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Art

やくしまるえつこ

この世界に“バグ”を生み出す。
それはいつか、進化になる。

やくしまるえつこは『わたしは人類』という作品で、25 億年前から生息すると言われる微生物の塩基配列を基に音楽を制作し、さらにその音楽を遺伝情報へと変換、遺伝子組換え微生物のDNAに保存した。“人類滅亡後の音楽”をコンセプトとしたこの作品について、やくしまるは「いつか人類が滅んだとしても、人類に代わる新たな生命体がまたその記録を読み解き、音楽を奏で、歴史をつなぐことになるだろう」と語る。音源と遺伝子組換え微生物で発表されたこの『わたしは人類』はアルスエレクトロニカの「STARTS PRIZE」でグランプリを受賞した。音楽・アートとテクノロジーを融合させ続けるやくしまるえつこの目には、いったい何が見えているのだろう。

PHOTOGRAPHS BY TOMOHIKO TAGAWA
TEXT BY RIE NOGUCHI

2019.12.12 Thu

Profile

やくしまるえつこ

YAKUSHIMARU ETSUKO

アーティスト兼プロデューサー、作詞・作曲・編曲家として「相対性理論」など数々のプロジェクトを主宰。ポップミュージックからエクスペリメンタルミュージック、アート、テクノロジー、文筆、朗読とあらゆる領域を自在に横断し、一貫してインディペンデントでの活躍を続ける。自身のバンドやソロワークスの他にも、映画音楽からアイドルまで幅広いプロデュースワークや楽曲提供、インスタレーションや絵画作品、人工知能と自身の声による歌生成ロボや生体データ、人工衛星や遺伝子を用いた作品など多岐に渡る。バイオテクノロジーを駆使し、音源と遺伝子組換え微生物で発表した作品『わたしは人類』で世界最大の国際科学芸術の祭典 アルスエレクトロニカ・STARTS PRIZEグランプリを受賞。『わたしは人類 (ver.金沢)』はポップミュージック/バイオアート作品として初めて金沢21世紀美術館にコレクション収蔵された。

深夜の東京・六本木。「未来と芸術展」が開催されている森美術館で、やくしまるえつこの作品『わたしは人類』は、冷蔵庫の中で緑色に光っていた。冷蔵庫の中の微生物『わたしは人類』を展示するためには毎回、経済産業省大臣の認可をとらなければならない。決して危険なものではないとはいえ、既存の生態系にはない遺伝情報をもつ“新生物”である「わたしは人類」が外部に流出した場合、生態系を壊しかねないだからだ。既存のアーティストの枠組みには、とうてい収まらない存在──そんなやくしまるえつこに訊いた。

──『わたしは人類』は、微生物シネココッカスの塩基配列を基に楽曲をつくり、DNA変換をして微生物に組み込んだ作品です。音源と遺伝子組換え微生物の両方が作品である『わたしは人類』ですが、このような発想はどこから出てくるのでしょうか。

まず興味の対象として記録媒体というものがありました。やくしまるの活動もいろんな記録媒体を使って物語を進めています。記録媒体はそれ自体はただのデータで、読み込んだものにストーリーを委ねます。その存在の仕方は自分にも通じるものがあると思うからです。人間もただの遺伝情報の羅列です。人間の言葉や表情、立ち振る舞いは一定ではないけれど、遺伝情報はよりプライヴェートなデータでありながら、自分ではなかなか書き替えることはできない。だからこそ信用できる。なので遺伝子から音楽をつくり、DNAを記録媒体にすることに純粋に興味がありました。

優れた発想力と革新によって「新しい未来」をもたらすイノヴェイターたちを支えるべく、『WIRED』日本版とAudiが2016年にスタートしたプロジェクトの第4回。世界3カ国で展開されるグローバルプロジェクトにおいて、日本では世界に向けて世に問うべき"真のイノヴェイター"たちと、Audiがもたらすイノヴェイションを発信していきます。

──確かに人間の言葉や表情という曖昧な情報よりも、遺伝情報のほうが信用できるということですよね。

そうですね。まずやくしまるは自分のことに興味がありません。人間、ヒトというくくりに対しても愛着は希薄なほうだと思います。人類は、まるで万物の霊長であるかのように振る舞いがちですが、あくまでひとつの種族でしかない。自分の音楽活動もそうですけど、ある日、自分がほかの何かにすり替わったとしてもまったく構わないと思っています。役割さえこなしてくれれば、自分ではない誰かになろうとまったく気にしません。

