敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。
今回は米Lifehackerで育児関連の記事を担当している編集者、メガン・ウォルバート(Meghan Walbert)さんの仕事術です。
居住地:ペンシルベニア州ベツレヘム
現在の職業:米Lifehackerの子育て関連記事担当編集者
現在のPC:父のおさがりのiMacと13インチのMacBook Air。在宅勤務しているので、そのときの気分と周辺機器の状況とロケーションによって使い分けています。
現在の携帯端末:iPhone 7
仕事の仕方を一言で言うと:リモート
米Lifehacker編集部にジョインした理由と現在の仕事
── まず、略歴と現在の仕事に至るまでの経緯を教えていただけますか?
私は、ジャーナリズムとメディア対応広報の出身です。
オハイオ州にあるケント州立大学でジャーナリズムとマスコミュニケーションの学位を取得し、22歳の誕生日にアリゾナに引っ越して、Arizona Republic紙の新聞記者になりました。
数年間主に教育の分野を担当した後、メディア対応広報の仕事に就くために退職しました。
最初はキャリアと工業高校、次に私立大学を担当。
息子が生まれてから2、3年たった頃、夫と私はもっと家族らしい生活をしたくて東海岸に戻りました。
私たちは里親になり、それから数年間、私はフリーランスのライターの仕事をして暮らしました。
地元新聞の記事やマーケティング用のコピーライティング、ニューヨークタイムズに掲載する里親関連のエッセイまで、何でも扱ったのを覚えています。
去年の秋、米Lifehackerの育児関連記事の編集者が産休に入ったので、それをカバーするために私が入り、2月に彼女が職場に復帰すると、私はフリーランスでこのサイトの記事の編集を続けました。
最近、彼女が転職したので、私は後任としてフルタイムで採用されました。この記事を書いている今は、このポジションに就いてちょうど16日目です。
── 仕事の内容を教えてください
米Lifehackerの子育て記事にたびたび登場するOffspringのコンテンツをたくさん書いています。
それから、フリーランスのライターに子育て記事を割当て、入稿された記事を編集したり、Offspring Facebook Parent Groupの管理もしています(ぜひご参加ください! 4,000人以上のメンバーがいて、アイデアの宝庫です。最近このグループから、使用済ティッシュペーパーの上手な捨て方のコツを教えてもらいました)。
1日の流れと職場環境
──最近の1日の流れを教えてください
朝8時50分に息子を学校に送って行き、9時には自分のデスクに座って仕事をしています。
まず、メジャーなニュースサイトをいくつか見て、子育て中の親や子どもに特に影響を与えそうな最新ニュースがあるかチェック。
たとえば、大規模なリコールや記者会見があると、「子どもにどう伝えたらいいだろう?」と考えたりも。
午前中に記事を書きあげられないときは、インスピレーションを得るために自分が読んだサイトのリストにしばらく目を通して、Slackで記事の構想を提案し、承認された記事をカレンダーに入れます。
普段は、半日先行して仕事をするようにしているので、その日の午後に公開する記事と翌朝に公開する投稿を書くことになります。
記事の提案と執筆の合間に、フリーランサーからポツポツ入稿される記事を編集して、公開日をスケジュールしたり、Facebookのグループに質問を投げかけて議論を促し、さまざまなアイデアが交換されるようにします。
1日の仕事の最後に、終日見ないようにしていたメールを確認してから、夕方5時に延長保育に預けている息子を迎えに行きます。
── 仕事場はどんな感じですか?
昨年、2階の来客用寝室をホームオフィスに改造して、仕事の環境がまるで変わりました。それ以前は食卓で仕事をしていたのですが、不便でしたし、すごく腰に負担がかかっていました。
デスクの上の壁には、
- マジックホワイトボード
- カレンダー
- コルク板
が掛けてあり、記事のアイデアやリマインダーを整理するのに役立っています。
あと、欲しくてたまらなかったコーヒー保温機、私のオハイオ州のナンバープレートを使ったペン立て、息子が私に作ってくれた「Zoobs 」があります。「Mommy」の「M」と「Lifehacker」の「L」です。
紙とペン、Slackも大切
── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?
私はリモートで仕事しているので、終日Slackで同僚と(それに加えて、実際にコンタクトする人全員と)つながっています。
それから、複数のPC間を行ったり来たりしがちなので、記事のアイデアや重要な情報をトラッキングするために、Google Docsも欠かせません。
でも、それ以上に、紙とペンをよく使う派です。
バレットジャーナル(手帳)を持っていて、仕事の締切、息子のサッカーの予定、ボランティア活動やその他の重要な日にちをトラッキングしています。
何もかも1カ所に書き込んで色分けしておくことが好きなので、1日がどんな感じなのか一目でわかります。
それから、手近なところに取材手帳とポストイットも置いてあるので、必要に応じて自分にちょっとしたメモを書き残すこともできます。
仕事場のライフハックやこだわり
── お気に入りの時間節約術やライフハックは何ですか?
