横浜市の林文子市長は11日、上瀬谷通信施設(同市旭・瀬谷区、約242ヘクタール)跡地に、テーマパークを核にした複合施設を誘致する考えを明らかにした。想定するのは、跡地を四つのゾーンに区分したうちの「観光・賑わい」ゾーン。市郊外部に国内外から客を呼び込み、地域活性化の拠点に育てるのが狙い。また相鉄線瀬谷駅を起点にした「新たな交通」の導入に向け、来年1月から環境アセスメント(環境影響評価)の手続きなどにも着手する。
同日開かれた市会第4回定例会本会議で、遊佐大輔(自民党・無所属の会)、久保和弘(公明党)両氏の質問に答えた。
市は6月、地権者らで組織する「旧上瀬谷通信施設まちづくり協議会」に対し、「農業振興」(約50ヘクタール)、「公園・防災」(同)、「観光・賑わい」(約125ヘクタール)、「物流」(約15ヘクタール)の四つのゾーンに跡地を区分する土地利用案を提示。これをたたき台に、両者で検討してきた。
協議会との調整の進捗を問われた市長は、11月に土地利用ゾーンの取りまとめが終了したと説明。その上で、跡地の過半を占める観光・賑わいゾーンには「横浜の知名度向上に寄与する魅力的な施設の立地が必要」とし、「テーマパークを核とした複合的な集客施設の誘致を想定している」と表明した。民間事業者から具体的な提案があったかや、誘致の時期などには言及しなかった。
市は今後、約240人の地権者との合意形成を図りながら、土地利用基本計画を策定する。「市民の意見を聞くことが大事」と指摘された市長は、計画の素案を公表し、市民からの意見を募る方針を示した。
市は跡地を会場に、2027年の国際園芸博覧会(花博)開催を目指している。米軍に長年接収されて基盤整備が遅れた地域で、花博を起爆剤にまちづくりを進めたい考えだ。併せて、将来の土地利用のために必要となる、新たな交通の導入を検討している。
市長は「土地区画整理事業や公園の整備、さらには新たな交通の導入に向けて、必要となる環境影響評価や都市計画などの手続きを、2020年1月から着手する予定」と答弁した。
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