なので『わたしは人類』は、人類をすげ替えるような“工作”でもあるんです。微生物に「わたしは人類」と言わせて、人類が滅んだあとの時代に、それをもし読み解いた“何か”がいたとして、「わたしは人類」と言っているこの藻が人類だと認識されるかもしれない。それはとても心が躍りますけど、すごく暴力的なことをしているなとは思います。

──信用できるものとは、不変なデータのようなものでしょうか。

森美術館で開催している「未来と芸術展」のやくしまるの『わたしは人類』の隣に、「ゴッホの左耳」が展示されています。音は脳で変換されて声や音声として聞こえますが、あの作品は脳で変換される前の音が流れている。こういうものもすごく信用できるというか、安心感や親近感が湧きます。人間は、変換したり補完したりする生き物なので、どうしても個人差が出てきてしまう。だからこそ、自分が出したものに関してはどうとられてもよいと思っています。

人類という種族のくくりのなかで、個体値はどうなのか、という差異を観測する意味でそれぞれの人間に対して興味はありますが、基本的には人類という“くくり”では見てしまいますね。

「『わたしは人類』は、人類をすげ替えるような“工作”でもある」と、やくしまるえつこは言う。人類が滅んだあとの時代、「わたしは人類」と言っている微生物のことが人類だと認識されるかもしれないからだ。

──これまでの楽曲では、地球や宇宙という視点で真理のようなものが描かれていたことが多いように思います。

昔から一人称的なことに対する興味が希薄なので、自分の想いだとかは描けないなと思っていました。そこにリアリティを感じることがないからです。なのでどうしても俯瞰で見たストーリーや、時間の流れ、惑星単位などの視点になってしまう。

──確かにこれまでも“個人的なこと”は全然歌っていないですね。

例えば制作についての“想い”を聞かれても、基本的には何もない。いま音楽をやっていますが、音楽家になりたくて音楽家を目指したわけでもないし、昔からなりたいものといえば家電になりたいくらい。なかなか家電にはなれなくて。悔しいです。

──家電になりたいというのは、どういうことでしょうか?

人間は自分を動かすような何かに触れたとき、「これを極めたい」「これになりたい」「自分はこの手法でいく」というようなことがあると思いますが、やくしまるの場合は家電に反応してしまったんです。だいたい何かを相談するときは冷蔵庫のところに行きます。冷蔵庫の隣にいる状況が自分にとってはしっくりくる。蛍光灯やエアーコンダクターの音など、家電が出している音にずっと親しみを感じているんです。家電は常に一定ですから。そういうところに惹かれているのかもしれません。家電は裏切らないので。

──確かに冷蔵庫は家の中ではいちばん存在感があるし、重量感もある。電源さえ入っていれば常に冷やし続けてくれるという安心感がありますね。

冷蔵庫はほかの人にとっての人間に近いのかなと思います。ちゃんと中には臓器が入っていて体温もある、疑似的な人間みたい。そういう点でいちばん近いところにいる気がしますね。

──幼少期から家電に興味をもっていらっしゃったんですか?

そうですね、子どものころから電話も好きでした。受話器を上げるとプーッと鳴る、それだけで満足でした。上げてプーッと鳴るのはどんなときでも“間違わない”ですよね。受話器を上げればいつでも一定の音がするから安心する。そのことが何よりも喜びだった。何度も何度もやっていましたね。

深夜の美術館で、やくしまるえつこの作品『わたしは人類』は、冷蔵庫の中で緑色に光っていた。冷蔵庫の中の微生物『わたしは人類』を展示をするためには毎回、経済産業省大臣の認可をとらなければならない。決して危険なものではないとはいえ、既存の生態系にはない遺伝情報をもつ“新生物”が外部に流出した場合、生態系を壊しかねないだからだ。

──創作の原点はどのようなものでしたか。

時計だとかいろんな機械を直したことでしょうか。幼稚園のころの将来の夢が「修理屋さん」だったんです。物をつくるという意識よりは、最初は物を修理する、再生させることから始まりました。

──修理ができるということは、物の仕組みをわかっているということですよね。

そうですね。壊れてない物でも解体して、解体するときに順序を覚えて、きれいに元通りに戻すということをしてました。そういうことでコミュニケーションをとっていましたね。よくわからない機械をもらって、それを壊して直して戻すという。

