。

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