台所用スポンジが2つあって、1つは使用中、もう1つは食洗機に入れてあります。
食洗機の中身を全部出したら、スポンジを交換します。
つまり、食洗機に汚れたスポンジが入り、入れ替わりで、きれいなスポンジが出てきます。
食洗機はほぼ毎日使うので、このやり方をしているとスポンジの汚れを心配せずにすみます。
──仕事場で採用しているプロセスで、興味深いもの、珍しいもの、こだわりがあるものがあれば教えてください
記事の中身を書く前に、必ずフォーマットをすべて整えることにしています。
見出しを書き、公開日付と時刻をスケジュールし、フッターと関連記事のリンクとタグを全部付けてから、記事の最初の1文字を書き始めます。
このやり方をしているとフォーマットに関して何かをうっかり忘れる可能性は低くなりますし、扱うトピックのトーンに自分を適応させやすくなります。
特に日中、重大なトピックから軽くて楽しいトピックに(あるいはそれとは逆方向に)大きくギアチェンジしなければならないときは、助かります。
──ToDoはどうやってトラッキングしていますか?
主にバレットジャーナルを使っています。
正直なところ、バレットジャーナルを失くしたら、直近の締切、会議、イベントは一切わからなくなると思います。
ですから、私が姿を現さなかったときは、「バレットジャーナルを失くしたな」と思ってください。
仕事で犯した最大の失敗はスペルミス
── 今までに犯した最大の過ちは何ですか?どのように解決しましたか?
まだ新米記者として教育関連の記事を担当していた頃、記事内で情報提供者の名前の綴りを間違えてしまったことがあります。
その人は私の主要な情報源だっただけでなく、私が担当していた学区の広報担当者でもありました。
それまでに、何度か会ったこともありましたし、少なくとも週に数回は電話で話もしていました。しかも、彼の名前はTimで、複雑なスペルの名前ではありませんでした。
それなのに、なぜか私は記事の中で彼の名前を「Tom」と書いていたのです。
その朝彼が私に電話をしてきて初めて私は自分のミスに気づきました。私が電話に出ると、彼は言いました。
「メガンさん、私の名前をご存知ですか?」
「ええと、Timさんですよね。ハハハ...こんにちは、Timさん」
「じゃあ、どうして今日の新聞で私は『Tom』になっているんですか?」
私は恥ずかしくてたまらなくなり、訂正記事を出すと申し出ましたが、彼はそれには及ばないと言ってくれました。
しかし、この経験は私の心に深く刻まれ、あれから約15年経った今も、名前のスペルは必ず再確認しています。
オフタイムの過ごし方
──どのように充電したり休憩していますか?
昼食を食べるときはオフィスを離れることにしています。
と言っても、階段を下りて台所に行くだけですが。ランチを食べながら、ポッドキャストを聴いたり、地元の新聞を読んだりします(地元のジャーナリズムを応援しています!)。
周囲があまりにも静かで参ったなと思ったら、半日PaneraやStarbucksに行って仕事をすることもあります。
──仕事の合間に何をするのが好きですか?
以前里親をしていたので、子どもの権利擁護は私にとっても家族にとっても非常に重要です。
私はさまざまな形で里親制度に携わってきましたが、この1年半は、里子に出されている子どもたちに希望を与えるOne Simple Wishという非営利組織のボードメンバーを務めてきました。
信じられないぐらいやり甲斐を感じています。
私の息子も、「ジュニアボード」に入り、ウィッシュパーティーの計画を立てる手伝いをしたり、里親制度の認知度を高める活動を他の子どもたちと一緒にしています。
──今、何を読んでいますか? おすすめの本はありますか?
今、『ハリー・ポッター』のシリーズを読み直しています。
今回は息子と一緒に読んでいます。この豪華なイラスト入りのバージョンを購入しました。大人と子どもが一緒に読むのにはぴったりでしょう。
息子は9歳なので、もう私がいなくても本を読めますが、この物語を息子とシェアして、毎晩少し余分な時間を息子と一緒に過ごすのはとても楽しいです。
この数年は夫が息子に寝る前の読み聞かせをたっぷりしてきましたが、今は、私がフルタイムの仕事に戻ったので、もっと息子との絆を深める時間をスケジュールに入れる方法を模索しています。
100%をコミットしてはいけない
──これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください
子育てには75%の努力で臨みましょう。
子どもに好かれて、自分も子どものことを好きでいたいなら、子育てに100%全力投球はしないでください。
どうせ100%は無理ですし、完璧を目指すほど、生活にストレスと不快感が増します。
どの点を頑張るか決めて、あまり重要でないことに関しては合格点を低くしましょう。
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Image: Lifehacker US
Source: One Simple Wish, Amazon.com, Facebook
Meghan Moravcik Walbert – Lifehacker US[原文]
訳:春野ユリ
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