──幼少期から一貫していますね。人間は曖昧だけど、物や家電は裏切らない。そう聞くと、何か人間の裏切りのようなものに遭ったのではと安易に考えがちですが、決してそうではないわけですよね。

そうですね。人間の曖昧な感受性や曖昧な表現、印象に裏切られたと感じたことは一切ないから、そういうきっかけもありません。最初からそういうものは妄想で、個人のストーリ-であると認識していたので、だからこそ自分には関係のない世界だとわかっていたのだと思います。

個々人の世界は、自分にとっての事実ではない。自分にとってのワールドではないので、別の座標、ほぼパラレルワールドだと思うんです。他人に世界がどう見えているかはわからないですし、干渉できるとも思わない。だから自分の出したもので世界や誰かをどうこうしたいともまったく思いません。

ただ、何かのいたずらができればいいなとは思っています。小さいころ、よく外出先で、席についたテーブルの裏に、地図や暗号みたいなものを貼っておいたんです。基本的には、やくしまるにとって何かを世界に放つことは、そういう一種のパラレルワールドに対する“特異点”をつくるようなものです。いたずらをする感覚でやっています。

──音楽を発表したり、アート作品を制作するときは、やくしまるさんはプロデューサー的な役割をしていますよね。

確かにすべてを掌握しているように思われるし、普通に考えれば実情はそうなのかもしれないです。自分には実験みたいなことが性に合っていて、物事の仕組みを理解したかっただけなんですけど。仕組みがわかればいちばん効果的に物事を進められる手順がわかるから。きちんと観測していれば、何かエラーが起こったときに、どのポイントまで戻ればいいかがわかるし、それがわかっている人がいれば実働する人たちが動きやすいですよね。

結局、人間の細胞や遺伝情報は、設計図やマップがあり、その通りに動くことを実行するプログラミングです。やくしまるの場合、「自分、対、何か」という感覚が希薄なので、マッピングしてプログラムやコードに置き換えてその世界をとらえている。それをするために自分自身が観測者の立場として、自分も他者も含む世界のいろいろなものを俯瞰しておかないといけない。そのほうがアクセスしやすいから。

やくしまるえつこは、「自分、対、何か」という感覚が希薄で、マッピングしてプログラムやコードに置き換えてその世界をとらえているのだという。このため観測者の立場として、自分も他者も含む世界のいろいろなものを俯瞰して見ている。

──見ておかなければならないものとして、通常人間がかかわる社会があるとは思いますが、やくしまるさんにとって、社会と接続することはどういうことを指しますか。

社会との接点という意味では、自分にとっては音楽をやっていることが最大の社会活動だなと思います。みなさんが通勤電車に乗って会社に行くような感じです。音楽はかかわる人の数が多いですし、見るべき、観測すべき対象も多くて、それは社会だなと思いますね。やくしまるは普段、自分の種族が人間であることにあまり意識は向いてはいないのですが、音楽をやって社会と接続することで、相手は自分のことを人だと思っていることを思い出します。

自分ひとりでできる作業であれば、自分のことを何と捉えていてもかまわないと思います。でも、例えば音楽をつくっている現場で「わたしは家電なんです」「これから家電としてものを言います」と言っても普通は伝わりません。社会に接続することは、たくさんの他者がつくったパラレルワールドの登場人物になることかなと思います。

そんな社会活動のなかでも、自分を含め、人間を人間としてとらえないという視点で物事を動かすこともあります。レコーディングの現場であれば自分は楽器だと思って録音しています。ほかのメンバーやプレイヤーに対しても、欲しい音によって体勢を変えてもらったりします。例えばギタリストが座って弾いているときに、立って前傾姿勢で弾いてくれとか。結局肉体という物質を使って音を鳴らしているので、楽器が形や材質によって音が変わったり、スピーカーも仕組みによって音が変わるのと同じで、人間もそう。何かを弾いたり歌ったりするときは、自分は音を出す物質だととらえて音を出したり、指示したりしていますね。

──いま、遺伝子操作はもちろん、バイオテクノロジー以外でも、さまざまな研究が未来に向かって進んでいます。やくしまるさんがやりたいことも、今後幅広くできるようになると思いますが、いま注目しているものなどはありますか?

できるだけ引きこもりたいです。割とすぐ可能になるとは思いますが、打ち合わせやライヴなど、外に出なくてはいけない用事は、疑似的なロールプレイボットやアヴァターで済ませられるといいですね。自分よりも対人に関しては、対人型ヒューマノイドの自分のほうがうまく接してくれそうですし。

人の役割は複雑で複合的ですが、例えばステージに立つやくしまるえつこというものに対して求められる役割というように、個体を複数のロールに分ければ、条件を明らかにして学習してこなす自動ロールプレイは可能だと思います。自分がやってもどうしてもノイズやバグは発生するので、自分よりももっと効率化できる可能性がある。ですからまったく自分と同じである必要はありません。

ただ、難しいのはノイズやバグを除去した瞬間、プログラムが急に動かなくなることはよくある話です。すごくきれいに整理したものが動かなくなる。遺伝子の突然変異も同じで、バグなどの、余計なものと思われていたものが進化のきっかけになったりする。それは「特異点」みたいなものかもしれなくて、机の裏に貼られた地図は誰かにとって、バグとして作用してバグとして除去されるかもしれないし、もしかしたらそれが何か進化のきっかけになりうるかもしれない。そういう意味では、効率化を考えてこの機能だけを果たせばよいと思ってつくったクローンやAIが本当にその機能を果たせるかというのは、難しいところだと思いますね。

バグなどの余計なものと思われていたものが進化のきっかけになるかもしれないと、やくしまるえつこは言う。

──難しいですね。あったほうがいいと認識されたらバグではない。

遺伝子のなかには、何の遺伝情報をもっているのか、まったく意味をなさない配列が結構あるんです。長いコードのなかで「この部分はこの機能を形成する」というような遺伝情報がある一方で、「じゃあこの部分は一体何を示しているのか」というわからない部分がある。

一見、何の機能も果たしていない。でもなくしては働かなくなる。最近は「これはちょっとしたスイッチの役割を果たしているのではないかな」と思うようになりました。自分には何もないと思わせて機能を隠しもってるのは面白いやつだなと思いますね。必要がないと思われたら自分の存在は進化の過程から切り離される恐れがあるにもかかわらず、ぎりぎりのラインでそこに忍び込んでいるのは、すごく尊敬しますね。真似したい。

──最後に、未来について聞かせてください。やくしまるさんの場合、歌詞のなかでは地球が滅んだり、人類は滅亡していますが、滅亡前の最後の人類はどういうものだと思いますか。

愛し合っていてほしいです。プログラムの支配下で完全に効率化された生活を送っていたとしても、そこをはみ出して、そのプログラムを外れても好きな人と愛し合いたいとか、そういう人類の意地を見せていただきたいですね。

やくしまるはバグのようなノイズに憧れがあるので、世界を大きな遺伝情報やプログラムのように引いて見たときに浮かび上がってくるエラーのようなものに対して、何かを起こしてくれるのではという期待感がある。バグがない世界はテーブルの裏に地図が貼ってない世界です。やくしまるはやっぱり、地図を貼りましたからね。

Audi Story 19

「技術による先進」の第2幕

Audiにとってモータースポーツとは、長らく「技術の実験室」として機能し続けてきた。その栄光の歴史は、電気自動車(EV)の時代になっても変わらない。EVのF1と称される「フォーミュラE」の2018/2019シーズン最終戦が7月に開かれ、「Team Audi Sport ABT Schaeffler」はチームランキング総合2位を獲得したのだ。モータースポーツで技術を磨いて量産車にフィードバックする好循環は、すでEVにおいても始まっている。モーターやバッテリーなどの小型軽量化と出力強化が進み、EVがもっと遠くまでパワフルに効率よく走れるようになる──。そんな「技術による先進」の第2幕は、まさに始まったところだ。(PHOTOGRAPH BY AUDI AG)

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やくしまるえつこ

この世界に“バグ”を生み出す。
それはいつか、進化になる。

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AudiInnovation

Audi A1 Sportbackの進化

七大陸最高峰を最年少制覇した南谷真鈴、
「クルマで移動する自由」を体感する。

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Innovator

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Music

細野晴臣

この世界で、自由なダンスを。
みんなでチークタイムを。

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やくしまるえつこ

この世界に“バグ”を生み出す。
それはいつか、進化になる。

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Architecture

田根剛

謙虚に耳を澄ませば、建築はやがて「未来の記憶」になる。

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Agriculture

小島希世子

あまねく人に社会復帰の機会を。
そのために、わたしは農業を続ける。

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Engineering

小川由希子

これまでにない「新しい材料」を生み出す。
なぜなら、それがよりよい社会をつくるから。

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Chemistry

菅裕明

最初から「先端」だったわけじゃない。
“異端”が認められた瞬間、先端になった。

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Developer

川田十夢

「ぼくが考えている拡張現実」のほうが、
現実より500万倍くらいおもしろい。

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Maker

藤岡淳一

深圳という「母なる大地」で闘い続ける。
そのために、マイクはステージに置いてきた。

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Social Activity

北野華子

「スポーツ」の不思議な力に賭ける。
長期療養する子どもの未来のために。

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Maker

高山隆志

世界トップクラスの医師たちと並走する。
誰にもまねできない手術器具をつくる。

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Business

中村朱美

人生を豊かにするために「仕事」がある。
そのための会社を、わたしはつくった。

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Science

福島邦彦

人間の脳のメカニズムを、
わたしは知りたくてたまらない。

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Literature

穂村弘

短歌を詠み、読み続けるかぎり、​
わたしはマイノリティであり続ける。​

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AwardedInnovator

Animation

湯浅政明

水の動きに、ハッとする。
波乗りのように、アニメーションをつくる。

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Healthcare

酒匂真理

医療とAIで、途上国に医療革命を。
新たな世界は「つなぐ」ことで訪れる。

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AwardedInnovator

Business

中西敦士

「トイレの悩み」を解決する。
あらゆる人に、よりよい“人生”を届ける。

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AwardedInnovator

Social Activity

渡部清花

難民は「難しい民」なんかじゃない。
みんなが“自分らしく”暮らせる社会をつくる。

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Design

小林新也

矛盾だらけの社会の“渦”のなか、
地方から「愛」に満ちたものづくりを。

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AwardedInnovator

Business

加藤崇

テクノロジーを経済に織り込んでいく。
それが「起業家」の役割だから。

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AwardedInnovator

Art

舘鼻則孝

日本の歴史文化と、自己のアイデンティティ。
その「交差点」で、ぼくはつくり続ける。

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03
Audi Innovation

Audi A1 Sportbackの進化

七大陸最高峰を最年少制覇した南谷真鈴、
「クルマで移動する自由」を体感する。

Audiのコンパクトハッチバック「Audi A1 Sportback」が、8年ぶりにフルモデルチェンジした。このほど国内でも発売されたAudi A1にいち早く試乗したのは、七大陸最高峰登頂と北極点・南極点到達を達成する「エクスプローラーズ・グランドスラム」を最年少で達成したことで知られる南谷真鈴。世界各地を巡り、新たな世界を切り拓き続けてきた好奇心旺盛な彼女にとって、この大きな進化を遂げたコンパクトカーの運転は、どんな新しい体験になったのか。

PHOTOGRAPHS BY KEISUKE ONO
TEXT BY DAISUKE TAKIMOTO

2019.12.12 Thu

コンパクトカーでありながら上級モデルに引けをとらない高い質感を備え、ひとたび走らせれば小さくて軽いがゆえに意のままに操れる──。コンパクトカーの概念に革新をもたらした「Audi A1」が日本市場で衝撃のデビューを果たしたのは、2011年のことだった。

それから8年、Audi A1が進化を遂げて帰ってきた。2代目にして5ドアハッチバック専用モデルとなった「Audi A1 Sportback」は、コンパクトでありながら上質であるという初代の美点を受け継ぎ、さらに磨きをかけている。その実力を試すべく手を挙げたのは、南谷真鈴。七大陸最高峰登頂と北極点・南極点到達を達成する「エクスプローラーズ・グランドスラム」を、2017年4月に世界最年少の20歳で達成した人物だ。

この日は久しぶりに自分でステアリングを握ったのだという冒険家の南谷真鈴。最初は緊張していたが、徐々にリラックスして運転を楽しんでいる様子だった。「海外でも運転するために、これでもマニュアルの自動車免許をとったんですよ」と言って笑う。

試乗のために用意されたAudi A1のボディカラーは、鮮やかな赤。「ミサノレッド パールエフェクト」と呼ばれる色だ。躍動感を感じさせるボディラインへの光の映り込みが、見る角度によって変わるさまが美しい。「この色、すごくいいですね。もし買うなら、この色がいいです」と、南谷はクルマの周りをぐるっと一周する。

そしてクルマに乗り込み、いざ出発。目的地は?

「わたし、お台場に行きたいです!」

雨上がりの抜けるような秋晴れの空を見て、自らの運転でレインボーブリッジを渡ってみたくなったのだという。予定していたコースとはちょっと違っているけれど、それもまたドライヴの醍醐味である。「クルマがあると、自由に思い立って好きなところに行けるのがいいですよね」と、Audi A1を走らせながら南谷は言う。

新たなる冒険のために

エクスプローラーズ・グランドスラムの達成後、南谷はセーリングを学ぶために南アフリカに滞在していた。いつかセーリングで世界一周しながら、山や自然から彼女が“教わった”ことを各地の子どもたちに伝えていきたいと考えているからだ。だからこそ、「学ぶ」ことの大切さに改めて気づいた彼女は、2018年に帰国して復学し、いまは大学生として授業に課題に大忙しの日々を送っている。

それでも週末はヨットに乗ったり、ダイヴィングのライセンスを生かして海中の清掃ヴォランティアに取り組んだりしている。東日本大震災で三陸沿岸の海底に沈んだがれきの処理や、磯焼け状態になった海の藻場再生が、南谷にとって最近の重要なテーマなのだという。こんなクルマがあれば、そうした活動の際にも便利に違いないと、彼女は言う。

  • l1007788_0
    1/5Audi A1 Sportbackのデザインは、1980年代に自動車ラリーを席巻した「Audi Sport quattro」へのオマージュが散りばめられている。ボンネット先端に設けられた3分割のスリットや前傾したワイドなCピラーの形状は、確かに往年のラリーカーを思わせる。
  • ボンネット先端に設けられた3分割のスリットが、効果的なアクセントになっている。その下に配置されているのは、Audiを象徴するシングルフレームグリルだ。
  • いざ、お台場へ。10.1インチのタッチスクリーンを備えたナヴィゲーションシステムは、スマートフォン感覚で操作できる。目的地の設定も簡単だ。
  • メーターなどはデジタル化されており、速度やエンジンの回転数といった走行中の情報は、すべて10.25インチの高解像度液晶ディスプレイに表示される。オーディオやカーナビなどの表示に切り替えることもできる。
  • この日は朝から冷たい雨が降っていたが、南谷が現れた途端に青空が広がった。

そうこうしているうちに、お台場に到着。「せっかくだから、音楽を聴きたいです!」という南谷。早速、自分のiPhoneとAudi A1のオーディオシステムを連携させて、最近のお気に入りだという1960年代のジャズをストリーミングで流す。青空の下、軽快な音楽のリズムに合わせるかのように、Audi A1はビートを刻みながら軽やかに走ってゆく。

都心に住んでいるため電車移動が多く、ステアリングを握るのは久しぶりだったという南谷。このころにはリラックスして運転を楽しんでいる様子だった。「コンパクトで運転しやすいですよね。いまは自分のクルマはもっていないけれど、社会人になったら手に入れたいと思うようになりました」

これから彼女が新たな冒険に飛び出していくとき、そのよきパートナーとなるのは、もしかするとAudi A1 Sportbackなのかもしれない。

南谷真鈴|MARIN MINAMIYA
冒険家。1996年、神奈川県生まれ。2015年のアコンカグア(アルゼンチン)を皮切りに、キリマンジャロ(タンザニア)、モンブラン(フランス)、マナスル(ネパール)、コジオスコ(オーストラリア)、ヴィンソン・マシフ(南極大陸)、カルステンツ・ピラミッド(インドネシア)、エルブルス(ロシア)などを征覇、南極点にも到達。2016年5月23日にエヴェレスト(ネパール)に登頂し、日本人最年少記録を更新。同年7月4日にデナリ(アメリカ)を登頂したことで七大陸最高峰(セブンサミッツ)の日本人最年少記録更新。2017年4月13日に北極点到達、「エクスプローラーズ・グランドスラム」達成の世界最年少記録を樹立。早稲田大学政治経済学部国際政治経済学科在籍中。「WIRED Audi INNOVATION AWARD 2017」イノヴェイター。

コンパクトなサイズと上質さが魅力の「Audi A1 Sportback」は、都市の風景にもよく映える。

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Music

細野晴臣

この世界で、自由なダンスを。
みんなでチークタイムを。

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Audi A1 Sportbackの進化

七大陸最高峰を最年少制覇した南谷真鈴、
「クルマで移動する自由」を体感する。

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